第八章37 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第1試合】34/ミーニング・スイッチ2
【能活】は、【先人が残した10大修行苦行】の1つ、【百姫(ひゃっき)救出行】を制覇し、【91番目の異世界】から【100番目の異世界】の【姫君】とそれらが召喚する【魔王】の力を得ている。
また、【限定未来視】という【未来】に起こる事を知ることが出来る(ただし他者に話したり記したりすると【能活】の中での情報が消えてしまう)と言う【異能】も持っているし、【理解盗作】という他者の使う【異能】の【力】の【仕組み】を理解出来た時、【10回だけ限定】で相手のその【異能】を使う事が出来るという【異能】も持っている。
この力は、【能活】のマストとしての力になっているので、自在に使う事が出来る。
また、この【ミーニング・スイッチ】という【世界観】に対して【能活】は、第21作【グラン・プリマ・レガシー】の中の抜群の適応力を持つとされる【ユグドラ】と言う【キャラクター】と同期して行動する事にした。
【能活/ユグドラ】は、
「さぁて、じゃあ、早速、【異能】を使わせてもらいますか」
とつぶやき、行動を開始する。
【能活】は、本来高身長のすらっとしたイケメン男性である。
だが、【ユグドラ】の身体と同期している現在は、ドワーフの様な身長になっていて髪もボサボサのロングヘアになっている。
正直、イケメン度ではレベルが落ちてしまっている印象は否めないが、【ユグドラ】はそれを差し引いてもおつりが来る【異能】を持っている。
それは【天啓】と【運の良さ】である。
【天啓】とは、【世界】を包む【空気】を感じ取り、この【世界の理】を示す【発想】を得やすいという事。
【運の良さ】とは、作中で危険を回避する能力ステータスが異様に高い設定で考えられた【キャラクター】なのである。
通常であれば、危険な敵と出逢うはずだったシーンを【バグ・シチュエーション】という状態を作り出し、【イベントスキップ】する事がたまにあり、それを【運が良い】という事で表現しているのである。
この【世界観】で冒険するのには最高ステータスを持っていると言っても過言ではない。
【能活/ユグドラ】は、【能活】の持っている【限定未来視】を使って、自分が宝の【ミッション】を見つけている【シーン】を頭に入れる。
その【シーン】の光景から周りの【状況】を推測する。
また、【天啓】により、その【宝のミッション】のある場所を推測する。
この【世界】には、【ミーニング・スイッチ】という【脅威】があるが、【ユグドラ】の【バグ・シチュエーション】で【イベントスキップ】をしたり、【能活】の【プリンセス召喚】で、【プリンセス】に【魔王】を召喚してもらい、【ミーニング・スイッチ】と戦ったりして難を逃れていた。
本来であれば、自分が操る【ミーニング・スイッチ】を手に入れるというのからがセオリーなのだが、【能活】はそれをまずは無視して、自分の好きなように行動している。
旅の船の舵は握らせない。
車のハンドルは握らせない。
飛行機の操縦席には入らせない。
敵のルールでは行動しない。
あくまでも自分のペースで行動する。
それが、【芳一】に憧れていた【能活】が導き出した【戦闘スタイル】だった。
自分自身でルールを作りながら、穴でも掘り進める様にプレイする。
それに対して楽しさを感じる。
それによって、力を発揮する。
それが彼のやり方だった。