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第25話 悪魔男爵

第25話 悪魔男爵


窓から日の光がさし込む、小鳥の声が聞こえる。

部屋の外から朝の支度をする音が聞こえる。

エリスは、ベットから起き上がり、大きく伸びをする。

身体が軽い、息をするのが苦しくない。お使い様が治してくれたのは、夢では無い。涙が出た、手で涙を拭く。


ドアをノックする音が聞こえる。どうぞと答える。

「お早う、エリスちゃん、身体は何とも無い」

まだ、記憶が曖昧なエリスは「コトリちゃん?」

「うん、コトリだよ。服を持って来たから着替えてね」

「うん」エリスは、薄い青色を基調とした花柄模様のワンピースと黒のパンツを

受け取り着替えた。

コトリが差し出す手を握り、階段を降りて食堂に着く。

エルスは、5人の男女がいて少し躊躇する。

コトリが、「エリスちゃんだよ」声をかける。

「俺が、国王のロガスだ、まあ名目だけだけど」

エリスは、慌ててカーテシーをしようとする。

「エリス王女、堅苦しい事は無しで、家族と思ってくれ。エリスと呼び捨てしていいか」

「はい、ロガスさん」

「私は、ロガスの妻でマーサよ、エリスちゃん」「はい、マーサさん」

「俺は、ロガスの父でロダンだ、エリスちゃん」「はい、ロダンさん」

「私は、ロダンの妻のセルマよ、エリスちゃん」「はい、セルマさん」

「自分は、お使い様と呼ばれている、ここでは旅の商人。カロンと呼んでくれ」

「はい、カロンさん、治して頂いてありがとうございます」

「精霊様に頼まれた事だ、気にしないで」

ナビが姿を現し「エリスちゃん、ナビと呼んでね」

「ナビは、こんな姿で驚いたと思うが、自分の相棒で家族だ。仲良くしてくれ」

「はい、ナビさん」「エリスちゃん、ナビでいいですよ」


コトリが楽しそうに朝食を説明する。

「エリスちゃんの朝食は塩ラーメンに柔らかく煮込んだ野菜とかき卵を入れた物、ふわふわパンと蜂蜜に漬けた桃にデザートはプリンだよ」

「エリスちゃん、病み上がりだから無理して食べる必要は無いから、自分のペースで食べられるだけ食べてね」

「はい、カロンさん」

エリスは美味しい言うとパンを半分だけ残して食べ、ゲップをして顔を赤くした。


サトルが注意する。

「エリスちゃん、これは精霊様のお守り、君を守ってくれるよ。首にかけてね」

「はい、カロンさん」

「今日はこの家にいてね、庭を散歩するのはいいけど走ったりしないようにね、コトリがそばにいるから遠慮せずに何でも聞いてね」

「はい」

「エリスちゃん、お庭で紙飛行機を飛ばしたり、リバーシーしようね」

「コトリちゃん、エリスに無理させないように遊んでね」

「うん、わかったの。エリスちゃん行きましょう」「うん」


ロガスとサトルはキラーアントンの処理を話している。

サトルは、長さlmの杖を取り出す

「ロガスさん、この杖はアリ回収の杖です、機能は杖の先をアリに触れると

アイテムバックの要領で回収して、魔結晶を取り出し収納、ゴミ箱に入れ魔素に還元します」

ロガスは驚き

「凄い便利なもんだな、人に危険は無いか?」

「これは、兵隊アリと軍曹アリ専用です。20本用意しました。人手を集めてください」

ロガスは、得意げに

「戦闘員15名を9時に城壁の上に集合をかけている、生き残りのアリに止め刺しながら処理しようぜ」

「俺とナビは魔法で処理をします、杖16本を渡します」

「ありがとうよ、将校アリ、将軍アリ、女王アリは俺たちで解体して素材として使いたいが」

「良いよ、でも魔結晶が欲しいんだが」

「勿論、カロンが倒したも同然だからな」

「後で分配を決めよう」

「おお、いいぜ」

ロガスとカロンは城壁に向かう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここは、ハイエルフ国、国王の執務室

