表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/31

第11話 アリス第3王女

第11話 アリス第3王女


ナビから念話が届く

『 1km先に数人の魔力を感知』

サトルは、手を挙げて「停止」と声を出す。

みんなに聞こえる様に

「この先に人がいる、問題ないか確認する」

「ナビ、キックボードを飛ばし、カメラで先の様子を映し出してくれ」

「了解」

サトル達は、ナビ(スマホ)画面に映し出された映像を食い入るように見る、

立派な馬車の脇で複数の人が倒れて、小さい女の子が泣いているようだ。

「毒かもしれない、アップルは、毒の鱗粉の影響範囲を調査開始。

全員、毒防御の魔導具の装着を準備」

「アップル、了解しました」

サトルは、疑問の声を出す

「おかしいな、アップルの昨日の報告では、旧街道は毒に汚染されていないはず」

『サトルさん、旧街道は汚染されていません、汚染地区は街道から1km先です、

倒れた人の様子を見てみます』

サトルは報告を待つ。みんなは、サトルを見ている。

『サトルさん原因が判りました、倒れた2人は毒に汚染されたミスリルを持っています』

『アップル戻って来てくれ、ナビもキックボードを戻せ』

『了解』

サトルは全員を見渡し

「街道は問題ない。倒れている人は毒に侵されている。原因は銀龍のブレスが固定化の過程で毒の鱗粉を纏い、そのミスリルを持ったことだ」

コトリが聞く

「お兄ちゃん、助けに行くでしょう」

「行くよ、ただ後で面倒ごとに巻き込まれる予感がするけど」

三日月が笑いながら

「お使い様、いつもの事のように思いますが」

「俺て運が悪いんだ。

みんな、俺の事は旅の商人カロン呼んでくれ、目的はオデリアにエルフの薬の買い付け、三日月達は話を合わせてくれ。

全員アップルに乗車、目標の50mまで転移」

子供は、サトル達が転移して気が付かない。

「全員、魔導具装着、三日月達は洗浄と毒治療。コトリは解毒薬を三日月に渡して」

「「はい」」

泣いている子供がサトル達に気が付き

「だーずーげーてー、だーずーげーてー」

サトルはコトリより少し幼い子に優しく声をかける。

「大丈夫ですよ、お姉さん達が毒の治療をします、ここでは邪魔になりますから

いきましょう」

コトリが子供の手を繋ぎ「みんな、すぐ良くなるよ、おいで」

サトルは、テーブルと椅子を出し、椅子の座る様にいう。素直に椅子に座ったので、紅茶を入れ、冷たい水の入ったコップも置く。

コトリが声をかける。

「紅茶だよ、さとうは、ここをちぎっていれるんだよ、さとう三つまでだよ」

子供は見よう見真似で、砂糖入れる。

一口飲んで、目を開き、美味しいのか続けて飲む。涙が止まる。

その様子を見て、コトリが話かける。

「わたしは、コトリというの、あなたは?」

「わたしはね、ハイエルフ王国第3王女アリスというんだよ、エイミーがしんぱいなの」

「お姉ちゃんたちに、まかせればだいじょぶだよ、リバーシゲームしよう」

