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第9話 三日月達と月光達

第9話 三日月達と月光達


みんなが見守る中、水の入ったコップに直系1mmの白い鱗粉入れる、すぐに溶け出して消える。

「ナビ鑑定を頼む」

「了解、鑑定結果は・・・不明です。多分この世界にない解毒薬のせいで」

三日月が願いでた

「まず、桜で試してみます思います」

「三日月、毒見役を仲間にすようで、すまない」

「いいえ、お使い様が苦労して手に入れた薬でかならず効きます」

うなされ苦悶の表情の桜に、三日月が桜に解毒薬を飲ませる。

桜は、徐々に穏やかな表情になり、顔に赤みがさし、呼吸が落ち着く。

「お使い様、この解毒薬はこの通り効きます」

三日月の目から涙が光る。

後3人に解毒薬を飲ませる。


サトルは、アイテムボックスから作り置きの紅茶を人数分取りだす。

「もう一つの大仕事の前に冷たい紅茶を飲もう、それぐらい時間あるだろう。

砂糖は、好きなだけ入れて、甘いものは疲労回復の効果あるから」

コトリは、砂糖を4つ取り紅茶に入れると

「お兄ちゃん甘くて美味しの」と笑顔を向ける。

砂糖ステックを見てキョトンしていた三日月達はコトリに倣い紅茶に砂糖を入れ飲む。

「「冷たくて美味しい」」声を揃えて言う。

サトルがみんなを見渡しながら

「そのまま飲みながら聞いて。

自分が看護に必要物を準備する、三日月達は、先程の要領で村人を助ける、

アップルはさっきと同じ村人を運搬、ナビは全体警護」

「お兄ちゃん、コトリは?」

「コトリちゃん、ここで解毒薬の作成をお願い」

「うん、わかった」

「三日月、お守りを貸して」

三日月は、首を傾げなから

「はい?」とお守りを渡す。

サトルは、お守りにアイテムバックLV1時間停止を付与する。

これを人数分コピーする。

「三日月、このお守りにアイテムバックLV1時間停止を付与した。

 皐月、楓、向日葵も、このお守りを身に着けて」

机の上に、マスク替わりの布数枚、解毒薬を置く

「各自、布と解毒薬1本を(収納)と言って各自のお守りに入れて、出す時は(取り出し)と言うか念じてね」

「「はい」」

「さあ、皆な村人を助けるぞ」

「「はい、頑張ります」」

サトルは、土魔法で建物作り、爪のショートソードで木を切り、コピー機能を使用してベットを作り、Tシャツを改造した着替え作る。一度コトリの様子を見に行く。

コトリは薬を作り終え、飴を舐めている。

桜とツツジが起きてくる。コトリに気がついて片膝をつく。

「巫女様」と声をかける。

「みこさまでなくて、コトリだよ、おなかすいていない?」

桜は、困惑しながら素直に答える。

「コトリ様、はい空いております」

コトリはアイテムバックから野菜スープが入った鍋、ふわふわパン、食器を出すと器にスープを入れる。

「はい、(いただきます)といってたべてね」

桜とツツジは、言われた通り(いただきます)と言って食べる。

「「このスープピリと辛く美味しい、このパンすごくやわらい」」

コトリは自慢げに

「お兄ちゃんのスープは美味しいでしょ、コトリも大好きなの」

「パンはコトリのおかあさん作っただよ」

サトルが転移してきた、桜とツツジは、食事をやめ片膝をつこうとする。

「そのまま、そのまま、食事を続けて、もう体調は、大丈夫?」

「スープとパンで元気が出ました」

「そうか、元気になって良かった」

「三日月達は、どこにいますか?」

「三日月達は、毒に侵された村人を助けているよ」

「では、私たも手伝いに行きます」

「桜達は、食事を取りあえず100人分作ってくれる」

「えー食事ですか、こんな美味しいものは作れません、まして100人分など」

「大丈夫、湯を沸かして、材料を切れれば問題なし、ゆっくり食事を続けて」

2人は、美味しい食事に不安を忘れる。

「コトリちゃん、念のためもう100人分の解毒薬をつくて、材料はアイテムバックに入れるね」

「うん、わかった」

「自分は、炊事場を作ってくるから」


