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一人一人に物語を  作者: 総督琉
第一章
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プロローグ

 目の前に扉が現れたら、あなたはどうするだろうか。

 扉の先に非日常が広がっていたとしたら。

 例えばそれが異世界だったら。

 迷わず扉を開くだろうか。


 最近、学校ではこんな噂が流れていた。

 道を歩いていると、突然目の前に扉が現れる。建物についた扉ではなく、扉だけがポツンと。

 ある者は扉を開いた。

 扉の先に何が広がっていたか。


 扉の先には異世界があった。


 異世界、ただそれだけが分かっている。

 異世界と言うからには、現実世界とは乖離した世界が広がっていたのだろう。

 燃え盛る炎の大地を歩く龍や、木のように天に延びる海を泳ぐマーメイド、様々な時間が重なりあった空間など。

 きっと彼らは現実ではあり得ないような世界を見た。


 もし目の前に扉が現れたら。


 扉は一様に全て同じではない。

 時に木材、時に鉄、時に異世界由来の素材が使われる。

 扉の形状や装飾に決まりはなく、扉はその人に合った様相で現れる。


 僕の前に現れた扉はいたって平凡な扉。

 木製の板にドアノブがついているだけの扉。

 僕は扉の意味も考えず、ドアノブに手をかけた。


 本来は迷うべきだったのだ。

 異世界へ行くことの意味を考えてもいなかった。


 現実から逃避をできるなら。

 現実から目を逸らせるなら。

 異世界で新しい人生を歩めるなら。


 現実から逃げることだけを考えて、僕は異世界へ繋がる扉を開けた。

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