第八章36 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第1試合】33/ミーニング・スイッチ1
【アナザー・マルチナ】が【グラン・プリマ・レガシー】に挑戦している時、【能活】は逆に、【アナザー・マルチナ】の第3作、【ミーニング・スイッチ】の【世界】に挑戦をしている。
今回からは彼の挑戦を追っていこうと思う。
おさらいになるが、【ミーニング・スイッチ/意味のスイッチ】とは、【美容】がテーマであり、ロボットは【美しいフォルム】を形成し、【魅了】する事が【力の源泉】となっている物語となっている。
【ミーニング・スイッチ】の【世界観】では、【男粋機】と【女艶機】と【子撫機】と【他崇機】という大きく分けて4つの機体が存在し、
【男粋機】とはいわゆる【かっこよさ】/【強そう】などを基準とした【ミーニング・スイッチ】と言う【ロボット】でネーミングは【何々フォーム】、【何々アーム】、【何々フォース】、【何々フォーマル】と付き、
【女艶機】とはいわゆる【綺麗さ】/【チャーミングさ】などを基準とした【ミーニング・スイッチ】でネーミングは【何々ドレス】、【何々チャーム】、【何々アクセ】、【何々ビューティ】と付き、
【子撫機】とはいわゆる【かわいらしさ】/【小動物/愛玩動物系】などを基準とした【ミーニング・スイッチ】でネーミングは【何々アニマ】、【何々ルック】、【何々チェック】、【何々キューティ】と付き、
【他崇機】とはいわゆる【かっこよさ】、【綺麗さ】、【かわいらしさ】以外の【美】を基準とした【崇高さ】や【威圧感】、【恐怖】、【不気味かわいらしさ】など、複数の要素を持った【ミーニング・スイッチ】で【何々ゴッド】、【何々カース】、【何々アングル】、【何々リンク】と付いている。
と言う事になっている。
【マルチナチーム】が提示した【ミーニング・スイッチ/意味のスイッチ】における13のミッションは、
(01)【小鳥鳴く奇跡水の町の三本目の木の根元に置かれた宝箱の中のミッション】、
(02)【興味無くした乙女が奏でるメロディーに裏打ちされた麺類の示すミッション】、
(03)【沈んだ月から湧き出る泉に写し出されるミッション】、
(04)【火の海にも負けない鉄鍋の裏に記されしミッション】、
(05)【幸福街の恋人の別れのメッセージに記されしミッション】、
(06)【囁く声に悩まされし乙女が見る夢に映しだされしミッション】、
(07)【助け呼ぶ声も届かぬ暗闇に沈むミッション】、
(08)【月夜に照らされた乙女の肢体に刻まれしミッション】、
(09)【フォーリンラブトゥミー&ミッション】、
(10)【ちゃらい男の顛末の示すミッション】、
(11)【カーチェイスよりも興奮する女が語るミッション】、
(12)【ただひたすらに・・・旅行く人・・・ミッション】、
(13)【ジャンジャリジュッチャンでミッション】、
となっている。
これについての解説も【グラン・プリマ・レガシー】同様に一切無い。
特に最後の【ジャンジャリジュッチャン】とは何を意味しているのか全く解らない出鱈目な言葉にも見える。
統一性も何も無く、ヒントも無い。
そんな状態でメンバーは困惑したが、【能活】はピンと来た。
そして、どうすれば良いのか解らないメンバー達に向かって、
「さぁ、みんな、【アート】を楽しもうじゃないか」
とアドバイスをした。
その言葉にみんなピンと来た。
そう・・・これは、意味のない言葉ではない。
【アート作品】の【タイトル】なのだ。
【ミッション】には全て【ミッション】という言葉が入っている。
つまり、この【ミッション】自体が【ミッション】を示しているのではなく、例えば、(01)【小鳥鳴く奇跡水の町の三本目の木の根元に置かれた宝箱の中のミッション】であったのなら、【小鳥鳴く奇跡水の町の三本目の木の根元に置かれた宝箱の中のミッション】という言葉から推測して【小鳥鳴く奇跡水の町の三本目の木の根元に置かれた宝箱】という【タイトル】がついた何らかの【アート作品】があるはずである。
その【アート作品】のどこかに本当の【ミッションの指令】が書いてあると言う意味である。
【アナザー・マルチナ】はマジシャンである。
つまり、何らかのトリックをこの【ミッション】に作り出している。
マジック/手品である以上、何らかのトリック/種は存在しているはずである。
そのトリックを見破って見せろ。
そう言う話なのである。
【能活】は、
「おもしろいね。やってみようか・・・」
とつぶやいたのだった。
【能活】には厳しい修行で得た異能もある。
彼は状況を楽しんでいる。