サトルは、木を切り倒し場所にミツバたちが使っていた炊事場を土魔法で作る。

炊事場を土魔法の塀で囲む。炊事場脇には風魔法で乾燥させた薪を積む。

用意が済むと転移魔法で戻る。


サトルを見ると、食事が終わった桜とツツジ片膝をつく。

「立って、そういうのは無しでお願い、着替えてね」

サトルは、ドレーヌ商会でもらった服を見た目で2人のサイズに合わせコピーする

靴とかもコピーする。

「シャツとパンツ、靴に靴下、Tシャツに下着のパンツね。みんな男もだけど我慢してね、はいどうぞ」

桜たちは、次々とでくる衣類を見て目を大きくする。

「じゃ着替えて来て」

「「はい」」

桜達が着替えて出てくる。

サトルは、結界LV3、アイテムバック付きお守りと三日月達に渡した毒防御の魔導具などを渡し使い方を説明する。

サトルは、桜達を連れて炊事場に転移する。

「まずは20人分作ろう、水回り魔導具で2つの鍋にここまで水を入れ沸かして」

桜達は着火の魔法で薪に火をつけ湯を沸かす。サトルは野菜を取り出す。

「次に野菜を食べやすように切って、湯に入れてね」

「「はい」」

サトルは、塩ラーメンを20ヶ取り出す」

「湯が沸いたら、この麺を10ヶづつ入れてゆっくり180数えるまで茹でてね」

「お使い様、数え終わりました」

「これを袋から開けて鍋に入れて。10ヶづつ入れて」

桜達は訳もわからず言われるままに作る。

「この器に少し入れて味見してみて」

桜達は、こんな簡単で本当に美味しいのかと疑問に思いながら食べてみる。

「美味しい、料理が上手くなった気がする」

「問題ないようだね、じゃあ最初に助けた人に食事を届けに行こうか」

サトルは、桜達に鍋、器、先割れスプーンとコップをアイテムバックに入れるように言う。

桜達と転移する。


最初に助けた女性と子供、計20人がこの建物にいる。転移すると少し驚いたようだが口々にお礼を言う。

サトルが

「野菜スープに小麦粉の麺を入れた物を作りました、これを食べて元気を出してください」

行儀良く並んだ村人に桜達がスープと水を渡して行く。

食べ終えて少し元気なった恰幅のいい女性から

「私達は、これからどうすれば良いでしょうか」

サトルが答える

「今考えいるのは、今日はここで1泊して明日王都に行ってもらおうと思います。

その後は、国に身の振り方を考えてもらおうと思います」

「でも、服もお金もみんな毒に侵されて何ありませんどうしたら良いのか」

「このミスリルの槍を換金すれば、当面の生活費も身の回り物も揃えられます」

「そんな高価な物を私達に頂けるですか」

「元々銀龍から発射された物ですから遠慮はいらないですよ」

「こんなに良くして頂き、ありがとうございます、ありがとうございます」

サトル達は、この後も毒に侵された人を助け、食事を与えてからコトリの元に戻る。

「お兄ちゃん、ナビちゃん、プルちゃん、三日月お姉ちゃん達もおかえりなの」

「ただいま、コトリちゃん。一通り終わったから休憩しにきたよ」

「コトリ、ケーキが食べたいの」

「じゃ、皆でケーキを食べるか」

サトルは、ケーキをテーブルに並べる、桜とツツジが人数分の紅茶を用意する。

コトリは、紅茶とケーキを取る。

「いただきます」と食べ始めた。

遠慮していた三日月達はコトリみて食べ始める。

三日月達が雑談を始める。

「このケーキ、最近できた店の物よね」

「私のお給金では、なかなか手が出なくて」

「お金があっても、すぐに売れ切れで、私達庶民には手に入らないと言う噂よ」

「すごい美味しい、王都に戻ったらまた食べたい」

休憩が終わりサトルは三日月に相談する。

「三日月にお願いあるんだ」

「はい、何なりと」

「じゃ、甘えて、王都に戻って村人で体の弱い人用に馬車の手配、

 このミスリルの槍の換金、王国の偉い人に村人の身の振り方の保証を取り付けて欲しいだけど」

「はい、わかりました。でも私が戻らなくても、月光の配下の者がもう来ていると思うので、この3点の話を王宮に持ち帰ってもらいましょう、今から合図を送ります」

三日月はそう言うと外に出て行く。合図の音がなる。

