第八章34 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第1試合】31/グラン・プリマ・レガシー4
【アナザー・マルチナ/イクスドレス】は、【グラン・プリマ・レガシー】の【世界】で【良いね】を集めるための行動に出る事になった。
【イクスドレス】は、【女艶機】とされ、【女性】としての【魅力】を具現化した【機体】である。
つまり、人間の女性がするような【お洒落】や【化粧】をしたりする。
【ロボット】なので人間の魅力とは少し違うが、【ドレス風の装備】や【和服風の装備】などを装備したり、【化粧】を表現するために【機体】を魅力的に光らせたり、ラインを引いたりして美しく見せるなどをして、女性をイメージ出来る美しさを表現する事が出来る。
要はそれを見て、他者が【美しい】と認めれば、それがポイントとなる。
簡単に表現すればアートなどの【造形美】を公開してそれを【魅力】として認識させると言う事である。
それを見た一般人などが、
「あ、良いなあれ」
「綺麗だな」
「素敵だな」
などと認めれば、(声に出さなくても認めればポイントとなる)【ポイント】が溜まって行く。
それで溜まった【ポイント】を【ステータス・ポイント】の【フォーム・ポイント】に割り振り、20メートルの巨体を【人間の女性】に見せるだけの【ミーニング・チェンジ・ポイント】が溜まれば、姿形を人間の様に変更する事が出来る。
もちろん、見た目だけを変更する事が【意味】を変えると言う事ではない。
【火力】を【凍結力】に変える。
【水の蒸発】の温度を1000度に変える。
【剣】を斬る兵器から叩く兵器に変える。
【甘い】を【からい】に変える。
【ダメージ】を【回復】に変える。
【鍵をかける】を【ワープする】に変える。
【言葉】を【文字】に変換する。
水中用を空中戦闘用に変える。
一歩を三歩に変える。
巨大な身体を動物の様に変える。
【排泄物】と言う言葉の意味を【楽器】と差し替える。
等々、【ポイント】さえ溜めてその【ポイント】を必要項目に全て割り振れれば、意味自体を変える事も可能である。
これも【メカニック・イート】同様に従来の【SFロボット物】の持っている【世界観】を大きく変える設定となっているのである。
【アナザー・マルチナ/イクスドレス】は、適当な大きな町の外れで、ダンスを踊り、それを遠目に見ていた町人達が、
「お、何かのイベントか何かか?」
「華麗なダンスね。誰が操縦しているのかしらあのロボット」
「人間にそっくりな動きをしているよね」
「うまいうまい。上手上手」
などの様に褒めてそれがポイントになり、見た目を変えるための【ポイント】が溜まり、【フォーム・ポイント】を変更して、見た目が、若い女性の姿に変更したのだった。
【アナザー・マルチナ/イクスドレス】は、
『さて、次は情報集めね』
とつぶやいた。
町に被害が出ない様にある程度、距離を取ってダンスを踊っていたため、【アナザー・マルチナ】のままだったら到着まで時間がかかるところだが、【イクスドレス】の機動力のままで若い女性の姿になっているため、町に着くまではあっと言う間だった。