「ゲーム?リバーシてなに?」

コトリはアイテムバックからゲーム盤を出す。

「あーそれ、アイテムバック!」

コトリはシマッタと言う顔をして、唇を人差し指で縦に塞ぎ

「ナイショだよ」

「わかったの、やくそくするの」

「やりかたがわかるとおもしろからね」

「やってみる」

サトルはコトリたちの様子を見て大丈夫だと思い、三日月の所に行く。

三日月はすぐにサトルに気が付き

「おつ・・カロンさん白い服をください」

三日月達は、慣れた手付きで洗浄と着替えをさせて、解毒薬を飲ませる。

毒の治療終え着替えて来た30代と10代後半と思われる女性がくる。

「私どもは、ハイエルフ王国、第3王女アリス付き侍女のカーラーとエイミーと申します、この度は助けて頂き有難うます」

「私は、商人のカロン申します、王女様の相手をしているのが私の妹コトリと申します、王女様が大変心配されております、王女様の元へ行きましょう」

「気遣い感謝します」

アリスは、エイミーを見ると、笑顔と涙が光る。

「カーラー、エイミーだじょうぶ、もうくるしくない」

「はい、私もエイミーもこの通り、元気になります、心配をお掛けしました」

コトリが話に入り、

「アリスちゃん、お姉ちゃんがかんびょうしたから、だいじょぶだったでしょう」

カーラーは、怒気を込めて

「コトリ殿、アリス王女様と言いなさい」

コトリの顔が強張る。サトルは怒りを抑える。

アリスが、威厳持って?

「カーラー怖い声を出しては、だめです。コトリちゃんとはお友達です。

コトリちゃん、さっきおなじようにアリスちゃんと呼んでね」

コトリは、カーラーとサトルの顔色伺い。サトルが頷くと

「うん、アリスちゃんとお友達ね」

アリスがサトルの顔見て

「商人さん、カーラー達を助けてくれて、ありがとう」

「コトリの兄のカロン申します、アリス王女様、カロンとお呼びください」

「カーラー、助けたお礼をカロンさんに渡して」

「カロンさん、お代はいくらになります」

「解毒薬が金貨10枚6人分60枚、看護人に1人金貨 1枚で6枚、計66枚となります

仮の服はサービスさせて頂きます」

カーラーは金額に、まあそんなもんかと思う。

「今の手持ちでは、少々足りませんクローバ王国の大使館までご同行願えませんでしょうか?ただとは言いません王都までくれば金貨100枚出します」


サトルは、王女様一行がたった66枚の金貨が無いとはありえない。金額の上積み

までして、王都まで同行を誘う。

カーラーの意図に気がついた、選りすぐりの護衛は体調不良で力を出せない、

魔物が出た時の囮とするつもりなんだろう。

やっぱり面倒な事態になったと思った。


サトルは、先程のコトリの件もあり皮肉を込めて

「そうですか、たった66枚の金貨もすぐに用意ができないと、困りました。

私どもは、オデリア大陸にエルフの薬を仕入れに行く途中です、今更王都に戻るとは。増して毒が何処から飛んでくるかも知れません。金貨66枚の対価になる物はありませんでしょうか?」

