第八章53 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第2試合】13/【転生】対【ジャスト・ブック】3
【尚三/小学6年女子】は四階の視聴覚室で【秘密の図書室】の入り口を展開させた。
視聴覚室と同じ大きさだけ【秘密の図書室】を探す事が出来る。
【尚三/小学6年女子】は、
「無いな・・・
じゃあ、とりあえず、代わりになるものを探さないと行けないな。
殺人鬼に対抗するには何があれば良いかな?」
とつぶやいた。
あんまりのんびり探している余裕は無い。
一箇所に居ると、その内、【ユーリー/殺人教師】が探しにやってくるからだ。
ある程度で【秘密の図書室】の入り口を閉じて別の場所に移動しなくてはならない。
いくら【マンモス校】並みの大きさの【無限学校】とは言え、いつかは【ユーリー/殺人教師】がここにもやってくる。
物音もあまり立てる訳にはいかない。
音がすれば殺人鬼がやってくる。
そう言う緊張感がこのバトルにはある。
【尚三/小学6年女子】が勝つには【ユーリー/殺人教師】を100回殺さなくてはならない。
その方法を探すことになるのが【尚三/小学6年女子】側の戦い方だ。
一方、【ユーリー/殺人教師】側の方はどうか?
【ユーリー/殺人教師】は、
「さぁて・・・じゃあ、早速1回、くたばっておくか・・・」
とつぶやき、屋上からダイブした。
ドスン・・・
と鈍い音がして、一回目の絶命。
すぐに転生して復活する。
【ユーリー/殺人教師】は、
「痛てて・・・生き返ると解ってても、やっぱ、死ぬのは気分が悪いな」
とつぶやいた。
死んで生き返らないと【異能】は手に入らない。
だから少なくとも1回はやらなくてはならない。
だから飛び降りて終わりって事にしようと思ったが、思ったよりも飛び降りるのには勇気が必要だった。
生き返ると解っていてもやっぱり死ぬのは怖い。
飛び降り自殺は二度とごめんだと【ユーリー/殺人教師】は思ったのだった。
一回目の転生を経て、【ユーリー/殺人教師】は、【異能】を1つ手に入れる事が出来た。
ただし、【レクイエム】で手にする事が出来る【異能】とは異なり、小規模なスケールの【異能】となる。
今回手に入れた【異能】は、【右腕を肘から分離させて投げる事が出来る能力】だった。
何かを捕まえる時に役に立つかも知れない【異能】となるが、【尚三/小学6年女子】を殺すのに適している異能とは言えない。
【ユーリー/殺人教師】はその異能を試して見たがあまり使い勝手が良い異能とは言えなかった。
便利な異能であれば、7回目の転生までは持ち越し出来るのだが、この異能は別にいらないなと彼は思った。
同時に持つ事が出来る異能は5つまでである。
当然、いらないと判断した異能はドンドン切り捨てて行くだけである。
【ユーリー/殺人教師】は次の転生をする事にした。
と言っても飛び降りは二度とごめんだ。
別の方法で転生をする事にしたのだった。




