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透明探偵物語  作者: アマノヤワラ
1/14

○≧≫1≪≦● 【序ノ章:フルトヴェングラーの旋律】

≈≈≈


アニメイトバディ1

【アニメイトバディ1】


アニメイトさんの『ブックフェア2023』の

企画『相棒(バディ)とつむぐ物語』のために書き下ろした短編の一つです。

宜しければご意見・ご感想等、よろしくお願いします。


≈≈≈


≈≈≈


≈≈≈


「事件よ健太郎!」


 (つむぐ)がいつものように、隣の家から屋根(づた)いに二階のオレの部屋に入ってきた。

 この(おんな)のこの奇矯(ききょう)な行動は、ほぼ毎日のことだ。オレは(あわ)てず落ち着いて、勉強机に座りながら聞いていた音楽プレーヤーの停止ボタンを押した。


「……落ち着け(つむぐ)。事件など平和なこの街にはそうそう起こらん」


 頭からヘッドホンを外しながら、オレは(つむぐ)にさめた視線を送った。このヘッドホンは(つむぐ)からもらった去年の誕生日プレゼントである。


 ……せっかくフルトヴェングラーの旋律(せんりつ)に酔いしれていたところだというのに、(こいつ)ときたら。

 第二次世界大戦中に活躍したドイツの指揮者のCDを聴く高校2年生のオレは深く嘆息(たんそく)()らした。


 このオレ岸宮(きしみや)健太郎(けんたろう)と隣の家に住む吉脇紡(よしわきつむぐ)の二人は、いわゆる男女の『幼なじみ』である。しかし、『タッチ』や『H2』のような甘くほろ苦い関係ではなく、一方的に(つむぐ)がオレのことを『搾取(さくしゅ)』する関係が出会ってから高2の春の現在まで11年間続いていた。


 痛いことや苦しいことや悲しいことやトラウマになりそうなことを微妙に避け、たまに『オレがほんとに欲しい誕生日プレゼント』なども(おく)ってこまめにオレの機嫌を取りながら、オレが怒り始めるかどうかのラインギリギリを『ジョー・モンタナのタッチダウンパス』のように正確に狙って、(つむぐ)はオレの日常を侵略してくるのだった。


 ……その情熱を別のことに使えば一角(ひとかど)の人物になれるだろうに。オレはこの奇矯(ききょう)な幼なじみに対してそう思わざるを得ない。


「事件はあんたが知らないだけでいつも起こってるのよ健太郎!いいから来なさい!」


 (つむぐ)はオレの半袖シャツの袖を引いて、隣家にある自分の部屋まで屋根伝いに戻ろうとする。(つむぐ)は小さく細い体で頑張って20センチ高く15キロ重いオレの体を引き()ろうとして「ふんぬぬぬ…」とかいいながら引っ張っている。オレがその場から動かないので、(つむぐ)はオレの太ももに自分の足の裏をつけたままでオレの袖を引っ張り、自分なりの『テコの力』を利用しようとしている。それ意味あるか?


「……やめろ服が伸びる。あとオレは屋根伝いに隣家に侵入するような趣味はない。玄関から行ってやるからおまえの部屋で待ってろ」


 服の(そで)からやんわりと(つむぐ)の両腕を離したオレは、そう言いながら部屋の壁にかけてある白いヤッケに(そで)を通した。


「……お茶くらいは用意しろよ」


 屋根伝いに隣家の自分の部屋に戻る(つむぐ)のスカートのおしりにそう声をかけたあと、オレは自分の部屋のドアから出て一階へ降りていった。



…To Be Continued.⇒2

≈≈≈


≈≈≈

 読んでいただきまして、

 ありがとうございます。

 次回に続きます。




 ※小説の文体のルールが一部分からず、

 読みにくい点が多々あります。

 申し訳ありませんが、ルールが分かるまで、

 このままの形で掲載させていただきます。

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