表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/31

第20話 訓練とロダン

第20話 訓練とロダン


台所から朝食の準備の音が聞こえる。

マーサ、コトリ、桜、向日葵の笑い声が聞こえる。

「マーサおばさん、膨らんだでしょう。これを焼くと桜お姉ちゃんのお胸みたいにふわふわパンになるの」

「コトリちゃん、男の人の前では、ふわふわ禁止です。メーです」

「ここは、女の子しか居ないから、大丈夫なの」

「コトリちゃん、やっぱり、人前でふわふわ禁止です。恥ずかしいです」

また、みんなが、笑い出す。

朝食が終わり、サトルとロガスは訓練の打ち合わせをしている。

「カロンさん、15名の根性のある者を集めた。訓練場所は廃坑道の前の広場だ」

自慢気にロガス言う、

「ロガスさん、魔導具の数が足りないが、魔結晶の追加はあるのか?」

「シーダブル商会が運んで来た荷の中にあるそうだ、午後には手に入る。

すぐに魔導具は作れるのか?」

サトルは、自信たっぷりに

「大丈夫だ、俺の生産系スキルは強力だ。

女王蟻の倒す目処がたった、ロガスの父上に合わせてくれ」

ロゴスは、驚きと期待に満ちた顔で

「本当か、今すぐに親父に会いに行こうか?」

「いや、試作品を試し打ちを見てもらい、何がしたいのか理解してもらう必要がある。

訓練所に来てもらえないか?ロガスさんも確認したいだろ」

「親父も15名の一人だ。訓練所で紹介する。ぬか喜びしたくないから試し打ちを俺も見たい」

「話は変わるが、コトリ達の町の案内は誰がしてくれる」

「マーサが、案内する。事情も知っているから好都合だろ」

「助かる、ありがとう」

サトルは変身スキルで金髪エルフに変わり、緑色の服にゴーグルを掛ける。ロガスと共にアップルに乗り訓練所に行く。

そこには、屈強なドワーフ15人がいる。サトル達が降り立つと一斉に片膝を立てる。

サトルはこの様子を見て、自分は大した人間でないのに。

「みんな、立ち上がってくれ、堅苦しいの苦手だ、キラーアントンと戦う仲間の一員と思ってくれると、ありがたい」

「「うおーす」」と低い声と共に15人は立ち上がる。

「ロガスさん、打ち合わせ通りに、頼む」

「ドワーフの勇者よ、左から順番に番号を言ってくれ」

15人は顔を見合わせ、意味が分からずいる。

ロガスはもう一度、大声で

「左から順番に番号を、大声で」

15人はとりあえず番号を言う

「1、2、3・・・14、15」

「よし、この番号が戦闘時のお前達の名前になる、この時だけは親から貰った、立派な名前を忘れるように」

15番が代表するよう

「ロガス国王、これになんの意味がある」

「オヤジ・・いや15番、千を超えるキラーアントンの前で指揮の遅延が命取りになる、また、お前達の中には似たような名前がある。指示を取り違えない為だ。今の番号を忘れるな。

