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第24話 エリス第2王女

第24話 エリス第2王女


桜達を乗せたアップルは隠密スキルで姿を消し、三日月達の魔力を探して王都の上空を飛んでいた。

魔力感知はアップルに任せ、桜達は風呂がありそうな宿を物色している。

「ふわふわさん、ツツジさん達の魔力を見つけましたよ」

バシィと音がする

「どこに居るの?」

「この下の建物です、3人が固まっています」

「アップル、人がいない路地に降ろしてね」

「了解」

アップルは、2人を下ろし、姿を消して護衛モードでついて行く。

アップルが小声で「桜姉さん」ここです。

桜は、剣が交差する看板を見て冒険者ギルドかと思う。

桜達は中に入る。冒険者ギルドには、他と同じくエルフ、ドワーフ、獣人、人族、雑多な人種がいる。

受付を通り過ぎ、待合所を兼ねた酒場で、ツツジ達を見つけた。

ツツジ達は、一瞬驚いた顔をしたが、待ち人が来たかのように振る舞う。

「桜、向日葵、待っていたよ、随分と早かったね」

「精霊様のお導きでね、風呂に入りたくて」

「まずは、エールで喉を潤してから宿を探しましょう」

皐月が店員を呼び注文する。桜は来たエールを全員分冷やす。

全員がエールを一気に飲み干し出ていく。


ツツジ達の宿に向う途中で、皐月が

「桜、精霊様のお導きと言うことは、お使い様からの依頼なの」

「そうなの、長い話になるから三日月様に報告する時にね」

「分かったわ、色々ありそうね」

「大変だったわ、楓、風呂付きの宿を予約して来て」

「了解、お金の心配しなくていいの」

「お使い様から、たっぷり頂いたから大丈夫」


宿の戻ると三日月が部屋にいた。

桜は、三日月たちにドワーフ国のキラーアントン騒動、青の世界樹での不死蝶の死、冒険者が世界樹の実をとり来た事など報告する。

そして、お使い様の依頼内容を説明する。

「桜、向日葵、大変だったわね、ご苦労。この続きは楓が予約した宿の風呂に入った後にしましょう」

三日月は、内心浮かれていた。

(久しぶりのお風呂、そしてシャンプーで髪の毛を洗って、楽しみ)


三日月達は、首都で一番の宿で風呂に入り、桜と向日葵が三日月達の髪の毛を乾かす。

お使い様の差し入れのケーキを食べている。

「三日月様、これらがお使い様から頂いた物です」

桜は、金貨50枚、チョコレート、飴を人数分を出す。

「そして精霊様のお守りです、調査する上でも緊急避難する時でも役立つだろう

と言っていました。裏に名前が書いてありますから自分のを持って下さい。

後は、調子に乗っている、アップルです」

アップルが姿を現す。

「ふわふわさんから紹介のあったアップルです、お使い様との連絡係です」

パシィと音がする。

「アップルそれだけじゃないでしょう」

「痛いな桜姉さん、皆さんの護衛と隠密スキルでお役に立ちます」

三日月が薄め目でアップルを見て

「調子に乗っているねアップル、お使い様に連絡してナビとチェンジと言って」

「真面目にやりますから、チェンジ無しでお願いします」

「桜、アップルの心がわりの訳、分かる?」

「多分、明日からは、数千匹のキラーアントンの死体の処理と壊れた城壁の修理等地道な作業があるからだと思います」

「アップル、真面目に働くように」

「了解、板・・」

パシィ、「アップル、何か言うことはあるの」「いいえ」

三日月が

「話をお使い様の依頼に戻します。調査で判明している事を桜達に話し認識を共有します。

アップル、世界樹にいた冒険者は今どこにいますか」

「門から歩いて、約1時間ぐらいです。こちらに向かっています」

「桜の話からすると、冒険者はギルドの依頼人に会うはずです。

アップルは、冒険者が誰に会ってどんな話をするか調査すること」

「了解、三日月姉さん」

「次にお守り役は誰か?これまでの調査で国王の弟のドワイト宰相と判明しています。黒幕はまだ不明です。

「優先事項の巫女は、第2王女のエリスです。今日潜入した結果、国王達の会話から、エリスは病気です。深夜、アップルと潜入して病気の程度を確認します。

アップルいいわね」

「三日月姉さんはアップル使いがひどいです、泣くぞ」

「じゃ、チェンジで」「了解、やります」

冒険者4人がすごく落ち込んだ様子冒険者ギルドに入ってきた。

受付がすぐに、ギルド長代理の部屋に連れて行く。

部屋に入った4人は押し黙っている。

ギルド長代理のイーモンがイラついた声で

「片耳、世界樹の実はどうした、黙っていたら分からん」

「何があったか、分からないんです、世界樹の森に入った迄は覚えているんですでも、気がついたら結界の外でフォレスウルフに囲まれていて。何か凄く怖い思いをしたようで。世界樹の実の事も、お守りの事も無くて」


イーモンはイラつきから怒りが湧いてきて

「何を言っているか分からん。実もお守りが無いとはどう言うことか!!」

「全員、世界樹の森の中の事の記憶が無いんです」

「記憶が無いとふざけた事を言うな!!

