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第12話 謁見前夜

第12話 謁見前夜


ここは、港町トミラ

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

サトル達は、アリス王女と別れた後、昼をすぎに港町トミラに着いた。

遅い昼飯を食べた後、オデリア大陸の玄関口港町シーガスへ行く船を探す。

昨日、シーガス行きの船が出港しおり、サトル達は次の船を待つ事になった。

サトルは、ため息つき

「ついて無いな、まず、宿を探そう」

コトリが期待を込めて

「お兄ちゃん、コトリは、お風呂があるところがいいな、そして髪を洗って欲しいの」

サトルは、コトリに甘い

「お金もあるしそうするか」

地球人のサトルは、宿の探し方も分からないので、三日月に頼む事にした。

「三日月、頼んでもいいか?」

「はい、私達もご一緒で良いですか?」

「もちろん、アリスの配下の毒の治療費がわりと、堂々と俺達を監視するのに都合が良いだろ」

三日月は、ちょと皮肉を言われたな思いながら

「それではこの町一番の宿を探して来ます、桜、ツツジ、皐月手分けして探して来て」

「じゃ頼んだ、俺達はあそこ店でお茶しながら待っているから」

三日月、楓、向日葵がサトルの後に続く

「三日月どうして,ついてくるの」

「私達は、監視の任務をしています」

言葉が過ぎたとサトルは反省する。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここは王都


アリス王女は、日が暮れる頃、王都に着いた。

王女の護衛隊長ジャクソンが先触れとして先行し、王宮での宿泊、国王の謁見等の手配が滞りなく行われた。

王女一行は、汚れを落とし、食事を終え、アリスはエイミー相手にリバーシをしている。アリス達の背後には、護衛が立っている。


ドアがノックされ、カーラーは入室の許可を与える。カーラー達従者が立ち上がる。

ブリオリがメイドを伴い入室する。

「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。

私は、宰相代理のブリオリと申します、この者はメイド長のイザベラです。

明日、謁見の時間が10時はなります、後、習慣の違いでお困りのことが無いかとお伺いに参りました」

アリスは、子供から王女に頭を切り替える。

「突然の来訪に関わらず、おもてなしを頂き感謝いたしますわ、お食事も美味しく頂きました」

「そう言って頂き、嬉しく思います、外にメイドが控えておりますので、何なりとお申し付けください。失礼いたします」

ブリオリは、ゲーム盤に目を向け部屋を出ていく。

カーラーが怒気を露わに

「あんな硬いパンをアリス様に出すなんて、外のメイドに言っておかないと」

「カーラー、私の事を思っての言葉だと思うけど、ダメそんな事を言っては」

カーラーは少し、しょんぼりして「はい、アリス様」

アリスは、再びゲーム盤に向かう。

ムーア国王の執務室

ムーア国王、マハード元帥、ナガラン近衛隊長、デミオ守衛隊長、月光、黒雲等いて、ハイエルフ国のアリス王女の対応を検討している。

ムーア国王が口を開く

「ブリオン宰相代理、アリス王女の印象を話てくれ」

「申し上げます、歳の頃は5、6歳に見えます。

が、アリス王女の挨拶は、立派な物です。見た目で侮るといけません」

「知識と経験は我らの月日と同じと言うことか。気を付けよう」

ブリオンが続けて

「あと気になるのが、持っていたゲーム盤に四つ葉のマークがありました」


「次に月光の配下の者がここまで護衛にあたったと聞いた、四つ葉のマークの件を

含め月光報告してくれ」

「申し上げます、ここにおる黒雲が護衛にあたりましたの黒雲からご報告いたします」

「黒雲でございます。このような場での報告が慣れない故、メモを見ながら報告いたします。

まず、お使い様の関わりと我らが護衛にあった経緯です。

お使い様が毒に侵されたアリス王女配下の者を助けました。

しかし、侍女の巫女様への物言いとお使い様達を蔑ろにする企をしたため為、

お使い様はこれ以上の関わりを持つの辞めました。

しかしお優しいお使い様は、毒から回復中で戦闘に耐えられない護衛の代わりに、我ら月光部隊に護衛の任を依頼されました。

ここ迄は、よろしいでしょうか?」


マハード元帥が質問する

「蔑ろにする企てとは何か?貴公の優しさかも知れんが侍女の名前を言ってくれ

正しく対応をする為には、わかり得る全ての情報が必要だ」

「はい、失礼しました、侍女の名前はカーラー30代に見える女性です。

企ては、お使い様達を金で誘惑して、王都まで案内させようとしました、実のところ、配下の護衛が毒の回復中で護衛の任に耐えられないのを見越し、お使い様達を、魔物の囮に使おうと企てたようです」

