第八章38 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第1試合】35/ミーニング・スイッチ3
【能活/ユグドラ】は、今回の【ミッション】である(08)【月夜に照らされた乙女の肢体に刻まれしミッション】にたどり着いた。
これは、【月夜に照らされた乙女の肢体】という【彫刻作品】だった。
地下迷宮の最奥部にあるそれは、全高8メートルの巨大彫刻であり、ちょうどそこから、【月の光】が照らされて、【ミッション】が光って浮かび上がる様に仕掛けが施されているのである。
ただし、【満月】にならないと最奥部まで光が届かない。
こんなに早くたどり着くとは【アナザー・マルチナ】も考えて居なかったため、新月の今ではたどり着いても答えとなる【ミッション】は写し出されない。
つまり、この場でしばらく待機の必要が出てしまった。
この世界観での次の【満月】になるまでは、後、10日ほどかかる様だ。
ただし、ここは【アナザー・マルチナ】の表現する【世界観】である。
ただ単に待っているだけと言う事はあり得ない。
マジシャンとしてお客様を退屈させるのはあり得ない。
代わりの催し物もちゃんと用意してあるのである。
それが、この【世界観】で実りのない待機行動を取っている者に対して現れる【サブ・エネミー】である【ユニーク・ユニット】である。
【ユニーク・ユニット】とは、【ミーニング・スイッチ】の【世界観】に徘徊している独立した【ロボット兵器】の事を指している。
【ユニーク・ユニット】の役割は、【世界観】を逸脱した行動を取る者への対処。
また、【何の目的も持たずにただ時間を潰す】などのつまらない行為をしている者への強制イベント提供としての敵対行為。
となっている。
そして、【ユニーク・ユニット】は、この【ミーニング・スイッチ】の【世界観】においては【ゲーム】の中の【隠れキャラ】/【隠しステージ】扱いとなる。
そのため、【本編内容】とは直接の関係は無いがそれなりの強さを持った【存在】/【ロボット】となる。
また、【ユニーク・ユニット】と【ミーニング・スイッチ】はそれぞれ違った【理】で形成された【ロボット】という事になる。
【ミーニング・スイッチ】が【意味の変換】などを力とするのに対して、【ユニーク・ユニット】は、全部で12機存在し、その12機は、今回、特別な【SF】として提示した13作品の内、【ミーニング・スイッチ】以外の12作品の【テーマロボット】がそれをまかなう事になっている。
そのため、当然、初戦で出た【アト・ブロックシステム】で出来ている【メカニック・イート】などもそれに含まれるのだ。
【ユニーク・ユニット】12機の内訳は、
(01)【物の性質を変質させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【メカニック・イート/メカニック喰らい】、
(02)【物の性質を反転させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【サンドグラス/砂時計】、
(03)【物の性質を動かす力の書】を【動力】とした【OSMF】/【ムーヴ・ドライブ/動くドライブ】、
(04)【物の性質を追加する力の書】を【動力】とした【OSMF】/【アッド・エレメント/加える要素】、
(05)【物の性質を消失させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【イレイザー・ショック/消しゴムショック】、
(06)【物の性質を高める力の書】を【動力】とした【OSMF】/【ハイ・ランカー/高いランカー】、
(07)【物の性質を弱体化させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【ウィークニング・キープ/弱体化保存】、
(08)【物の性質を入れ替える力の書】を【動力】とした【OSMF】/【チェンジ・フィット/交換適合】、
(09)【物の性質を混ぜる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【ミックス・クロッシング混合交差】、
(10)【物の性質を進化させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【エボリューション・シンギュラリティ/進化特異点】、
(11)【物の性質を退化させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【ディジェネレイション・エナジー/退化エネルギー】、
(12)【物の性質を流動させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【フロー・エクストリーム/極端流動】、
となっている。
この内、【能活/ユグドラ】の相手をするためにやって来たのは、1つ前に対決した時に【アナザー・マルチナチーム】が出してきた、【物の性質を反転させる力の書】を【動力】とした【OSMF】/【サンドグラス/砂時計】の【世界観】のロボット【サンドグラス】を元にした【ユニーク・ユニット】だった。
名称は【ユニーク・ユニット】と言う扱いになっているが、内容は【サンドグラス】の【ロボット像】そのままとなっている。