第10話 王都と出発準備
第10話 王都と出発準備
ここは、王都
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月光と黒雲は2時間で王都に戻って来た。
すぐに直属の上司マハード元帥の執務室に行く。
マハードは、執務の手を止め、月光の報告を聞く。
この後、マハードと月光は、国王に報告する。
お使い様が魔物を撃退して王国の危機を去った事に国王は喜ぶ。
国王は、マハード元帥、財務大臣、デミオ守衛隊長、バンリカ魔法大臣に、お使い様の依頼に応えるよう、指示する。
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村人の夕食を忘れていた。急いで、全員で手分けしてオーク肉と野菜を入れたカレーうどんを作り配った。
サトル達は、一息ついてから、カレーうどうを食べている。
ナビから念話が届く。
『オーナー、黒雲さんが、馬で来ました』
『ナビ、北側に扉を付けたから、誘導して』
『了解』
黒雲が入ってくると片膝をつき
「お使い様、ただ今戻りました」
「黒雲、立って、そういう堅苦しいのは無しで頼むよ。
まずは、座って、疲れただろう。誰か冷たい水を入れて」
コトリがトコトコと走って、冷水をコップに入れて来る。
台所近くで座っていた向日葵は、先起こされたと思った。
「はい、黒雲お兄ちゃん」
「巫女様ありがとうございます」
「みこじゃないよ」
「コトリだよ」
「はい、コトリ様」
桜とツツジは、このやり取りを思い出して笑う。
黒雲は、冷水を一息でのみ思わず「美味い」と声を出す。
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黒雲はサトルに報告する。
「依頼の件、国王が自ら指揮してお使い様の意向に従って動いておりますからご安心下さい。
まずは、金貨100枚、魔結晶100個をお受け取り下さい」
「黒雲、金貨も魔結晶も随分多いが?」
「ミスリルの針の1本は、オークションでの最低価格は金貨50枚になり、適正価格です。
魔結晶は、違法奴隷を扱っていた商人から没収した奴隷の首輪から取り出した物です、デミオ守衛隊長から(遠慮なく受け取って欲しい)と言われおります」
「ありがとう」
「次に解毒薬は、300本お願いします、看護にあった修道女が毒のついた衣服に触れ毒に侵されました。毒の被害者を洗浄して毒を洗い流しましたが、毒を恐れて看護ができない状態です」
「毒を防御する魔導具を作り渡そう。黒雲、薬びんをそのテーブルに置いてくれ。コトリちゃん解毒薬を作って」
「うん、コトリ頑張る」
サトリは、何組の魔導具を作るか迷った、個人認証にすれば看護する人が固定化され休息時間も取れない負担が大きい、結界LV 1、暗視機能等、悪用される可能性がある。患者は、100から200人か?。よし非認証で20組作ろう。
三日月は、サトルの表情を見て魔導具の機能で迷っているのが分かった。
「お使い様、ゴーグルは暗視機能など入りません、口を覆う布も洗浄すれば何回も使えます」
「ありがとう、三日月、俺の悩みを察してくれて、世界樹の布はそんな効果があったのか」
三日月は、知らなかったの思い「えぇ」と声が出る。それに(世界樹の布ってなによ)思う。
「黒雲、少し時間が掛かるから、食事をしてくれ、誰かカレーうどんを用意してくれ」
桜が席を立つ、向日葵はまた先起こされたと思った。
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サトルは、黒雲に用意が出来たと声をかける
「黒雲、解毒薬と魔導具を渡す、魔導具は誰でも使える様にした管理を頼む」
黒雲は、解毒薬300本と毒防御用魔導具等20組を大事そうにアイテムバックに収納する。
三日月は「皐月」と声をかける。
「黒雲、皐月を連れて行きなさい。解毒薬、魔導具の使い方も毒の防御の仕方もよく知っている。看護の人の力になります」
三日月は続けて「皐月、黒雲は、分かっていますね」
皐月は、心ていると言う顔をして
「はい三日月様、毒の治療する際、魔導具が盗まれるようにする事です」
黒雲は
「三日月様、魔導具の管理方法を月光様に相談する事です」
「では、行きなさい」
サトル達は、馬に乗った2人を見送る。
