表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヨミガラスとフカクジラ  作者: ジャバウォック
84/294

083

「居た、探したぞ」






「ユ、ユーリ?珍しいな、どうしたんだ?今は鍛練中だが。何か伝言か?」


「違う。数日後のコールリッジ邸を襲撃する任務を、俺と代わってくれ」


「は?」


「コールリッジ邸を、襲撃する、任務を、代わってくれ」


「違う違う、訛りで分からないんじゃない。どうしてあんな任務をやりたがる?第一急に代わるなんて、通る訳無いだろう」


「メニシコフ教官に直談判して、話は詰めてきた」


「正気かよお前」


「頼む。あのコールリッジ邸を襲撃する任務を、代わってくれ」


「メニシコフ教官にまで話が通ってるなら、俺が断る理由は無いさ。勿論、俺も別に構わないが………良いのか?誰に聞いても、むしろ人に押し付けたい様な任務だぞ。その、前回が前回だからな」


「言いたい事は分かってる。俺以外は全員死んだ任務だ」


「…………悪い。でもそれなら何故また出向こうとする?次こそ殺されかねないぞ」


「仇を討つ。今回はダヴィッド・バロウズも来るからな、あの鉄の巨人も前回の様には行かない」


「訛ってるぞ。大体、あの黒魔術使いの化け物もどこまで役に立つか分からないんだぞ?同じチームで動くには動くが、カラスにお前の目玉が抉られないとも限らないだろうに」


「あいつは信用出来る。実際に会って話したが、少なくとも噂の様な人物じゃない」


「あー分かった、分かったよ。言っておくが、本当に代わるからな。後から気が変わった、なんてのは無しだからな」


「恩に着る」


「必要ねぇよ。こう言っちゃ悪いが、お前が次も生き残れる保証はどこにも無いからな。幸運と武運を」


「あぁ、幸運と武運を。他のメンバーにも俺から話を通しておく」


「全くお前も変わった奴だな、どうせならこの後一杯奢ってやろうか?死ぬ前に飲もうと思って用意していた、とっておきのウィスキーがあるんだ。シングルモルトの上物だぞ」






「悪いが、酒と煙草は健康の為に遠慮してるんだ。すまない」


「こうは言いたくないが、本当にそういう所だぞお前」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