カーラー察した。カロンが意図に気づいた、この商人は若いから手の平で転がせると思ったが、皮肉まで込めて返してきた。

2人のやり取り聞いていたアリスの思考が王女に切り替わる。

何とかしなければと思い。ナイフを取り出す

「カロンさん、エルフの薬を仕入れに行くですね。このナイフを差し上げます。

身分はハイエルフ王国王家が保証することになり、ハイエルフ国の薬師ギルドにこれを見せれば、便宜を図ってもらえます。これで、いかがですか?」

サトルは、予想外の幸運に顔がニヤケそうになる。

「アリス王女様、対価として十分です」

カーラーは予想外の展開に慌てる。

「アリス様いけません、王家のナイフを身も知らぬ、商人に渡すなど」

「いいえカーラー、私たちは、身も知れない商人に助けられました。

王女としての決定です」

カーラーは企みが、最悪の結果になり、後悔した。

「カロンさん、どうぞナイフをお取りください」

「アリス王女様、ありがとうございます」


サトルは、ちょと反省して助け舟を出すことにした

『アップル、事情を話して黒雲達を連れて来て、俺は商人のカロンと念を推してね』

『サトルさん、面倒ごとは、黒雲さんに丸投げですか?お主も悪よのう』

『ちがうよクローバー王国の客だから黒雲が対応するだけの事、なんちゃーて』

『サトルさんのそう言った所も良いね、じゃ行ってきます」

サトルは、おもむろに、

「アリス王女様、クローバー王国の配下の者が毒の調査ため、こちらに向かっています、王都まで案内を頼んでみては、いかがでしょう」

アリスは、ニコニコしながら

「それは、良い考えです、では、ここでコトリちゃんとリバーシをしながら待ちましょう。コトリちゃん、つづきをしょうね」

「うん、アリスちゃん」

カーラーはやれたと思った、私が手の平で転がされていた。


サトルは椅子を出し、カーラーとエイミーに座るよう促し、紅茶を出す。

「アリス王女様、これは王都で流行っているケーキーです、ご賞味ください」

サトルは4人の前にケーキーを出す

「アリスちゃん、このケーキ、甘くてすごくおいしの」

アリスは、スプーンですくい一口入れる。カーラーは、心が折れていて毒味をするのを忘れる。

「コトリちゃん、ほんとうにおいしい」

サトルはその様子を見て大丈夫と思い三日月達の元に行く。

このやり取り見ていた三日月は、小声で

「お使い様、あの侍女の鼻ぱっしを折りましたね」

「ああ、コトリちゃんへの物言いと、俺たちを魔物の囮にしようとする意図が見えたからね、でも少々やりすぎたので、黒雲を呼んでおいた」

「まあ、黒雲も災難ですね」

「まあね、罪滅ぼしに、今夜、毒の範囲調査と毒の固定化するよ」

「黒雲は言うでしょうね(調査の方が楽だ)と、あの侍女が相手ではね」

アップルから念話が届く

『サトルさん、連れて来ました。生け贄の黒雲ご一行です』

『アップル、それは言い過ぎだよ』

『えへへ』

アリス達に向き直る

「カーラー様、クローバー王国の配下が来たようです。

失礼が無いよう、私がアリス王女様がいらしゃることを伝えて参リます」

カーラーが少し立ち直り

「カロン、くれぐれも失礼の無いよう伝えてください」

「はい、わかりました」

サトルは黒雲達を見て笑う。黒雲が開口一番

「お使い様、アップルから聞きましたよ、巫女様を怒鳴る高圧的な侍女、お使い様達を魔物の囮にしょうとする腹黒侍女、勘弁してくださいよ」

「悪いな、代わりに毒の範囲調査と毒の固定化するから頼むよ」

黒雲は、悪い顔をして

「それだけじゃ、代わりになりませんよ、三日月達には水周り魔導具のトイレを

あげたんですよね?」

サトルは、アップル野郎、弱みを話やがって思う。

「分かったよ、月光部隊も6人だったな、6台進呈するよ」

赤雲が小さくガッツポーズをする。

「そお言えば、お使い様、王女達の護衛は毒から回復中で満足に動けないとアップルが言っていましたよ。我々は、魔物から逃げるのは得意ですが、人を護衛するスキルがありませんよ、弱ったな」

「アップル情報を与えすぎだ、もう分かったよ、オーガも倒す、徹甲弾を発射できるショートソード4本を渡すよ」

「お使い様、力雲も含め5本お願いします」

「破れかぶれだ、持ってけ泥棒。あぁ魔結晶が無くなって行く」

白雲と星雲がガッツポーズをする。

サトルは、トイレをアイテムバックに入れ黒雲に渡し、ショートソードを各自に渡して行く。

「お使い様ありがとうございます、王女の護衛任務にかかります」

「アップル居るんだろ、ショートソードの徹甲弾の使い方を黒雲達に教えること、それと今夜、毒の調査を付き合えよ」

サトルはショボショボと王女の所に戻って行く。その後を黒雲達が続く。

黒雲達は、王女に片膝をつき

「私は、クローバー王国マハード元帥の配下の黒雲と申します。

我ら4人が王都への案内と護衛をいたします。

ご安心ください、我らオーガも倒す武者です」

「ハイエルフ王国第3王女アリスです、王都まで頼みましたよ」

「我ら、精一杯努めます」

アリスとコトリは、別れを惜しんだ、コトリはリバーシをあげる、お返しに髪飾りをもらったようだ。

アリス一行は王都に向けて、出発する。


サトルは、アリス達を見送りながら、ため息をつく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