10 人用罠
ダンジョンに入り何日が過ぎただろうか……。
恐らくキュクに聞けば解るかもしれないが意味の無いことだろう。
一時は何処かを拠点に据えて
経験値を稼ごうと画策もしたが……このダンジョンに拠点に据えられるような場所は無かった。
暫く歩いた俺達はまた扉を見つけた。そこには鍵が無かった。だが扉を開けると入り口で見た処理場の部屋だった。
戦う手段を得た俺達は中を調べるべく中へと入ったが入り口の所にあったものと違いが無いように見受けられた。
そこで幾つかの死体と壁に印をつけ他の扉を探すことにした。
いくつかの扉と部屋を抜けた時またその処理場は現れた。
中には……印が残っていた。
道はほとんど真っ直ぐ移動していたので入り口に戻る訳もない。
つまり、部屋が定期的に移動しているのだ。
とりあえず通路のマッピングを続けたが……部屋に入っていないにも関わらず同じような場所をさ迷っているように感じた。
また、廊下に印を付けると増えるのだ。
一度ガリガリとオークの持っていた剣で壁を削りながら歩いてみた。
すると角を曲がった時に壁、天井、床のどれもにガリガリと削った跡が大量に付いていた。
それから何日もこのダンジョンをさ迷っていた。
時々オークやもっと危なげなモンスターが徘徊していたが後を着けても途中で忽然と消えたりして何処から来ているのかすら分からなかった。
さらに、中には角を曲がると死んでいたこともあった。
それは、いくつ目かの小部屋を抜けた時のことだった。
キュクに抱かれ通路を進んでいた俺はキュクが突如後ろへ飛んだのを感じた。
ジャキン
な、なんだ?
針が通路の床から生えていた。
「トラップです」
針の筵とでもいうべきか針は高さ50cmほどで上を通った者の足を貫くようにできていた。
俺達が食らうとサイズ的に致命傷である。
「どうやら、感圧式ではないようです。恐らく魔術によるものかと思われます」
キュクはその大きな目でトラップを観察していた。
魔術?魔法じゃなくて?
「魔術は魔の技術です。方式や公式に乗っ取った魔力を使った技術体系のものを魔術と言います。魔法よりはこういったトラップなどに向いています」
技術か……じゃあ魔法は?
「魔法は魔力を使った法則です。魔法は案外誰にでも使えますがイメージや明確な思いなどが大事になってきます」
イメージってことは技術ってより自然と出来るって感じか。
「今回気づけたのはまぐれなので今後はこういったトラップにも気をつけて進まなくてはいけません」
今後は通路を歩くだけでも危険とは気が滅入る話である。
それにしてもこの針とったり出来ないかな?強度も高そうだし武器にいいような気がするんだけど。
「恐らく無理でしょう」
そっかー。ふぅ早くこのダンジョン出たいな。
「ダンジョンの入り口が閉じてしまったので出るには入り口を開けるか、別の出口を探すか、ダンジョンボスを倒しダンジョンコアを潰すしかないかと思われます」
ダンジョンのボスってこの世界の人が「無理」って匙を投げたんだろ?俺達に倒せるのか?
「進化を続ければあるいは……」
そうか…………とりあえずトラップがあるって事は奥に何かあるって事かな?
「その可能性もありますが……単純にダンジョンの深部へと向かっているだけという可能性もあります」
ふぅ取り敢えず他の道を探すか。
「はい」
俺とキュクは道を戻り他の道へと進んで行った。
その後も色々なトラップをかわしながら少しずつ進んでいった。
唯一の救いは感圧式のトラップや人間の頭等の高さを攻撃するトラップは引っ掛かる事が無かった事である。
だが、魔術によるトラップを見抜く事ができず危険な事も何度かあり早急に魔術を見極める進化を必要を感じていた。
そんな時である。
俺達はいままでとは違う扉を見つけた。
それまで気の扉や錆びた扉、鉄で作られた武骨な扉は多くあったが装飾のされた扉は無かった。
だが目の前のこの扉は厳重に鍵がされている上、赤い扉に金の装飾が施されていた。
俺とキュクは宝物庫または、それに類する貴重な品を入れて置く部屋だと予想した。
たとえ違ったとしてもこれだけ違う扉なのだ。これまでどうりの中身ということは無いだろうと思い手の中の鍵束を使い扉を開けようとした。
しかし、扉に合う鍵は無かった。
ガックリしながら俺達はそこを離れ通路を歩いた。
絶対あの扉何かあるよな。
「確実に何かあると思わせる手かもしれません」
まぁその可能性もあるが扉に合う鍵を見つけたいな。
「ああいった扉の定番はボスが鍵を持っている事が多いかと思われます」
ボスって言うとあの首の取れた騎士かねぇ。
「その可能性は高いかと……あのモンスターはこのダンジョンに入ってから一度しか見ていません」
アレか。滅茶苦茶強そうだったんだけど……。
オークも会いそうで会わないのがこのダンジョンだしな……。
「そうですね。経験値を稼がせないような作りになっています」
どっかでオークの溜まり場とかあればいいんだけど。
「ロプス様、私達は魔術等を関知出来ないままここまで来ました。これは大きな経験になっているかと思われます」
ん?そうなのか?
だが、言われてみるとそんな気もしてくる。
一度進化を見てみるか。
【経験値10413
進化→
強化→
薬効生成→
メイド→】
ごっつい増えとる……。
思わず関西弁になってしまった。




