表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/48

第38話

夜の10時。椅子に座り、パソコンで掛け持ちしているV達の予定表を確認しているときだった。

いきなりスマホが鳴りったかと思えば、そこには“四宮さん”という表示とともにメッセージが送られていた。なぜこんな時間に、という疑問も出たけど、すぐに消えたのは送られてきた内容のせいだった。


「すみません桜見さん、、どうしても聞きたいことがあってですね。そ、その、私最近、青乃さんから避けられてる感じがするんですけど、もしかして理由をご存知だったりします?」


――あいつが四宮さんを避けている⋯!?

どういう事だ!そんな話、全然知らないぞ!?

⋯いや、確かにそういえば最近コラボの回数を減らしてくれとは言われたけど、それは日頃の配信疲れからだと。でも、そうじゃないのか⋯?


四宮信者だった青乃さんが、四宮さんを避けている。

少なくとも第三者目線で間近で見ていた身としては普通にやばいことだと分かる。もしかして、喧嘩とかしたのか⋯?

少なくとも、意味もなく青乃さんが四宮さんを避けるはずがない。

自意識過剰な四宮さんが勘違いしてる可能性もあるけど、仕事以外のことを滅多に送ってこない四宮さんのことだし、それはないな。とりあえずここは正直に話そう。


「すみません、分かりません」


しばらくして、返事が返ってくる。


「そっ、そうなんですね!ありがとうございます!」


「喧嘩でもしたんですか?」


「それは違います!」


ふぅ、断言されたということは、とりあえず喧嘩ではなさそうだ。

それについては安心したけど、でもやっぱり気になるな。

⋯でも二人のことだし、私が深入りするのは、多分違うし⋯

「なんかの勘違いでしたー!」とかで後々あいつと四宮さんのイチャイチャを見せつけられるのは嫌だし⋯

いやでもこのままだと逆に二人の仲が悪くなるかもしれないし⋯⋯


「あの」


「なんですか?」


「よかったら、青乃さんの電話番号教えてもらえませんか!」


⋯あぁ、なるほど。確かにレインって電話できなかったなぁ⋯

まぁ、断る理由もないし、青乃さんのコラボ減少の理由が四宮さん関連ならそれは早めに解決してもらいたい。そしてまた二人でコラボして、視聴者数を稼いでほしい⋯!

そんな心配半分、裏心半分な私はどうぞどうぞと言わんばかりに軽々青乃さんの電話番号を教えた。

まぁ、四宮さんなら悪用することもないだろうし、大丈夫でしょ。

ちゃんと解決したら、その時は何があったのかちゃんと聞こ。


「本当にありがとうございます!」


「ちゃんと仲直りしてくださいね」


「はい!」


そう言うと四宮さんはレインを閉じたのか、それ以降何かが送られてくることはなかった。

電話番号だけで良かったのか、と今になって不安になるも、もう手遅れだ。

にしてもあの人、なに四宮さん不安にさせてるんだ⋯

まぁ、多分仲直りできるだろうし、そうなったらまた文句言ってやろ。なにうちのV悲しませてんだ、ってな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