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進化先の選択肢がおかしい件  作者: 紫扇
プロローグ 一つ目とメイド
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01 転生

一つ目娘が書きたくてし仕方がなかったとです。


 目が覚めると転生をする場所にいた。

 なぜわかるかって?

 なぜならここは役所のような場所で、目の前に転生課と書かれていたからだ。


「はじめまして」


 目の前の机にいたヘッドドレスをつけメイド服をパッツンパッツンにしたゴリラのようなオッサンが挨拶をしてきた。パッと見なくても変態以外の何者でもない。


「は、はじめまして」

「今回お前の転生を担当させてもらうフジタだ」

「は、はぁ俺は……」


 その時自分の名前が出てこなかった。


「俺はダレここはドコ」


 まさに記憶喪失の人のようだ。そのものだが……。


「困惑するのも無理はないが」


 あんたの格好以上に困惑はしねーよ。


「まぁ落ち着いて聞け」

「お、おぅ」

「お前はこれから転生する。巷で噂の転生モノだな」

「ははぁ」


 ??……こういうのって神様とかがするんじゃないのか?大抵白い部屋に神様の組み合わせが多い気がするんだが。


「転生者があまりに多いんで転生専用の部署が設立されたんだよ」

「天界も大変ですね」

「まあな、毎日頭のおかしいガキの相手は疲れる」


あんたの格好以上に(ry……。


「まぁとりあえずそういうことでここは転生を管理する部署だ」

「へー」

「お前の希望を聞いてある程度転生先を決められる」

「まじか。じゃあスライムとかドラゴンとかできるのか」

「まぁできるがお前の場合は転生先ですぐピキーとか言って終わりだぞ」

「なんでだよ!!」


「そりゃそうだろう。どんだけ転生者いると思ってんだ。どいつもこいつもやれ無限再生だとか経験値倍増が~とか鑑定チートだとか甘いこと言ってんじゃねぇ」

「じゃあ何ができるんだよ」

「とりあえずお前の来世の候補はこんなもんだな」


 目の前の空中に文字が浮かび上がってきた。


・スライム(悪いスライムだよ)

・人(フツメン:中の下)

・ カニ(食用)

・(´・ω・`)

・ウミウシ(寿命1000年)

・鼻毛(伸びる、喋る、自立する)

etc.…


「そのリストの中から選べ」

「酷いのしかないんだけど」


 リストを流し見していると気になるのがあった。


・目玉のナニカ


「なあ、これなんだ」

「目玉のナニカだ」

「ナニカってなんだよ」

「よくわからん生き物だな」

「具体的には?」

「シャカシャカ動いたりゴワゴワしてたりギーギー鳴いたりする」

「なんだよそれどんな生き物だよ!」

「生き物かも怪しいな」

「なんでそんなのがリストにあるんですかね?」

「安心しろ他にもドザエモン(3ヶ月)とかもあるぞ」

「何だよ3ヶ月って死後なのか生後なのかどっちだよ」

「さあなぁ俺も全部は知らんしな」

「マシなのは?」

「人(フツメン:中の下)とかじゃねぇか?面白味もなにもないがな」

「もうそれでいいかな……」

「ただし……いや……やめておこう」

「最後まで言えよ!!!」


 オッサンは言いずらそうに思わせ振りな態度をとっている。とりあえず人はだめだな。


「クソ。まともなのは……」

「もう『目玉のナニカ』でいいじゃねぇか」

「なんでだよ!いやだよ!」

「いやそれオススメだって……まぁあらゆる生物に攻撃されるけどな」

「後半小声なのに丸聞こえだよ!」

「まぁいいじゃねぇか来世は(俺たちが)楽しく過ごせる人生(?)ってのも」

「括弧内言ってないのにまる分かりだよ!」

「まぁまぁ落ち着けってだったら先にユニークスキルを選ぶか?」

「ユニークスキル貰えるのか?」

「もちろんだ」

「ならとりあえず見せてくれ」


・鼻毛語

・ギャグ時空

・ラブコメ

・ハーレム体質

・鬼連打(16連射)