国王一家が集まっている。


「ドワイト、治療内容を聞いた後、1人しか居ないのに3人で相談しているようだったと」

「お付きのメイドの話しではそうです。その1人の者の姿の記憶が無いとの事」

「お使い様に会った人族は、1人を除いてお使い様達の記憶がないと言う。

やはり、お使い様がエリスを治療の為、連れて行ったようだ」

リーゼが口を開く

「お父様、エリスは、お使い様のいるドワーフ国にいると思います。

私とアリスは、行きたいと思います」

「リーゼよ、今はならん。キラーアントンの騒動が終わるまで辛抱するのだ」

リーゼは目を伏せ

「でも・・・・・」

「家族でエリスが治り、無事戻って来る事を精霊様に祈ろう」

家族は祈り、リーゼ達は部屋を出て行く

ここはドワイト宰相の執務室

ギルド長代理のイーモンが部屋に入る。

イーモンは部屋に入るとすぐに謝り始めた。

「イーモン、貴公の誠意はわかった。善後策は、今日その冒険者達を世界樹の森の調査に行かせて戻らなった事にする。当然精霊のお守りも行方不明なる。

言っている意味は、分かるな」

「はい、十分に心得ています。世界樹の実の方どうしますか」

「当然、手に入らないな」

「では、そのように手配を。あのギルド長に昇格の件は?」

「心配するな、国王名義で推薦する。今のギルド長の任期が終れば、お前がギルド長だ」

「ありがとうございます。失礼します」


ドワイトことディコンは

(世界樹の実も十分に手に入った、ここが潮時か)

魔法で作り出した伝言バードに(迎えをよこせ)と伝言を入れ窓から放つ。


アップルは、伝言バードを捕まえ、暗号化された伝言を解析する。

(今日の仕事これで終わりだといいな、板姉さんは人使いが荒いからな。戻ろ)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここは、三日月の宿の部屋

アップルは、三日月達にドワイト宰相の監視結果を報告する

「ドワイトは、イーモンに証人になる冒険者の殺害を指示したのか。

証拠書類も破棄するだろう・・・・」

三日月は、どう対処するか考えている。

「三日月姉さん、考え中すみません。捕えた伝言バードどうしますか?」

「伝言バード?」

「言ってませんでした、ドワイトが伝言バードを放し(迎えをよこせ)

の伝言があると」

「聞いてないよ。伝言バードとは何、初めて聞く」

「三日月姉さん知らないんですか?デロリア大陸の悪魔族が魔法で作る使い魔ですよ」

「アップルのバカ、それを早く言え、ドワイトは悪魔か、精神を乗っとられるかしている。お使い様に事の次第をすぐ連絡して指示を仰げ」

アップルは(ヤベェ)と思い素直に連絡する。

『こちらアップル、サトルさん、ナビ聞こえますか?緊急連絡です』

『サトルだ、アップル緊急とはどうした』

アップルは、ドワイトの監視結果を報告する。

『わかった、今日決着をつける、イーモンと冒険者を捕らえろ。

捕まえたら連絡をくれ、王宮の上空で合流する』

アップルが風魔法でギルド中に声を放つ「精霊様のお使い様の依頼で世界樹を荒らす、イーモンと実行犯を捕らえに来た」

三日月達は、冒険者ギルドが騒然するがお構い無しに、イーモンと監禁されいた冒険者を世界樹のロープで拘束して連れて行く。

アップルは、忘れずに忘却魔法を掛け、三日月達とイーモン達を乗せ飛び立つ。

(アップルは、定員オーバーと思いながら、文句を言うと叩かれるな思う)

三日月達は、王宮の上空で旋回している。

アップルがサトルに連絡する。

護衛達が飛んでいるアップルを見つけ警戒体制を取る。

ナビがサトルを乗せ、王宮上空に転移する。

サトルは右手を上げ精霊の光を放つ。

(こんな登場恥ずかしい、中二病か。ナビの言うこと聞かなきゃ良かった)

ナビが風魔法で王宮全体に声を轟かせる。

「精霊様のお使いがカリスタ国王に会いに来た、今から謁見の間に行く」

サトル達はバルコニーに降り立ち、謁見の間に入る。

そこには、国王の護衛が剣を抜き待ち構えていた。

護衛がサトルに誰何する「何者か」

サトルの代わりに三日月が「精霊様のお使い様だ、剣を納めろ」

床に転がるイーモン達を見て護衛は迷っている。

扉が開き、カリスタ国王達が入って来る。

「剣を納めろ、精霊様のお使い様だ」

護衛は剣を納め国王に片膝をつく。

国王達は、イーモンを目の片隅に置き、サトル前に片膝をつく。

「精霊様のお使い様、ようこそおいで下さいました。国民一同この日を待ち望んでいました」

サトルは、面倒だなと思いながら

「カルスタ国王、普通の人間だし自分は堅苦しい事は苦手だ、皆な立ち上がって」

「はい」(カルスタは、普通の人間、エルフ耳があるのに)

