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第27話 キララ

第27話 キララ


ある早朝「お兄ちゃん、お兄ちゃん」とコトリに起こされると

不死蝶の卵からカツカツと音がして卵から10cmの青い蝶が生まれた。

蝶はコトリの手の平に乗る。

コトリが青く輝く翅を見て「キラキラして綺麗なの、この子の名前はキララにするの」と言う。

青い蝶に「私コトリなの、キララお友達になってね」言うと、キララは、触角を上下に振ると念話のパスが設定された。

「お兄ちゃん、キララがお友達なると言ってくれたの」キララはコトリの頭に髪飾りのように留まる。

アップルが来てサトルに、世界管理室のBBから念話通信で

(キララの黒い鱗粉のスキルを取り除いたと同時にコトリが一緒にいる上で困らないスキルを入れた)と連絡があったと伝える。

サトルはコトリに「アップルが鑑定したら、キララは毒の鱗粉を持っていないだって」

「お兄ちゃん、これでキララは、不死蝶のお姉さんみたいにならないの」

「コトリちゃん、そうだよ、キララは大丈夫だよ」

「うん、キララ良かったね」キララは触角を上下に振る。

「アップル、追加されたスキルは?」

「大きさを変えられるらしいよ」

「この大きさで丁度いいと思うが?まあ良いか」

中庭でコトリとエリスがキックボードに乗って遊んでいる。

サトルは、エリスも元気になったからリーゼとアリスに連れて来る事にした。

午後、コトリとエリスが庭でリバーシをしていた時に突然現れたアップルが、 リーゼとアリス乗せていた。

エリスは立ち上がり、駆け寄りリーゼとアリスに抱きつく。

(ごめんね・・)(心配かけて・・)(もう大丈夫・・)(お使い様にね・・)

涙声の中に時々声が聞こえる。

サトルを見つけたコトリが

「お兄ちゃん、エリスが元気に良かったね」

コトリは、サトルが物思いに耽っている顔を見て

「お兄ちゃん、何考えているの?」

「巡り合わせて、不思議だなと思って」

「巡り合わせて?」

「自分達が銀龍と戦ったからエリスの体にミスリルがあるのが分かった。

ドワーフ国に来て、女王蟻を倒したから土魔法がLV7になってエリスを治療できた。もし、ハイエルフ国に行っていたら治せなかった。不思議だろう」

「お兄ちゃん、それはね、精霊様の導きなの」

「そうだな、コトリちゃんの言う通り、精霊様の導きだね」

エリスがサトルを指して、リーゼとアリスに話している。

リーゼ達が来て跪く

「お使い様、巫女様、エリスを助けて下さりありがとうございます」

「みんな立って、自分堅苦しい事は苦手なんだ。そしてここでは、旅の商人カロンと妹のコトリで頼む」

アリスはサトルを見て

(緑の髪、黒い目、短い耳、お使い様は人族なの、あののっぺりした顔どこかで?)

「はい、あの何処かでお会いしたことがありますか?」

サトルは、王家のナイフを取り出して

「エイミーいやリーゼが毒に侵されている時にね」

アリスは顔も名前も覚えていないがあの日の事が鮮明に蘇る。

「あの時の商人と女の子は、お使い様と巫女様だったんですね、少し複雑な気分です。あの時、カーラーが巫女様を叱らなければ・・・」

「アリスそれは違うよ、エリスに会うまで遠回りして自分達が経験した事がエリスの治療につながったんだよ」

「アリスちゃん、精霊様のお導きなの。

お兄ちゃん冷たい紅茶とケーキを出して」

「最初にアリスと会った時のようにか?」

「うん、お兄ちゃん」

アリスは、楽しそうに笑うお使い様と巫女様を見て、スミルの(お使い様を利用する者)ミツバに(悪意ある者)言葉がふと蘇る。あの時の私達は、お使い様の縁のある人達から利用する者、悪意ある者に見えていたのね。

お使い様の真の姿を見た私達は、スミルさんミツバさんのようにお使い様を守らないといけない。

その後、ロガス家族と挨拶をしてリーゼ達は友好を深める為ドワーフ国に上級回復薬を含む回復薬を100本贈る、返礼として水周り魔導具10式と量産型キックボード5台を贈る事になった。

リーゼ達はロガス家で泊まることになり、コトリのリクエストでカレーライスをメインとした夕食を食べた。


翌日、リーゼ達はマーサの案内でドワーフ国を見て周り、最後に城壁に登り、キラーアントンの戦いの様子を聞き、女王蟻を目にして驚いていた。

リーゼ達はもう一泊した後、帰国する前にリーゼとアリスはエリスに量産型キックボードの乗り方を教えてもらい。コトリも含めキックボードに乗り鬼ごっこをしている。

それを眺めていたサトルにロガスが声を掛ける。

「子供が楽しそうに遊んでいる姿をみると幸せな気分になるな」

「全くだ。ロガスの子供はどうしてる」

「二人いてな、ヒューリオ王国で修業をしている。修業が終われば兄貴の所で揉んで貰おうかと思っている」

「それは良いね、家族が仲直りするには、良い機会だね。仲直り言えばハイエルフ国改めエルフ国と仲直りできそうか?」

「俺が名目の国王を名乗っていたのは、約30年前、カリスタ国王が大きな取引をしたいと言うので元締めの親父がハイエルフ国に行ったら(国王の前だ跪け)言われて親父がキレて(俺はドワーフ国王だ巫山戯けたこと言うな)と言ってからなんだ。