お使い様から対キラーアントン用魔導具を渡す。

全員知ってると思うが、強力な見えない矢を飛ばす。1番から順番にお使い様から受け取るように。また指示があるまで銃口は上に向け、引き金に触らないように」

最初に魔導具を受け取った1番は、手が震える。

その様子を見てサトルは、他の人にも聞こえるように。

「1番、これは兵隊アリを1発で倒す強力な武器だが、お前が作る切れ味鋭い剣と

同じだ。使い方さえ学べは恐れることはない。自分と大切な人を守る武器と思え」

1番の震えが止まり

「はい、お使い様。俺は守ります大切な人を」

サトルは、10番迄ショットガンを渡す。

「11番から15番は、午後に渡す。午前中は、10番の魔導具を交代して訓練する」


サトルは土魔法で的を作る。

ロガスは、全員を見渡し、

「今から訓練を行う1番から10番は前え進め、目の前に的がある距離は50m。

お使い様から魔導具の使い方を説明する」

サトルは、自分のショットガンを取り出す。

「構えは、ストックを肩にあて、照門、銃身のある凹と先端にある照星凸を的に合わせる、後は引き金を引くだけだ」

「1番前に出て、やって見ろ、的に当たらなくても良い、まずは魔導具になれろ」

1番は、少しぎこちないが構えて

「1番、撃ちまーす」と引き金を引く、弾は見事に50m先に当たる。

周りから歓声が消える、その声で1番は思わず構えたままで振り返る。

サトルの叱咤の声が飛ぶ

「1番、決して魔導具を人に向けるな、銃身を上に向けろ」

1番は、慌てて銃身を上に向ける。

「的とキラーアントン以外に決して銃身を向けるな、それ以外は銃身を上に向けろ。分かったな」

「「はい」」

「2番から順に同じように撃つように」

11番からも10番の魔導具を借り練習する。

訓練から1時間経ち休息にする。

サトルは台所の魔導具を出しみんなに冷水を配る。

1番が

「美味い、冷たい水がこんなに美味いとは思わなかった」

2番が1番の言葉に乗り

「エールも冷やしたら旨んじゃないか、お使い様、この魔導具売り出すか」

サトルは

「ロガス国王と検討中だ、全てはこの騒動が終わってからだ」

「違いねえ」

ロガスがロダンを連れてくる。

「お使い様、父のロダンだ」

「ロダンさん、女王蟻を倒すには、あなたの力が必要です。是非、力を貸して下さい」

「お使い様、話は息子から聞いている。早速、試作の魔導具を見せてくれ」

サトルは、試作レールガンを取り出し見せる。

ロダンは、鉄が2本並んだ銃を見て、なん言う不恰好で練習で使った銃より威力があるとは思えない。

「お使い様、本当に女王蟻を倒す威力になるのか?」

サトルは、この2本並んだ鉄だけ見るとそう思うよな。

「ロダンさん、試し撃ちをしましょう、威力が分かります」

サトル達は、訓練場の脇に行く。

サトルはレールガンに弾を乗せる。

「ロダンさん、初めは魔結晶1つを取り付けたレールガンです。約50m先の岩を狙います」

サトルは、レールガンを構え慎重に狙い撃つ。

金属が擦れるシューと言う音がし、岩に当たり跳ね返る。

「お使い様、あの魔導具より威力が無いと思うが」

「はい、魔結晶1つの場合はこの威力です、5個に増やします」

サトルは、岩に狙いを定め引金を引くと、スパークした光とドーンと音がして

岩は粉々になる。

ロガスとロダンは、あまりの威力に唖然としている。休憩していた人がこちらを見て、何事が起こったかと目を大きくしている。

「ロダンさん、ロダン、大丈夫ですか?」

ロダンは、深呼吸して

「ああ、大丈夫だ、この威力なら女王蟻を倒せるじゃ無いか、俺の手はいらないと思うが」

サトルは、レールガンを見せる。

「ロダンさん、打撃力はありますが、女王蟻の外皮を貫く貫通力がありません、

さらに、レールがこの通り真っ赤になって、内側が削れて次は打てません」

ロダンが、刺すような目で、

「貫通力とレールガンの耐久力の問題か?でも、お使い様、この試作品でも上級範囲攻撃魔法より威力ある。恐ろしい物を作ったな」

「これは、世に出しません。訓練で使っている魔導具もです」

「うむ、それが良かろう、わしは、何をすれば良い?」

サトルは、銀龍の槍と針を取り出す。

「ロダンさん、この槍をレールにする為厚さ1cm高さ4cmの板状にして下さい。

針は、弾丸にします。直系3cm先を円錐形に尖らせ下さい」

ロダンは2本の槍を手に取り

「ミスリルかこれなら耐久力は問題無いか、この1本は、凄い魔力を感じる。

なんじゃ、これは」

「銀龍の鱗を貫く為に、魔力を込め硬化の魔法を施しました、腕一本持っていかれましたが」

「お使い様、この槍でドラゴンを。硬化魔法を施した。お使い様、これは難物だ。出来かどうか、いや、やる女王蟻を倒すには、これしか無い」

ロダン真剣な目で、

「ロゴス俺は戻る。この槍と針の加工するにどれだけの時間が掛かるか、分からないからな」

サトルは、四つ葉のお守りにLV1のアイテムバックを付与してロダンに渡す。

「ロダンさん、このお守りを首の掛け、槍と針を触って収納と言って下さい」

ロダンは、説明がないサトルの言葉に訝し乍「収納」と言う。

ロダンは少し驚いたが、意味はすぐに分かった。

「ロダンさん、取り出す時は(取り出す)で、アイテムバックはロダンさん専用です」

「お使い様は、では、わしは加工しに戻る」

サトルとロゴスは、立ち去るロダンを見て

「親父のあの目を見たのは、久しぶりだな」

「一流の鍛治師の目だ」


サトルは、届いた魔結晶でショットガンを作り、11番から14番に配る。

この日は、的の距離を100m、150m、200m変え、弾がでなくなる迄続けた。

次の日は、ロゴスが、射手の番号言いを指示通りに撃つ訓練する。

3日目は、地上の的とアップルが的をぶら下げて飛ぶ蟻に見立てて訓練する。

4日目は、的の作成はアップルに任せ、サトルとナビは城壁の強化をする。

5日目は、サトルとナビは距離計変わりの塔と城壁に物見台と待機場を作る。


6日目は、完全休養

7日目は、ゴーグルを配り、夜間訓練もする。

そして、訓練と城壁の強化等をして10日経つ

11日目のまだ夜が明ける前、地面から微かに振動する、徐々に振動が大きくなり、ドカーン大きな音と地震のような振動がする。

坑道の口が大きく開き、赤い目がわらわら現れ始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