第八章62 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第2試合】22/都立夢異世界部活学校対決2
チームリーダー同士の1対3の変則マッチは、【都立夢異世界部活学校対決】となった。
お互い専門外の【部活】を選択する事になり、それぞれ【芳一】が在籍している【ゲーム制作部初等部4年生】を選択した。
4年生なのは初等部の方が【飛び級資格】が簡単だからである。
ちゃんとゲームとして成立しなくてはならないと言うルールの下で行われる。
専門外とは言え、彼等は【選ばれし者】である。
【選ばれし者】として認められる者はマルチな才能を持っていると言っても過言ではない。
よって、苦手分野とは言え、4カ月で2種類のゲームのアイディアを考えて作ると言うのは決して無理ゲーではない。
頑張れば出来ない事はないルールとなる。
だが、1つの勝負で4カ月もかかると言うのはかかり過ぎである。
この両チームが参戦しているのは【順転参戦方式】である。
16チームが最後の1チームになるまでつぶし合いをして残った1チームのチームリーダーが【覇王】として認められるが、それは【芳一】達が参加している【逆転参戦方式】での【目標達成チーム】が出る前に決まればの話である。
最後の1チームになるまでに【逆転参戦方式】で勝者が出た場合、【順転参戦方式】からは【覇王】は生まれないと言うことになるのだ。
だから、この【順転参戦方式】の参加チームに課せられるのはタイムアタックで少しでも早く、最後の1チームになることが求められる。
だが、それは16チームは全てそれに従うかは疑問である。
いくら早く決着をつけてもこれはまだ1回戦である。
後、2回戦と準決勝と決勝が残っているのだ。
だから、自分達がいくら焦ってやっても意味がない。
早く終わらせるために自軍の戦力を削ってしまったら次の戦いで負けてしまう。
そのため、慎重にも戦って行かなければならないのだ。
そう言う意味では、慎重かつ早く決着をつけるという矛盾している事を同時にやって行かなければならない。
要は早く慎重にと言うバランスが求められている戦いとなっているのだった。
まずは4人のチームリーダー達はどんなゲームが考えられるか考える事にした。
作る早さから考えればボードゲームやカードゲームなどを考えるのが一番手っ取り早いと言える。
ビデオゲームなどは論外だ。
とにかく時間をあまりかけずに完成出来るゲームを考えなければならない。
4人は考えた。
だが、すぐには思いつかない。
そこで、ヒントを得るために、色んな資料や番組などを見たりする事にした。
それによってインスピレーションがひらめくかも知れないと思っての行動だ。
両チームの想像戦が始まったのだった。
結論から言おう。
この勝負は無効試合となった。
4カ月間の無駄遣いに終わった。
双方のチームとも1つずつ、4つのゲームのアイディアまでは考えつき、それもゲームとして成立する所までは確かめたが、後、1つが全員、4カ月以内には思いつかなかった。
やはり専門分野外というのはハードルが高かった様だ。
選ばれし者/天才達と言えども万能ではないという事だ。
やってこなかった分野については凡人のそれと変わらない。
出来ないものは出来ないと言うことだった。
だが、チームリーダーの健闘を称えて、4人が考えた4つの【ゲーム】の紹介だけはしておこうと思う。