「まず、エリスは治療が成功した。今は、ドワーフ国王宅の庭でリバーシーをしている。安心していい。

ところでドワイト宰相、そこに転がっているイーモン達を見て何か言う事は無いか」

ドワイトは、額に汗が滲む

「わからぬ、お使い様こそギルド長代理を拘束している」

素直には、言わないよな、

「そこの片耳、イーモンからの依頼内容を言え」

片耳は、あの時の恐怖が甦り、震えながら

「精霊様のお守りを渡され、世界樹の実を何回も取り行きました」

サトルは、イーモンに威圧をかながら

「イーモン誰に頼まれた」

「・・・宰・相・のドワイトに」

ドワイトは、イーモンに駆け寄り腹を蹴る

「世迷言を言うな・・この下郎」

サトルは、

「ドワイト本性を表したな。三日月達、アップルは、ドワイトの部屋の捜索、世界樹の実を探せ、邪魔する者は拘束しろ」

「「了解」」

「さて、どうする悪魔族の方」

ドワイトから透き通った人型が出て来ようしている。

『サトルさん、土魔法を発動する要領で、精霊の光で拘束を』

『わかった』

サトルは、右手を透明の人型に向け精霊の光で拘束する。

カルスタ、リーゼ、アリスと長老達はその様子を唖然見ている。

「悪魔族お前の名前は」

透明の人型が顔が歪むのを見てとれる。

「お・れは、あ・く・ま・だん・しゃく・ディ・コン」

「エリスに毒を盛ったのはお前か?」

「カー・ラー・に・しじ・した、はな・せ、くる・しい」

『アップル、カーラーを拘束、毒を入れた実行犯だ』『了解』

「目的は何だ」

(聞き取り難い、少し拘束を緩めるか)

「世界樹の実を取り、悪魔大王に献上する、俺は子爵になる」

(こいつも権力欲か)

ドドドドーと音がして、銀龍がバルコニーから目をギョロつかせる。

『サトル、光で拘束した奴が黒幕か、殺す』

そう言うとミスリルの針を飛ばす、ミスリルの針は精霊の光を巻き込み

ディコンは「ギャー」叫び声を上げて消える。

サトルは、レールガンを取り出し

「銀龍なにを勝手な事をする、悪魔大王の命令か?聞けなかったぞ」

『すまん、不死蝶の無念を思うと、つい・・・』

サトルは、レールガンを銀龍に狙いを定める

「今度、かってな事したら分かるな、お前の出番はこの後だ」

(BBは、サトルが俺を殺せないと言ったが、こんな恐ろしい物を作れるなんて)

『分かった』

膝をつき震えるカルスタに

「今回の事の次第はわかったか。次に、

カリスタ国王、ただのエルフ族である、お前達はハイエルフを名乗り他国はもちろん、同族まで下にみている。

エルフに上下は無い、能力に見合った役があるだけ、忘れたか、カルスタ。

「申し訳ありません、正しますからお許しを」

「よし、後はお前たちの使命を覚えているな」

「はい、世界樹の森を守り、精霊に祈りを捧げる事です」

「長老お前達が苦言を言わぬからこう言う事態になった,責任は重いぞ。

カルスタが、正しくは道に進むようにしっかり進言せよ」

「「仰せのままに」」

三日月達が、カーラーを連れて戻って来る。

「カリスタ、この6名をエルフの掟に従って処罰するように」

三日月達が差し出す

「お使い様、世界樹の実です」

サトルは、渡された世界樹の実をカリスタの前に置く

「カリスタ、この実でエルフ特製の薬を1年前の値段に戻すように」

カリスタは、震える手で受け取り

「はい、早急に手配いたします」

「最後にこの権力の象徴の謁見の間を潰す、全員退去せよ」

カルスタ達とドワイトを抱えた護衛は、震えながら出て行く。

アリスとリーゼが残り

「アリスとエイミーか、悪いリーゼか、どうした」

リーゼが

「エリスに何時会えますか?できればドワーフに迎いに行きたいです」

「今は、リハビリ中だからな、数日後にお前達をドワーフの国に連れて行く」

「「はい、ありがとうございます」」

「では、行け、銀龍が暴れたくて仕方ないようだ」

(アリスは、ミツバの言葉を思い出した、理不尽な者には厳しく、普段はとても優しい)

銀龍が謁見の間を潰した後、

『サトル、この程度で納得できんぞ』

『当然だ、デロリア大陸の悪魔大王の城を潰せ。ただし条件がある誰も殺すな。

アップルが(世界樹の森を荒らす悪魔族の処罰として、1時間後に城を潰す

全員退去せよ)言ってから1時間後に踏み潰せ。いいな』

『まあいいだろう』

『サトルさん、アップルも行くように聞こえましたが』

『アップル、行くんだよ、銀龍の背中に乗って、楽ちんだろ』

『そんな』

『お前、桜達に失礼な事を言った罰だ』

『アップル行くぞ、背中にくっついていろ。俺は早いぞ、飛ばされるなよ』

アップルは銀龍の背中に一体化魔法でへばりついた。

(アップルは、口は災いの元と思ったが、姉さん達を揶揄うのは面白いから、やめられないな)


サトルは、三日月達を連れて、ロガスの中庭に転移する。

コトリが「お兄ちゃん」と駆け寄って来る。

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