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第5話 アカロバ村の黒い霧

第5話 アカロバ村の黒い霧


ミツバ達お母さんは、子供達と畑の世話をした後、アカロバ村の住居を世界樹の結界内へ移転のお手伝いをしている。

家の移転の為、ミツバとカンナは家具をマジックバックに入れている。

カンナが声を掛ける。

「コトリとサトルさんは、港町トミラに着いたかしら」

ミツバを手を止め

「コトリが王都で(美味し物をいっぱい食べるんだ)と言っていたから、まだ、

王都にいるかもね」

とミツバは笑う。

「サトルさんは、コトリちゃんに甘いからありそうね」

カンナもミツバも幸せそうに笑う。


外で遊んでいたエレンとエレノアが、家に入って来る。

「「おかあさん、おそらがくろいの」」

カレンは、「えーどおいう事」と呟きながら、子供達と手を繋ぎ外に出る。

つられてミツバも外に出るとお母さん達も空を見上げて(何かしら?)と話している。

ミツバは、世界樹の方向を見て独り言を呟く。

「世界樹の辺り濃くて、こちらは薄い、濃い部分には不規則の白い線が見えるけど、何かしら?」

「あれ、黒く変色した葉っぱがこちらに落ちて来る。黒く変色??」

ミツバの直感が警笛を鳴らし、大声で叫ぶ「黒い物は、毒だ」

ミツバの思考が戦闘モードに切り替わる。

ミツバが大声で「全員、風の障壁を張れ」続けてカレンが「風の障壁」他のお母さん達もそれに続く。

ミツバは「村を風の障壁で囲め」と叫ぶ、500人の兵隊を相手にして戦ったミツバの声には村人を従わせる力があった。

村の纏め役のジローノ、ミイルが真っ先に従い村民も続く。

ミツバ達とアカロバの村民が協力して村を障壁で囲む事ができた。

村長のゴーリアが来て

「ミツバさん、どうなっている?」

ミツバは、両手を空に向け魔法を発動しながら

「障壁の向こうで、黒く舞っているのは毒に侵された落ち葉です、黒い霧は全て毒です」

「そうか、分かった。でもこの状態で30分もすれば魔力切れするぞ」

ミツバも分かっていた、ゴーリア村長に提案する。

「障壁を縮めていき、世界樹の結界まで移動して、結界内へ避難します」

ゴーリアは、声を荒げて

「残りの家も畑も諦めろと言うのか?」

ミツバは、真直ぐゴーリアの目を見て

「村長も分かっていますよ、どうしよう無い事を」

ゴーリアは、目を逸らす。

「分かっているんだが、分かっているんだが、こんな理不尽な事が・・・」

ミツバは、優しい目を向け

「命があれば、命を守れば、どんな事でも乗り越えられます」

ゴーリアの目線の先には、エレンとエレノアが一生懸命に両手を突き出し小さな風の障壁を作っているのが見える。

ゴーリアは思った(ミツバ達は、ネグロの理不尽な行いを乗り超え、この子達の命を守る為、自分達にできる事をしてきた。生まれ育った村を捨てて)

ゴーリアは決心する。

「ミツバさん分かった、家も畑も捨てて、命を守ろう」

ゴーリアは、村民に風の障壁を維持しながら世界樹の結界に避難すると宣言する。

結界内へ避難した後、ミツバ達とゴーリア、ジローノ、ミイルは、黒い霧で薄暗くなった結界から、ドラゴンと黒い蝶の魔物が争う姿を見ている。

ミツバ達は、ドラゴンのブレス、短い槍のような物が時折結界に当たる音に怯える子供達を手を握ったり、大丈夫だと声をかけている。

ようやく、魔物達が去り、辺りが静寂に包まれる。

ミツバは、パンパンと手を叩き、お母さん達を見渡し1人1人に目線で合図する。

「ジローノさん、ミイルさん一緒に家を無くしたを助けましょう」

「「はい」」

「カンナ班は、ジローノさんと協力して、この村に移動する時に使った小さな家とテントを設営して、足らない場合は、コピーの魔導具でテントか家を作り出して」

「「はい」」

「ミツバ班は、家を無くした人達に炊き出しをします。献立は、ふわふわパンにカレーとサラダにします。子供用は甘口でね。

ミイルさんは炊き出しの話と、何人分必要かを調べてください」

ミツバは続けて手を挙げて大きな声で

「さあ、みんなで、移住を認めてくれた、アカロバ村に恩返しをするぞ!!!」

お母さん達も、子供達も「「するぞ!!」」と手を挙げ、声をあげる。


ゴーリアは思った(運が悪かった、いや、運が良かった。お使い様とミツバ達がいなければ、村は壊滅的な被害を受けていた。そうだ今できる事をしよう。

アオロバ村とダイロバ村に人を送り情報交換と援助を頼もう)

ゴーリアは、長老に人を送る手配を相談しに行く。

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