三日月は、月光と共に入ってくる。

月光は、片膝をつき

「お使い様、月光でございます、あの時は、ご配慮頂きありがとうございました。お使い様の伝言と任務を滞りなくやり遂げました。

さらに桜とツツジの命まで救って頂き、重ねて礼を申し上げます」

「月光、立ち上がって、堅苦しいのは苦手なんで、あと外にいる3名も中に入ってもらって。後先になったが、伝言と護衛任務ご苦労様」

月光は、口笛を吹くと3名が中に入ってくる。

「右から白雲、黒雲、赤雲でございます」

サトルは、アイテムボックスから椅子取りだし座るように言う。

「桜、ツツジ、月光達に紅茶を入れて、部下を使ってすまない」

「いえ、どうぞお使いください、しかし、桜達が紅茶の淹れ方を知っているとは少々驚きました」

「ところで、三日月から自分のお願い事を聞いた?」

「はい、聞いております、馬車の手配は問題なく。ミスリルの槍をお見せいただいても」

サトルは、槍を取り出し月光に渡す

「見事な槍です、金属価値だけでも金貨300枚はするでしょう、オークションにかければ、確実に1000枚は超えるでしょう」

サトルは困った顔する

「被害を受けた村人は、全てを失っている、すぐにも金が必要になる。

何か良い方法はないか?」

「王都でも分かっているだけでも100人は毒に侵されています。解毒薬を売るのは、どうですか?」

「良い案だ、如何程なるかな?」

「最低でも計金貨100枚になると思います」

「庶民には銀貨1枚,貴族には最低金貨10枚で売ることはできるかな?」

「多分大丈夫かと、ただ合計金額は今はなんとも。

王国の予備として後100本作り、王国に金貨100枚で売るのはどうですか?」

「良いね、それで頼む。

ミスリルの槍が売れるまで、当座の生活費はなんとかなるね」

「はい、これは我ら一族のお願いですが、各建物にある水周りの魔導具を売って頂きたいと思います」

「中古品で問題なければ、いくらで売れば良いかな」

「そうですね、王都で正式に決まっていませんがトイレだけで金貨10枚前後になりそうですから一組金貨5枚ではどうですか」

「じゃ、その金額で」

月光あまりに安く言いすぎたと思い、慌てて敬語を忘れる。

「お使い様、台所も洗面所もついてですよ」

「うん、分かっているよ。一様中古だし先程のお願いもあるしね」

楓が月光にお願いする。

「月光様、私達の寮にトイレを置いてください」

「楓すまぬのう、こちらに1組か2組残し、後は、里の爺さん、婆さんと子育てで苦労している所に渡そう思ってな」

楓がしゅんとする、サトルは見かねて

「三日月達は、命懸けで村人を救ってくれたので1人1台トイレをあげるよ」

「本当ですか?」

「それと、炊事場の台所もどうぞ」

月光と三日月が過分な申し出に

「なんと言ったら良いか」

コトリが笑顔で

「こういうときはね、ありがとうというんだよ」

「「ありがとうござます」」

月光は出された紅茶を飲み一息つく。


サトルは、思い出して

「解毒薬を渡すに必要な薬びん200本がないんだ、このミスリルの針を対価に買って来て欲しいだが」

月光は、ミスリルの針を手に取り

「金属価値だけでも金貨20〜30枚になります、薬びん100本は金貨一枚もしません」

「自分達用に余ったお金で魔結晶を買えるだけ買って来て、もう1本ミスリルの針を渡すから薬びん100本と残りを金貨に変えてね。魔結晶の品質は奴隷の首輪についている物と同等の品質でお願い」


月光は思った事を口に出す。

「お使い様、縁もゆかりもない村人を助けた上、当面の生活まで気を配る、どうしてですか?」

「目の前で助けを求める人がいたとして、助ける力があるから助ける。

助けた人がその後で困るような助け方は、助けた事に成らない。

これが月光の答えになるかな」

「はい、ありがとうございます」


月光は、サトルの答えに(甘い、甘過ぎる。この考えでエルフ族を助け、ネグロの部隊を全滅させた上、エルフ族を世界樹の結界内に避難させたのか、さらに水周り魔導具をエルフ族の味方に与え、エルフ族が金銭的に困らないよう手を尽くす。

