第八章28 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第1試合】25/【ミッション07】/【テストパイロット兼開発設計提案】ミッション1
続いては、【ミッション07】/【テストパイロット兼開発設計提案】ミッションに対して挑んでいる【元セクシー女優】をしていたが、【人タラシ】の【力】を認められた【ナンバー1キャバ嬢】/【綾碕 希望】33歳について追って行こう。
彼女は、【能活】の24の【世界観】の内、第4作【出直して来なよ】で語り部である【花足部 与芦】の従姉妹で女主人公達とは距離を置いて俯瞰で物語を見ている外伝の語り部、【花足部 美娃】というキャラクターと同期している。
【美娃】はキャラクターとしては地味であり、【与芦】同様にキャラクターとしては何の特性も無い。
同期するキャラクターとしては何の利点も無い様に見える。
だが、それで良いのである。
【希望】は自分に絶対の自信を持っている女性である。
その自分に対して、他の要素は必要ないと思っている。
だから、出来るだけ、自分を変えない様に、何の変哲もないキャラクターを選び同期したのである。
あくまでも自分の力だけでこのミッションをクリアするつもりである。
そして、それは、可能なミッションでもある。
なぜならば、敵を倒すというミッションでは無いからだ。
開発に関わるミッションであるため、失敗しても死ぬという可能性が少ないのである。
だからこそ、彼女は真っ先にこのミッションを選択したのである。
人生の酸いも甘いも経験している彼女にとって、【メカニック・イート】を育てるという事もまた同じ事を意味していた。
何がこの【機体】にはあって何が合わないか?
それをじっくり見ていく事は人間観察と似ている。
【機体】とじっくり対話して、そしてそれに適したものを考えていく。
【ベース】となる【アト・ブロック】という機能を使って何が出来るか考える。
それも彼女にとってはやり甲斐のある事だった。
そして、彼女は7つの新機能について考えた。
その全てを紹介する事は無理だが、その中の彼女らしい新機能を1つ紹介させてもらえば、【ベスト・マッチ・サーチ】だろう。
これは敵との相性を見るシステムとなる。
例え、パワーやスピード、技能などで負けていても相性が良い相手であれば勝てることもある。
それに注目したものであり、それに占いなどの要素も足して、自機の調子と相手の機体の調子を合わせて相性を見ていくシステムとなる。
簡単な例を挙げれば、【五行相生】/【五行相剋】の関係などで表現すれば分かり易いだろうか?
【五行相生】とは、【木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず】であり木は燃えて火になり、火が燃えたあとには灰(=土)が生じ、土が集まって山となった場所からは鉱物(金)が産出し、金は腐食して水に帰り、水は木を生長させると言った様に木より火、火より土、土より金、金より水、水より木の順に相手を強める影響をもたらすという事を言い、
【五行相剋】とは、【水は火に勝(剋)ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ】であり水は火を消し、火は金を溶かし、金でできた刃物は木を切り倒し、木は土を押しのけて生長し、土は水の流れをせき止めるという様に、水は火より強く、火は金より強く、金は木より強く、木は土より強く、土は水より強くそれぞれ影響を与えて弱めるという特性を持つ。
これで解らなければもっと分かり易い例は【じゃんけん】である。
言わずと知れた事だが、【グーはチョキより強く、チョキはパーより強く、パーはグーより強く、グーとグー、チョキとチョキ、パーとパーは同じ】である。
そう言う特性を見る機能であり、例えば、【火】の属性だと【赤く】なり、【水】の属性だと【青く】なるなどの微妙な変化を察知して対処するシステムとなる。
そう言ったものの開発に従事したのだった。