表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
透明探偵物語  作者: アマノヤワラ
5/14

○≧≫5≪≦● 【お約束とかフラグとかを回収して周る業者かなにか】

≈≈≈


≈≈≈


 突然バチンッ!という凄まじい破裂音がして、オレの左頬(ひだりほお)に今までの人生で食らったことのないほどの衝撃が炸裂(さくれつ)した。

『顔の横のなんにもない空間がすごい音とともに突然破裂し、弾け飛んだ』。

 そんなふうにしか、オレの主観には感じられなかった。

 

 全く予期せぬ方向からの衝撃を受けたオレは、胡座(あぐら)をかいたまま上半身を右に傾けて右手を床に着ける。そして、フローリングの上に()かれている花柄のカーペットを見る。

(つむぐ)の趣味じゃないから親の趣味かな?』

 そんなどうでもいいようなことが、パチパチと光が明滅(めいめつ)しているオレの頭の中に勝手に浮かんできた。



「……えっ?」

 オレは胡座(あぐら)をかいたまま(かたむ)いた自分の身体を右手一本で支えながら、左手で自分の左頬を抑えて顔を正面に向ける。オレの目の前には(つむぐ)がいた。紡は、消えた時と同じく()()()()()()()()()()としかオレには見えなかった。

 (つむぐ)は腰かけていたベッドから立ち上がって、オレに向かって平手打ちを打ち終わったような姿勢で、はあはあと肩で息をしている。

 どうやら、さっきの衝撃と破裂音はこいつの平手打ちらしい。


 そして突然、(つむぐ)の口から叫びが(ほとばし)り出た。


「……ッ!こッこのドスケベ変態がぁ!」


 『頭痛が(いた)い』みたいな表現でオレを罵倒(ばとう)した後で(つむぐ)は、はぁはぁと息を荒げながら自分で自分の(からだ)を抱きしめる。

 さらに紡はオレに対する罵倒(ばとう)を続ける。


「おまえはアレか?お約束とかフラグとかを回収して(まわ)る業者かなにかなのか?おまえの目の前で忽然(こつぜん)と姿を消した幼なじみは手を伸ばせばまだおまえの目の前にいるに決まっとるやろがい!」


 無茶苦茶な理屈を()きながら、(つむぐ)はオレを怒鳴りつける。

 でも言いたいことは分かるし、オレが紡になにをしてしまったのかも即座に理解した。



「……ごめん」

 両手で自分の肩を抱きしめて真っ赤な顔で怒る(つむぐ)に、横座りして痛む左頬を(おさ)えているオレは素直に謝った。



…To Be Continued.⇒6

≈≈≈


≈≈≈


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