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第22話 女王蟻

第22話 女王蟻


軍曹アリ約1000、将校アリ約100、将軍アリ10。

アリの軍団は、ドワーフ国の城壁を目指して歩き始める。

それは、軍事パレードに似た規則正しく乱れなく歩く。


地面が揺れる、地面が大きく揺れる、山から数えきれない数の岩が落ちる。

大きく開いていた坑道から土煙りが噴き出す。

ドドドーンと大音響と共に体長約20m、体高5mの女王蟻が坑道から顔出す。

女王蟻が歩き出す、地面が揺れ、地響きが城壁まで届く。


サトル達は、女王蟻の圧倒的な存在感に唖然とただ見ている。

サトルは、両手で両頬を叩き、バシーンと音が響く、隣にいたロガスの止まっていた時間が進む。

「ロガスさん、最終決戦だ、気合いを入れろ」

ロガスも両頬叩く。力強く大声を出す。

「野郎ども、お前達は、数千のキラーアントンを倒し、心も体もステータスも

強くなった、ビビるじゃないぞ!!」

「「おーお」」

「作戦言う、決戦場所は150m地点。軍曹アリをまず殲滅する。色気を出して将校アリを撃つんじゃねえぞ。

将校アリは、1番から右隣の者と息を合わせ二人で攻撃する。確認するぞ。

1番は2番と組む、3番は4番と組む以下同じだ。いいなお前達」

「「おーお」」

「俺たちは勝つ、続けろ」

「「俺たちは勝つ」」

「大声をだせ」

「「「「・・・俺たちは、勝つ・・・」」」」

14名は、銃座につき戦闘体制をとる。

サトルはロガスに決意の目を向ける

「ロガス国王、俺たちは、まず、将軍アリを倒しに行く。ロダンさんが来たら火魔法で合図を送れ」

「分かった。でも親父は本当に来るのか?」

サトルは、自信を持って

「来る、コトリちゃんが精霊から言われたそうだ(間に合う)と」

「分かった。俺も信じる」

サトルは、2つのショットガン出す

「銃口が3段になっているのがロガス国王専用だ、将校アリに使え、急所に当たれば1発で倒せる。ただし、装弾数40発。

こう1つは、ロダンさんに渡してくれ」

「最後まで至れり尽くせりだな。ありがとうよ」

サトルは、自分たちの様子を見ていた桜達に歩いていく。


サトルは、桜と向日葵の目を見て

「桜、向日葵、付き合ってくれるか?」

桜があのシーンを思い出し笑みを浮かべ

「お使い様、これはプロポーズですか、答えは(お受けします)」

向日葵が話しに乗って

「私も、お受けします」

「ナビもです」

「アップルも、もちろんお受けします」

サトル達は、顔を見合わせ大笑いする。

精霊のお守りを桜と向日葵に渡す。

「このお守りは、結界LV4を自動発動する、首にかけて」

桜が冗談の続きを

「プロポーズの後に渡す指輪の変わりですか?」

サトルは、真顔で

「いや、信頼の証だ、受け取れ」

桜と向日葵は力強く返事をする。

「「はい」」

「2人もショットガンを出して」

サトルは付与する

「空気圧縮弾LV4を付与した、装弾数は、80発だ」

「「はい」」

サトル達は女王蟻に向けて飛び立つ。


ロガスは、飛んで行くお使い様達を見ながら(お使い様は、敬称をさんから国王に変えた、俺はお使い様の信頼を勝ち得たのか)

1番は(お使い様達は大笑いしてたな、俺もピンチの時に笑えるようになるぞ)


『ナビ、アップル、行き掛けの駄賃だ、雑魚アリをぶっ飛ばしていくぞ』

『『了解』』


サトル達は、軍曹アリ、将校アリを徹甲弾で倒しながら将軍アリの所に来た。

『ナビ、アップル、一番左から将軍アリを各個撃破する、狙いは首と胴体の間だ

桜と向日葵に伝えろ、俺に続け』


サトルとナビは、一旦上昇、将軍アリの後ろから下降し、空気圧縮弾付き徹甲弾を頭の胴体の外皮が薄い所に打ち込む、続いてアップル達も打ち込む。

徹甲弾は外皮に食い込み爆発する、徹甲弾は少しづつ内部に食い込み爆発を繰り返す、頭と胴繋ぐ筋肉なくなり最後に打ち込んだ徹甲弾が爆発すると骨を断ち切り将軍アリの頭が落ち、胴体が少し動いた後に止まる。


