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「ゴシュジン、ゴシュジン」
「どうかしました?」
「デイヴィッドガ、コウソクサレチャッタ」
「………拘束?ブロウズが?」
「ウン。ミンナ、オオサワギ。ライフルモッテ、クロスボウモッテ、ヨッテタカッテ、ツカマエタ」
「無事に帰ってきた辺り、ナッキービル地区の任務は成功したのでしょうが……不可解ですね、幾ら嫌われているとは言えよっぽどの事が無い限り、ブロウズを拘束する理由など無い筈ですが………」
「“アクマノツカイ”ッテ、ミンナイッテタ。デイヴィッドハ、テイコクガウミダシタ、アクマダッテ」
「………グリム、新聞を持ってきてください」
「イツノ?」
「数日前の、私が呆れて読まなかった、あの蒼い光とカラスがどうの、と書いてあるやつです」
「ハーイ」
「どうも。…………まさかとは思いますが、この三流記事に書いてある事が何の誇張やプロバガンダも無く、事実なのだとすれば…」
「ゴシュジン?」
「……有り得ますね、理由としては十分です。安物の小説の様な話ですが、彼らは決して絵空事では動きません。逆を言えば彼らが動くと言う事は……」
「デイヴィッド、ドウナッチャウノカナ?」
「…………………」
「イッパイ、オコラレチャウノカナ?」
「……蒼白い光、黒い霧、カラスを生み出し……」
「ヤッパリ、コロサレチャッタリスルノカナ」
「グリム、民間伝承の本を持ってきてください」
「デンショウ?アノ“ザツガク”ッテヤツ?」
「そうです。神霊ウルグスとグロングスに纏わる伝承を、全て」