リーゼの話では(お使い様に叱られて、カリスタは悔い改て自分達をハイエルフと名乗るのやめ、国の名前もエルフ国にした)と言うのでリーゼ達を通して仲直りをするさ」

「ロガスは今回の戦いで、名目の王から本当の国王になったな」

「ああ、命を守る戦いには国王と言う肩書きが役に立った。孤児院を作りにしても国王の肩書きがある方がやり易いしな」

コトリが呼びかける「お兄ちゃん、ケーキが食べたい」

サトルは、リーゼとアリスに精霊のお守りを渡しエルフ国の送る途中で青の世界樹に祈りを捧げる事にする。

青の世界樹についたサトル達はコトリの号令のもとに世界樹周辺と果樹園のお掃除をする。

コトリがエリスに

「エリスちゃんが最初だよ」、「うん、コトリちゃん」

サトル達5人は、片膝をつく。サトルは柏手を2回鳴らし

エリスが「青の世界樹の精霊様の巫女が」

サトルが「緑の世界樹の精霊様の使いが」

コトリが「緑の世界樹の精霊様の巫女が」

リーゼが「カリスタの娘リーゼが」

アリスが「カリスタの娘アリスが」

「「祈りを捧げます」」

青の世界樹が青く輝きその輝きはリーゼとアリスを包む。

祈りが終わり、リーゼとアリスは戸惑っている。

サトルは二人を見て「リーゼ、アリス、ステータスを確認して」

二人はステータスを確認すと驚いの声をあげる

「「青の世界樹のお守り役になっている」」

サトルは、驚いている二人に

「これで、エリスを助けられるね」

「「はい、うれしいです」」


コトリは、リーゼ達を置いて不死蝶のお墓に歩いていく。

そんなコトリを見たサトルもついて行く。

コトリは、不死蝶のお墓の前に跪くと

「不死蝶のお姉さんの子供のキララです、コトリとお友達になりました」

キララはコトリの頭から飛び出し不死蝶のモニュメントの周りを飛ぶ。

地面から魔力が溢れだし、キララの体を包むと、キララの体が徐々に大きくなり

体長5mの大きさになる。

キララは、コトリの前に降り触角を上下に動かしている。

「お兄ちゃん、キララがね、金の鱗粉も白の鱗粉も出せるようになったて。

そしてね、果樹園が元気がないから、金の鱗粉を撒いて良いかと聞いているの」

「コトリちゃん、キララに金の鱗粉を撒いて果樹園を元気にして言ってね」

「うん、分かったの」

キララは、翅を青から金色に変え果樹園をの上を飛び金の鱗粉を撒く。

果樹園全体が金色に包まれてキラキラ光って見える。

キララは鱗粉を巻き終わると元の大きさになりコトリの頭の留まる。


サトルは、エリス達に

「今度、来る時は果樹園は青々として元気になっているよ」

「楽しみね、エリス、アリス」

「はい、リーゼお姉様」

サトルは、案じる。エリスもアリスもまだ小さいからここ迄来るのは大変だな。

コピー機能でキックボードを作る。

「リーゼ達3人に地上走行専用の魔導キックボードをあげる、これがあればここ迄くるのが楽にになるよ」

「カロンさんありがとう、どう使うの」

「右のグリップでスピード調整でレバーがブレーキで、足で地面を蹴らなくて良いからね」

「練習してみます」

3人はすぐになれ、このまま乗って帰る事にした。

ナビを先頭にコトリ達が続いて行く。約2時間で結界の外に着く。

ここから、アップルに乗り変えて王宮の庭園に転移する。

サトルはドワーフ国の贈りを庭に並べる。

「コトリちゃん、人が来る前に帰るよ」

コトリも人が来ると面倒な事になるのは、分かっていたので

「うん、分かったの。エリスちゃん、アリスちゃん、リーゼ姉さん又遊ぼうね」

エリスが代表して答える。

「コトリちゃん、またね、また遊ぼうね」と手を振る。

サトル達は、ドワーフ国のロガスの中庭に転移する。

「お兄ちゃん、またエリスちゃん達と会える?」

「エリス達と会いたくなった言ってね、連れて行くから」

「うん、お兄ちゃん、大好き」

コトリは一言も言わなかったがエリスちゃん達と別れるが寂しかったのか。

サトルは、この約束を絶対に守らないといけないと思った。

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