『今の感じて行くぞ』

『『了解』』

「桜さん、向日葵さん、お使い様が、同じ攻撃を続けると言っています」

「「了解」」

サトル達は、将軍アリをさらに2体倒し、4体目に急降下を掛ける、バシーンと音がするとナビが『アップル結界を掛けろ、攻撃中止』の念話が飛ぶ。ナビは急降下を中止して将軍アリから離脱する。


『ナビ、何が起こった』

『将軍アリから酸攻撃です、オーナーの結界が自動発動して難を逃れました』

『ナビ、LV 4の結界は酸攻撃に何回耐えられる?』

『多分1回です』

『ナビ、アップルLV 4の結界を何回かさね掛けできる』

『ナビは最大4回です。でも攻撃できません。こちらアップル結界 4回と攻撃 4回できます』

『攻撃の主体は、アップル。ナビは結界で防御し俺が攻撃する。攻撃対象は左から4番目、酸の同士討ちを誘う』

『『了解』』

アップルは、桜達に酸攻撃の事と作戦変更を伝える。

アップルは、同士討ちを誘うように将軍アリの7体の上空を掠める進路をとる。

狙い通りに将軍アリはアップルに向け酸を発射、幾つか酸が結界に当たる音がする。

外れた酸攻撃が将軍アリに当たり外皮が音たて溶かす。

アップルは上昇し反転、斜め45度で下降しアップル達は 4番の将軍アリの首を徹甲弾を打ち込む。ナビも同じ進路を取り、サトルが攻撃する。

もう一度同じ攻撃を繰り返し倒す。


左から3番にも同じ作戦で攻撃して倒す。

次の攻撃からは将軍アリは同士討ちを恐れの酸攻撃がなくなる。


それからは、単純作業だ、アップル達が計6発の徹甲弾をうちサトルが2発もう1度繰り返して倒す。

最後の将軍アリにアップルは急降下から攻撃に移ろうした時、背後から大きな酸が飛んでくる。アップルは酸が結界に当たった衝撃で飛ばされるが直ぐにバランス取り戻す。

『アップル、大丈夫か』

『桜達も大丈夫です、女王蟻の攻撃です。攻撃直前まで魔力感知をしていたので、攻撃が分かりました。結界をさらに重ね掛けし助かりました。6枚の結界が破られました』

『アップル、ナビ、さらに厳しい戦いになる。桜達を守る余裕が無くなる桜達を城壁に帰そう。桜達は将校アリを倒してもらう』

『『了解』』

『桜と向日葵がご武運を祈ると言っています』

『桜達にありがとうと女王蟻を倒して戻ると言って』

『了解』

『ナビ、アップル、アイデアはないか?』

『こちらアップル、サトルさんの試作レールガンで攻撃、アップルが結界を張って、サトルさんを守る』

『良いね、それで行こう。攻撃開始』

桜達はロガスのすぐ近くに転移した。

軍曹アリは、150m地点すぎてロガス達は攻撃を開始する。

ロガスは、桜達が急に現れて驚いたが

「こちらを手伝いにきてくれたか」

桜は、口ごもりながらも

「はい、女王蟻の攻撃力が高く、お使い様達が私達がいると全力で攻撃できないようで、将校アリを倒すように言われて」

ロガスは元気づけるように

「お使い様達は、かなり危険な攻撃に移るつもりなんだろう。それこそ命懸けの。お前達は愛されているな」

桜と向日葵は顔を赤くする。

「「はい」」

「俺は、桜達がいると助かる、将校アリは頼んだ」