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翌日、馬車10台を伴った護衛部隊が到着する。
村人は、サトル達に口々にお礼を言って、王都に向かった。
サトルは、ナビとアップルに指示する。
「俺達と忍者部隊の名前、容姿、スキルについて、忘却魔法を村人、護衛部隊に掛けて来て」
「「了解」」
三日月は心配になり、サトルに
「お使い様、私達にも掛けるですか」
「そうだよ、別れる時にね」
「この2日間の思い出もですか?」
「大丈夫、思い出は忘れないよ、あくまで、俺達の名を語る、成りすます、力欲しさに取り込む等を防止する目的だからね」
「安心しました、我ら陰の者は、数百年前の勇者に仕えておりました、その後、主人をかえ世の為にと働いております。
この、2日間はお使い様達と直接人を助け、感謝の言葉を頂き、お料理、美味しい者を食べたり、これ程の経験と充実した日々はありません」
「三日月にそう言いってもられて良かったよ。命がけの仕事を頼んだ手前」
「ところで、忍者部隊と言うのは私達の事ですか?」
サトルは、まずいのかな?思いながらも、正直に話すことにした。
「勇者の国では、三日月達の仕事をしている者を忍者と言うんだ。
忍は、しのぶという意味で、影に潜み世の為に働く者。勇者の国の文字ではこう書く」
サトルは、ノートとボールペンを出し、書いて見せる。
「私の名前はどう書くですか」
「こうだよ」ノートに書いてみせる。
「あ、そうだ。お守りの後ろにも其々の名前を書いているよ」
三日月達は、お守りの裏を見て、こう書くのかと感心している。
サトルは、お守りの無い、白雲と赤雲は余りにも残念な顔をしていたので、お守りを渡した。
三日月は、ノート字を見て
「お使い様、この紙を頂いても良いですか?月光様にこの話と共に見せたいと思います」
サトルは、考えなしにノートを三日月に渡す、三日月は大事そうにアイテムバックに入れる。
[後に三日月からこの話を聞いた月光は自分達の部隊を忍者部隊と呼ぶ事にした]
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サトルは、土魔法で作った建物を土に戻し、ベットなどをアイテムボックスに入れる。水周り魔導具をアイテムバックに回収している。
黒雲、皐月と他2名がやって来た。
「お使い様、使命を果たし、ただ今戻りました」
「皐月、王都の患者の具合はどうか」
「万事滞りなく、回復に向かっております」
「2人共、ご苦労様」
「お使い様、後ろに控えているのは月光部隊の星雲、力雲でございます、毒の散布範囲調査の助っ人と水周り魔導具の運搬係です」
「星雲でございます」「力雲でございます」
「黒雲、月光に約束した水周り魔導具の回収をしている、そこのテーブルで待っていてくれ。誰か冷たい水を出して」
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後片付けが終わり、忍者部隊を呼ぶ、
「黒雲、月光に約束した水周り魔導具だ、このアイテムバックに入れてある。
これは、誰でも使えるので運搬が終わったら処分すること」
「はい、お使い様、これは代金です。力雲、今のお使い様の指示を違えず実行すること」
「この力雲かなず実行します」
三日月に向かい
「約束のトイレの水周り魔導具と台所を渡す、アイテムバックの取り扱いは、さっき言った通りにすること。この2日間ありがとう」
「お使い様、別れの挨拶に聞こえますが?」
「そうだよ」
「私達は、お使い様のかん・・、いや警護の任務を付いていますから、ついていきますよ。今度は、隠れずに堂々と」
サトルは苦笑いしながら「三日月は、お前、監視と言い掛けただろ」
三日月は、舌を出し「えへへ」と笑う。
「まぁいい、この大陸の間だけな、アイテムバックはお守り中に収納しておけ」
「黒雲、星雲、毒防御の魔導具を渡す、気をつけて作業してくれ」
「「ありがとうございます」」
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黒雲達が街道から離れ、毒の鱗粉の散布範囲の調査を始める。
サトルは、ナビに乗り、コトリと三日月達はアップルにのる。
コトリの「しゅっぱつ、しんこう」を合図に港町トミラに向かう。