勇者でもこんな力の使い方しない。

三日月から聞いた話では今回もお使い様は、自分の命を掛けて助けている。

お人好し過ぎて心配だ。

でも、だから我らは名を頂いた。

だからこそ、三日月達は素直にお使い様に何の疑問も持たず従っているのか)

短い沈黙の後、月光は尋ねる

「お使い様、この後の予定は、如何がするのですか?」

サトルは、指を折りながら

「1つ目は、村人の体調を確認しながら先に助けた子供の親を探す。

2つ目は、完璧には出来ないだろうが毒が飛び散ら無いように処理をする。

3つ目は、月光に渡す解毒薬を作る。

4つ目は、明日の朝食を作り置く。

三日月他に何かあるかな?」

「村人に今、困っている事がないか、確認すことでしょうか」

「ありがとう、それは大切だな」

「コトリちゃんは何かある」

コトリは、大人の真似して腕くみ

「ちいさいこに飴をあげるの、あとはあそぶの」

「何して遊ぶの」

「リバーシするの、かみヒコウキかな」(四つ葉マーク付き)

「子供は不安だったり退屈しているだろうから。3っともやってみよう」


サトルは、月光を見て

「月光は、この後どうす?」

「マハード元帥から命令は、2体の大型魔物の情報収集と被害状況の調査です。

魔物については、三日月から聞きましたので、この辺りの毒の汚染状況の調査です。

お使い様からのご依頼の件を王都に戻り片付けることです」


「月光、三日月、人をどの様に割り振る」

まず月光が答える

「我と黒雲が王都に戻ります。

黒雲は薬びん集めここに戻り、解毒薬を受け取り王都に再度戻ります。

白雲と赤雲は毒の汚染状況と範囲の調査を行います」


続けて三日月が答える

「汚染状況の調査は、人が足りないので私と皐月も行います。

村人への対応と子供の親探しは、楓と向日葵とします。

桜とツツジは体調が万全でないので、朝食作りまで休憩とします」

サトルが

「コトリちゃんは、楓お姉ちゃん達と行動して飴、リバーシ、紙飛行機を配て。

アップルは、姿を隠してコトリちゃんの護衛。

ナビは、警戒と脅威の排除をする。

自分は、風などで広がらない様、毒の固定を三日月達と連携する。

あとは、朝食作りを桜達とする。

薬作りは、コトリちゃんと自分でする。

以上かな、月光、三日月抜けないかな?」

「はい、抜けはないです」

「では、必要な魔導具等を渡す、月光、お守りを出して」

「はい、お使い様」

サトルは、お守りにアイテムバックLV1時間停止を付与し月光に渡す。

「月光、お守りにアイテムバック機能を追加した、ミスリルの槍と針を収納して」

「はい、収納、ありがとうございます」

「次に黒雲、月光と同じ機能がついたお守りを渡す、これで解毒薬を安全に運搬できる」

「はい、ありがとうございます、お使い様、お願いがあるのですが」

月光が黒雲を制しようとする

「月光、構わない、言って見て」

「名を頂きたくお願いします」

「改名したいの」

「はい、黒雲は不吉の前兆という者が居りまして、私も不吉に繋がる名前はどうかと思いまして」

サトルは、思いだす

「勇者の国では、黒雲は花菖蒲の1種類で濃い紫色をした美しい花の名前だよ。

そして、高位のお坊さんは紫色の着物を着るよ。

黒雲、言葉には裏と表がある、不吉と美しい花の名前とどちらを取る。

不吉を取るなら、名を与えるよ」

「父が名付けてくれた美しい花の名前、黒雲を取ります、お使い様ありがとうございます、胸の支えが取れました」

「そうか、黒雲の父上は名の本当の意味を知っていたよだね」

黒雲から涙が溢れる。

サトルは残り2人を見て

「白雲と赤雲には、毒を防御する魔導具を渡す、使い方は三日月達に聞いて」

「「はい、ありがとうございます」」

サトル達は、今、自分のやるべき事をやり始める。


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