「「はい」」


将軍アリがいた場所が光り、女王蟻の全身が見える。

桜は、最後の将軍アリをお使い様が倒したと確信した。


サトルは、最後の将軍アリを倒して、ロダンが来るまで女王蟻の足止めの攻撃を開始する。

『ナビ、アップル。女王蟻アリの酸攻撃を回避するにはどれ位離れて攻撃すればいい』

『こちらアップル。魔力感知を常時行うとして、100mなら余裕、50mでギリギリです。こちらナビ、100mは余裕、70mでギリギリです』

『ではリスク回避して100mから遠距離攻撃する、狙いは向かって右側の足の付け目』

『『了解』』

サトル達は、女王蟻の右側に回り込み、徹甲弾を打ち込む。女王蟻は止まって、酸を発射してくるが、サトル達は酸の塊を回避しながら攻撃する。

数十発の徹甲弾が当たった右前足は根本から落ちて、女王蟻は止まる。

だが、足の付け根から泡状の物が出てくるとに再生を始めた。


『ナビ、アップル。キラーアントンの女王蟻は、再生スキルがあるのか?』

『こちらアップル、再生スキルはありません。これは推測です。

旧文明が何かを隠す為、何かを守る為に女王蟻を改造したと思われます』

『ロガスのアダマンタイトの扉の話しからしても可能性はかなり高いな。

女王蟻を倒したら、お宝探しだな』

『世界管理室のアーカイブにも記録がないお宝は、大発見です』

『続けて、時間稼ぎの攻撃を開始』

『『了解』』


時間が1分、2分・・・と進み、サトル達の女王蟻の足止め攻撃も虚しく女王蟻はドワーフ国城壁に近づく。


ロガス達は、軍曹アリの殲滅を終え、最後の力で将校アリへ攻撃を開始する。

ロガスは、将校アリの先にいる女王蟻を見て呟く(親父はまで来ないのか)


サトルは、女王蟻の足を何回も吹っ飛ばしたがその度に再生する姿を見て呟く

(ロダンはまだ来ないのか)


桜、向日葵は、将校アリへ徹甲弾を打ち込み次々と撃破して行く。

桜は呟く(将校アリを全て倒しても女王蟻がいる、レールガンは間に合うのか)

将校アリを全て倒した頃、女王蟻は200m地点通過し、アリの死骸を踏むギシギシ嫌な音が響く。


ロガスが大声で命令する。

「戦闘員以外、退避。繰り返す、マーサ達は逃げろ」

ロガスは、深呼吸してから

「野郎ども、女王蟻に攻撃を開始、魔力が尽きるまで撃て」

「親父は、必ずくる、時間を稼げ」

戦場にシューと徹甲弾の甲高い音が幾つも聞こえる。女王蟻の顔、胴体、足に当たるが、全て跳ね返る。

桜達の徹甲弾は当たるとバシと音がして弾丸が弾ける。

空からサトル達が徹甲弾を数十撃ち込む。

女王蟻アリは五月蝿いと言うように酸を発射する。

酸の塊は城壁近くに落ち、アリの死骸を溶かす。辺りに酸っぱい嫌な匂いが充満する。


マーサと手を繋ぎコトリがロガスに近づく。

「マーサまだ逃げていないのか、早く逃げろ」

コトリがニコニコとロガスを見て

「大丈夫だよ、おじいちゃんはくるからね」

(この子は精霊の巫女、精霊が間に合うと言うからには親父は必ず来るだろう、

指を加えて親父を来るのを待つのは違う。

俺にはお使い様から渡されたショットガンが手元にある。よし俺も時間を稼ぐ)