誰かこいつら倉庫に監禁しておけ。

お前ら逃げても、依頼品の持ち逃げで手配するからな」


イーモンは、どうしたものか頭を悩ませる、今から王宮に行くには時間が遅すぎてあの方に会うことはできない。とりあえず世界樹の実を取りに来る使いの者に

話すか、それても嘘ついてこの事態を引き伸ばすか。

やがて、来た使いの者に世界樹の実もお守りないことを釈明をするので、あの方に明日の午前に会いたいと伝言を頼んだ。

しかし、明日どうするか、無い物は無いと開き直るか、あのばか4人の首でも持って行くか、イーモンの頭は一晩中、堂々巡りを繰り返す。


アップルは、イーモン達の会話を聞いた後、使いの者の跡をつけている。


使いの者は、ドワイト宰相の部屋に入り、イーモンからの伝言を聞いた。

ドワイトは、使いの者が出て行った後、テーブルを拳で叩き。

部屋の中を歩きながら独り言を始めた。

「世界樹の調査」「お守り無し」「銀龍」「世界樹の実」「イーモンとの面会」

「よし、いけるぞ」

その後は、普通に執務を始める。


アップルは、この情報を持って転移する。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここは、三日月の部屋。

アップルは、三日月達に調査の報告をする。

三日月が調査結果を整理する。

「アップル、世界樹の実を不当に取る者の黒幕は、ドワイト宰相。

これを実行しているのが、ギルド長代理のイーモン」

「はい、三日月姉さん」

「ただ、動機が分からない。お守り役は、世界樹の精霊様が認めた者。

お守り役がこんな悪事をするとは、考えられない。今の情報では不十分。

継続調査が必要があるわね。

アップルは、明日のドワイトとイーモンの会談を監視して」

「アップルは、働きすぎだと思うんです」

「じゃ、ナビと・」

アップルは食い気味に「了解しました」

深夜、三日月は黒装束に身を包みアップル乗り、王宮に転移する。

アップル達は護衛がいる部屋の中に転移を繰り返し見つけた。

幼い子が寝ている。第2王女エリスかと思い鑑定を掛けるがアリスだった。

隣に部屋に転移する。

アリスと同じ顔の子供がいる、アップルは鑑定でエリス精霊の巫女と確認する。

アップルはさらに鑑定する。アップルは小声で

「姉さん、エリスです、鑑定結果は状態異常、詳細が表示されません」

「他に手立ては無いか」

「治癒魔法の透視を掛けて見ます」「魔法が弾かれました」

三日月は、毛布をそっとめくり、エリスが魔導具をつけていないか確認する。

「魔導具の類は無いな、HP、MPはどうなっている」

「HP1、MP0.5です。危ないな」

「アップル、お使い様にエリスの現状報告して指示を仰げ」

サトルとコトリの部屋。コトリは可愛い寝息をたてて寝ている。

アップルから念話が届き、サトルは起き上がる。ナビは周囲を警戒する。

「ナビ、アップルからの念話だ、大丈夫だ」

「アップル、ナビにも同時通話、相談したい事があるんだろ」

アップルは、エリスの状況を報告する。

「アップル、エリス付きのメイドを探して、これ迄の治療内容を聞いて」

「了解」三日月にお使い様の指示を話す。

三日月は間仕切りを挟んで寝ていたメイドを起こす。

「静かに、お使い様の手の者だ心配する、危害を加えない」

メイドは首を縦に何回も振る。

「エリス王女のこれまで治療内容を聞きたい、小声で話せ」

「はい、エルフ特製の回復薬、解毒薬を飲ませましたが効果がありません。

回復魔法、状態異常無効化魔法は、弾かれました」

「発病からの経過は」

「1年前に体に力入らない言われて、日々悪化しこの状態では医者から長く無いと言われいます」

アップルは、メイドの話をサトルに伝える。

サトルは考える。

現象は原因では無い、現象を対処しても違う現象出るだけ、原因は何か、原因は・・。現象の整理をして、原因を探る。

回復薬は効果が無い。解毒薬も効果が無い、この世界の毒ではない。

魔法が弾かれる、弾かれる・・・銀龍は魔法を弾く何故か、ミスリルの鱗に覆われいるから!