・じばく

・ティータイム

etc.…


 これは……またひどい。


「どうだ?他じゃ手に入らないまごうことなきユニークスキルだろ?」

「ああユニークだな」


 凄く悪い方向にな。


「俺が悪かったな。普通のスキルをくれないか?」

「普通?」

「ああ、火魔法とか重力魔法とか吸収スキルとかあるだろ?」

「ないな。品切だ」

「スキルに品切なんてあるか!!!」

「品切は品切だ」

「…………」


 しかたなくリストに目を通すことにした。


「なぁオッサン」

「なんだ?」

「鑑定とかそういうのは?」

「ここには無いな」

「どこにならあるんだよ」

「隣の窓口だ」


 すぐに立ち上がり踵を返そうとしたが、オッサンの次に続く言葉で椅子に座り直した。


「ただし来世はメガネフェチになるがな」

「どういうことだ」

「そのままの意味だ鑑定は手に入るが来世でメガネフェチになる。それもメガネに愛を囁くレベルのな」

「なんでだよ!!!」

「隣の奴がなメガネフェチなのさ。ちなみに何のスキルでも隣の窓口ではメガネフェチになる」


 隣の窓口の人を見るとそちらでも転生者を案内していた。案内しているのはメガネをかけたスーツ姿のナイスミドルといった感じの人だ。

 案内されている転生者は今の会話が聞こえたのか顔面蒼白になっている。あ、逃げようとして捕まった。


「オッサン、マシな窓口は?」

「ここだ」

「嘘つけ!!」

「じゃあ他へ行くか?来世はもれなく巨乳になったりドMになったりイケメン(ただし男以外にモテない)とかだが」

「まともなのは居ないのかよ!!」

「だから俺はマトモだろう?」

「そんなメイド服パッツンパッツンにしたゴリラに言われたくないわ!!!」

「んだと!テメェメイド服バカにしてんのか!」

「バカはあんただよ!」


 とりあえず落ち着こう。このオッサンは格好はともかく来世の選択はマトモ(?)だ。選択肢がおかしいが……。


「オススメのユニークスキルは?」

「メイド作成だ」

「オッサンみたいなのが沢山とか恐怖以外の何者でもないな」

「俺はメイドじゃねぇ!!!」

「じゃあ何でメイド服着てんだよ!!」

「趣味だ」

「変態じゃねぇか!!!!」


 思わず絶叫してしまった。


「効果は?」

「メイドが作れる」

「ありがとうございました。他の窓口で転生します」


 すぐさま踵を返そうとした俺を野太い腕が掴む。


「まぁ待て。これは俺が作ったスキルでな、あらゆるメイドをリサーチして作ったパーフェクトメイドスキルだ」

「いやメイドとか何得だよ」

「俺得だな」

「ありがとうございました。他の」

「まぁ騙されたと思って聞いていけ」


 それからオッサンのメイド談義が始まった。

 それはどっかの窓口で「私来世は巨乳になって男を侍らすの」とか「いやだ俺は来世こそ彼女を作るんだ!!「だから彼女はできるって獣なだけだって」とか「イケメン?じゃあお願いします」(また一人犠牲者が……)とかの会話が遠くで何度か交わされるほど続いた。


「つまり、メイドは人生でゴッドだ。上司の神より偉い。むしろ神そのものだな。至上の存在なんだよ」

「そうかメイドは最高だな」

「そう!!メイドは最高だ」


 数時間前の自分がなぜメイドを嫌がっていたのか理解が出来ないが俺はユニークスキルをメイド作成に決めた。


「あとは何に転生するかだが……」

「目玉のナニカに決定しといたぞ」

「ちょ………何を勝手に」

「役所だからな時間も押してるんだ。定時で帰りたいんでな」

「せめて他の」

「よし『転生開始』」


そして俺の意識は光に包まれた。



目玉ギョロギョロぐーるぐーる

目玉ってイイネ

他の奴も同時進行か(白目)


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