ロガスは、お立ち台から飛び降りて、ショットガンを女王蟻に撃ち始める。


女王蟻アリ100mラインを超え、立ち止まると酸を発射する。

城壁の中央にドーンと音がして岩が溶け始める。

城壁にいた戦闘員は、揺れる床になんとかバランスを取り落下を免れた。


ロガスは、決断する。

「全員退避、逃げろ、逃げろ」


女王蟻は、50m付近まで接近する。

城壁に残るは、ロガス、マーサ、桜、向日葵、そしてコトリ。

空中からコトリの姿を見るとサトルは決断する、リスクを恐れて遠距離から攻撃をする時間がない。サトルは、城壁に転移する。

サトルは、城壁の上で試作レールガンを構え、女王蟻を狙う。

ナビは飛んで行き、サトルに結界を多重に掛ける。アップルはコトリ達に結界を掛ける。サトルは、城壁の上で試作レールガンを構え、狙っている。

女王蟻は、酸を発射しようと口を開く、サトルのレールガンが文字通り火を吹き

発射弾は溶けた鉄となり酸の塊と衝突する。

酸は女王蟻の複眼を溶かし始め、女王蟻は立ち止まり、頭を激しく振る。

女王蟻の頭から飛び散った酸は辺りをジュジュと焼く。


カツカツと城壁をかけ上がる音がする。ぜいぜいと息を荒くする音がする。

その希望の音は段々大きくなる。そして待っていた声が聞こえる。

「お・つ・か・い・さまー」

サトルは振り返り、ニコと笑うとロダンに駆け寄る。

「お使い様」

とロダンは、1.5mのミスリルレールと弾丸を拝むように差し出した。

サトルは「ありがとう」と声かけアイテムボックスに入れコピーを駆使して

ミスリル製レールガンを作り、取り出すと城壁の上に立ち。

ゴーグルを掛け、振り返り「全員目を塞げ」と叫ぶ。

怒りに狂った女王蟻アリは、突進してくる。

女王蟻の頭は約2mの下向き三角形の両側に複眼、約1mの2対の牙でサトルに切り裂き割こうと女王蟻が迫って来る。

魔結晶を10個繋いだレールガンを構える。サトルの時間が引き伸ばされ、女王蟻の頭の中心

に照準が合った瞬間に引き金を引く。

落雷のような大音量の音とプラズマの光が辺り覆った瞬間、ミスリルの弾丸は女王蟻の頭と胴体を貫き魔結晶を割った反動で弾丸は角度を上向きに変え進み山頂にぶつかり破壊する。

サトルは呟く(やべぇ、10個は多かったな)


サトルは、女王蟻の死骸を眺めている。

我に返ったロガスが隣に来て女王蟻の死骸を確認すると

「おーお」と片手を上げ、戦闘終了の合図の火魔法を3度打ち上げる。

そして、へたり込む。その隣にはロダンがへたり込んでいた。

コトリがサトルに駆け寄りサトルの足に抱つく。

「お兄ちゃん、終わったの」

「終わった、コトリちゃんよく頑張ったね」

コトリは笑顔の中に涙をキラキラさせながら

「うん」と答える」

サトルはコトリと手を繋ぎ、桜達と合流する。

「桜、向日葵、ありがとう、こんな危険な目に合わせてゴメンな」

桜達は片膝を立て頭をさげ

「私達は、お使い様と巫女様の護衛ですから」

桜は頭を上げ、ウインクする。

サトルは(アップルに毒されたのか?桜は)

城壁の上に戦闘員達が戻ってくる。

女王蟻の頭から胴体まで弾が貫通したを姿を見て驚く。

人が少しづつ城壁に集まり始めた。


サトル達は隠れるように城壁から降りようとした時

『た・す・け・て、た・す・け・・たまごを』

「ナビ、アップル、聞こえたか」

アップルが

「念話通信です、ただ、発信者も場所もわかりません」

コトリが

「精霊様が不死蝶が死にそうと言うの助けてって」

「コトリちゃん、場所はわかるか?」

「うん、青の世界樹だよ」

「コトリちゃん、ナビ、アップル行くぞ」

桜が大声で

「私達も行きます」

「分かった。アップル3人を乗せて」

「マーサさん、俺たちは行きます、夕飯までには戻りますから」

「はい、コトリちゃん達、気をつけてね」

「ナビ、アップル行くぞ、青の世界樹へ転移だ」

「「了解」」


マーサは思う

(さっき迄、命懸けの戦いをしていた、お使い様達を休んで欲しかった)


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