「分かった、続けてくれ」

「アリス王女様の人柄です。

配下の者は勿論の事、下々の者も大切に思う心をお持ちです。

これは、配下の者が毒で倒れた時、身元も隠していたお使い様に泣いて助けを求めたそうです。

巫女様にちゃん付けお許しになり、カーラー殿に巫女様をお友達と言ったそうです。

別れの際、巫女様がゲーム盤をアリス王女様に、髪飾りを巫女様に渡しました。

ブリオリ宰相代理が見たゲーム盤は、巫女様から渡された物です。


次に配下の進言で正しくないと判断した場合は、否と言う強い意志をお持ちです。これは、毒の治療費の代わりに王家のナイフを渡す際、カーラー殿から強烈な反対がありましたが、強い意志を持ってこれを退けたそうです。

この話は、お使い様に同行している三日月からの情報です。

我ら、護衛していた際もこの人柄が垣間見えました。

アリス王女様の人柄は以上です、ご質問はありますでしょうか」


月光が周り見て、黒雲に頷いて合図する。

「配下の人柄ですが侍女カーラー殿は、先程の説明以上の事ありません。

侍女エイミーは、10代後半の女性、特筆事項ありません、ただ、エルフ族ですので魔法を使える可能性があります。

護衛ですが、実際の戦闘を見ていませんが、毒からの回復力の速さ、身のこなしからエリフ族の中でも選りすぐり者では無いかと推測します。以上です」


暫く沈黙が続いた後

ムーア国王が独り言にように

「アリス王女は、ハイエルフ王国の特使として、十分な知性と判断力を持っている。突然の来訪の目的は何か?目的により対応が大きく変わる。

マハードどお思う」

マハードは人差し指、中指をこめかみに当てながら

「1つ目は、元国王の残虐行為と神罰の情報収集

 2つ目は、クローバー王国のエルフ族、亜人族への法律の改善内容と実行状況

 3つ目は、お使い様の情報収集」

「マハードが言う通りこの3つが今考えられる目的だろうな。

この3つの目的に共通する我が国の方針は?」

月光が胸から取り出したお守り見ている。ムーアが

「月光、お守りをじっと見ているが、何か思いはあるのか?」

「はい、四葉のクローバーの葉の一つには、誠実と言う意味があったなと、思い出しまして」

「他の葉にも意味があるのか?」

「はい、愛情、幸運、希望です」

「そう言えば、お使い様が作った魔導具には全て四つ葉のマークがあるな、水周り魔導具、毒防御魔導具、お守り。

これは、お使い様の願いか、我々への道標かも知れんな。

よし、明日の会談は、嘘偽りなく誠実に対応する」

ムーアは「他に意見はないか」と問う

黒雲が恐る恐る

「報告の時、言うか迷っていたんですが」

ムーアが「続けて」

「最小の護衛、旧街道、突然の訪問から愚考すると正式に訪問出来ない問題がハイエルフ王国で生じている可能性があるのではないかと」

「なるほど、我が国のみ視点で見ていたが、黒雲の言う可能性も考慮する必要があるな、ありがとう」

「皆の者、確認する。アリス王女とは誠実に対応する。ハイエルフ王国の視点も考慮を入れる」

周りを見回し

「他の意見ないようだな、解散する」

会議が終わり、マハード元帥が月光に話かける

「部下の黒雲は、良い人材になったな」

「はい、お使い様に悩みを話し、お言葉を貰ってから驚く程に変わりました」

「どんな言葉を頂いたのか?」

「黒雲が大切にしているようなので、私からは」

「すまぬ、野暮だった」

2人は言葉を交わし自分の部屋に戻る。

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