「アップル、エリスからミスリルの反応は無いか」

アップルはAI上のデータとミスリルの特性を超高速で照らし合わせAIで計算。

「感知魔法は役に立たないので、AIを駆使して現象からミスリルかアダマンタイトが体に入ると今のエリスと同様の状態異常を引き起こします」

「アップル、今の俺ならエリスを治せる、こちらに連れて来て」

アップルが三日月にこの事を話す。

「サトルさん、三日月姉さんがお使い様が来て治療したらどうか言っています」

「ミスリル等を飲ませた犯人が不明。王宮にエリスが居るのは危険だからね」

「了解」

三日月は、メイドに(お使い様しか治療出来ないから連れ行く)と言付けする。

エリスをアップルに乗せ、メイドに自分と三日月の記憶を曖昧にして転移する。


呆然したメイドは、我に返り護衛に事の次第を報告する、王宮に灯がつき騒ぎ始める。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここはサトル達の部屋

エリスを乗せたアップルが転移して来た。


三日月は、転移のショックで目が覚めたエリスに優しく声をかける。

「お使い様が、あなたの病気を治しますから安心してください」

エリスは、お使い様の言葉に目を輝かせて頷く

「三日月、エリスをベットに寝かせて」

「はい、お使い様」

サトルは、エリスに笑顔を向け

「精霊様からエリスを助けるように言われた。今から治療するからね。

痛いことは無いから、安心して体を楽にしてね」

サトルは、鑑定LV6魔法でエリスを鑑定する。

(状態異常、ミスリル粒子が血管に混入)

「三日月、ミスリルが血管の中にある、今から左腕から取り出す。エリスが動かないように抑えて」

「はい、お使い様」三日月は、左腕と右肩を抑える。

サトルは、殺菌と鎮痛魔法をエリスにかける

「エリス、今から体にあるミスリルを取る出すから動かないようにね」

エリスは、頷く

サトルは、土魔法LV7を使いミスリル粒子を慎重に左腕に集める。

サトルの額が汗で光る、集めた粒子を糸より細い線状にする。

線状のミスリルが左腕から1粒の血と一緒に顔だす。

サトルの汗がベットに落ちようとしている、その汗をハンカチ持つ小さな手が拭き取る。

線状のミスリルが1cm、2cm・・と出て来る。ミスリルが1mになり取り終わる。

「よし取り終わった、血管結合。エリス終わったよ」

エリスは小さな声で「ありがとう、お使い様」

「コトリちゃん、エリスに初級回復薬を飲ませてね」

「うん、わかったの」

コトリはアイテムバックから回復薬を取り出して

「私、コトリの言うのお薬を飲んでね、エリスちゃん」

エリスは差し出された薬を飲むと顔に赤みがさし始めた。

サトルは、鑑定をかけ、状態異常が消えHP、MPが上昇を始めた事に安堵した。

「エリス、今日はこのまま寝てね、明日お話しをしようね」

「はい、おやすみなさい」

サトル達は、起きてしまったコトリとプリンを食べている。

コトリはスプーン舐めながら

「お兄ちゃん、エリスちゃんて、アリスちゃんにそっくりなの」

「アリスと双子の姉妹で、青の世界樹の巫女だよ」

「精霊様が助けて言った巫女はエリスちゃんなの」

「そうだよ」

「コトリは、エリスちゃんとお友達なるの」

「そうしてあげて、当分はここにいて、治療の後の様子を見るからね」

「うん、わかったの」

サトルは、

「三日月、アップル、巫女を助ける事が出来た、礼を言うありがとう」

「アップルは、頑張りましたよ」

「アップル、みんなで頑張ったでしょう」

「えへへ」

「三日月、引き続き調査をお願いする」

「はい、今、分かっている事は」

三日月は、現時点の調査結果を報告する。

「黒幕は、ドワイト宰相だが、お守り役の行動とは思えないか?」

「ええ、変身スキルで別の者がドワイトに化けている可能性があると思います」

「ドワイトの監視をするしか無いか」

「はい、お使い様。私達は王都に戻り、ドワイトの監視をします」

「頼んだ」

サトルは、ナビとアップルに最新スキルを付与する。

コトリが手を振り「三日月お姉ちゃん、またね」

三日月達は、王都の宿の部屋に転移する。

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