第八章9 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第1試合】6/能活チームの作戦タイム4
【セバスチャン】は【希望】の提案で、【能活】の【特別な24作品】の説明を受けた。
【能活】は【生成AI】などの手助けも得ており、【アニメーション】を量産して作っている。
その中でも特別中の特別な24作品が彼の持つ【異能】の根源となる。
【能活】の仲間達も特別な作品は持っているが、それは、この【覇王杯/オーバーロード・カップ】に置いては【力】とはなり得ない。
これはあくまでも【覇王】を決める戦いである。
つまり、【チームリーダー】である【能活】を【覇王】にするための戦いである。
そのため、メンバー達は、【能活】の作り出す【24作の特別なアニメーション】の【世界観】の加護を得て、戦うという事になる。
そして、最初の勝負としては、【能活】の【特別な24作のアニメーション】のどの【世界観】を展開させて、どんな【ミッション】を与えるかが議論される事になる。
対戦相手のチームである【マルチナチーム】が【特別な13作】を作る【怨魔体】の【チーム】である以上、24作全部は使えない。
24作の中から13作を選んで【勝負】に出さなければならない。
相手チームは【ファンタジック】なメンバーが揃うチームである。
まともに力と力で勝負すれば、人間のチームである【能活チーム】に勝ち目はない。
そうではなく、【想像】の特性を活かした【作品】の【世界観】で力押しでは勝てない【ミッション】を提案する必要があると言えるだろう。
【巴】は、
「【翼さん】はどれが必勝パターンだと思うの?
貴女は【推し活】の勝利の女神でしょ?
貴女は何を推すの?何なら勝てるの?」
と言った。
確かに【巴】の言うとおり、【翼】は応援する者に成功が約束されていると言われている。
彼女が推す作品ならと思うのも無理はない話だ。
【能活】は、
「そうだね、僕も初戦は験を担ぎたい。
【翼さん】が決めて欲しい。
異論があるものは居るかい?
1人でも反対するならこの案は無しだ」
と言った。
反論は無かった。
よって、【翼】が初戦で出す、【作品】を選ぶ事にした。
【翼】は、
「そうね・・・最初は勝利を捨ててでも最後に勝つためにって言う考えもあるけど、何にしてもまずは敵の戦力を知りたいわ。
相手がどんな力を持っているか観察もしたい。
でもそんな事をしていたらミッションコンプリートを先にやられて負けてしまう。
だけど、【作品】は1つでも落としたくない。
この矛盾を解決出来そうな作品が1つだけあると思うわ。
それは、第9作【スポーツウルトラマックス】よ。
スポーツである以上、どんなに人間離れしていても【ルール】が存在するはず。
例えば器具を破壊するなどすれば反則負けみたいなルールがあれば、敵も勝つために力を調整してプレイするはず。
また、スポーツである以上、結果にはスコアが残る。
そのスコアを見れば、【人外】のステータスがある程度解ると思うわ。
私達はそのスコアを見て後で分析すれば良いのだから、私達自身は敵の【世界観】で行われる【ミッション】に集中する事が出来るわ。
私の意見としてはそんな感じかな?
敵を知り己を知れば百戦危うからずってやつね」
と言った。
【将都】は、
「なるほど、じゃあ後はミッションをどうするかだな」
と言い、【明】は、
「用意するのは13のミッションだ。
それをこの作品でどう出すかだね。
敵にとって嫌らしい感じに出せればいいんだけどね」
と言ったのだった。
相談は続く。