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「おや、どうしました?」
「ウォリナー、“個人資産”とやらの引き出しを行いたいんだが頼めるか?」
「えぇ、手配しましょう。貴方に用意された資産ですからね、貴方の要望には概ね無条件で応じる様に言われています。それで?幾ら必要なんです?」
「あーちょっと待て…………これに書いてある額を頼む」
「はい、直ぐにでも……こんなに?相当な額ですが、何に使うのです?」
「…………あー、まぁ……」
「……一応、要目が信用されなければ審査が入る事もありますよ。念の為、ですが」
「…………分かったよ、開発に必要なんだ」
「開発?」
「そう、開発費用として必要なんだ」
「…待ってください、まさかとは思いますがブロウズ、開発費用にこれ程の額が必要という事は……」
「あぁ、そういう事だ。……ゼレーニナの開発だ」
「ブロウズ、悪い事は言いません。クルーガーに頼むべきです。あの小娘にだけは金を与えてはいけません。絶対に、クルーガーに頼むべきです」
「だが、あいつにしか開発出来ない武器が必要なんだ」
「あの小娘の開発は金がかかるものだらけです、それに付き合っていては破産しかねませんよ」
「逆に言えば、金があればあいつの武器は信頼出来る。俺一人分だけで良いんだ、何も全レイヴンの武器を作らせる訳じゃない。ウォリナー、分かってくれ」
「…………分かりました、貴方がそこまで言うのなら。ですが、多少は調査も入りますのでその辺りは割り切ってください。支払いはいつです?」
「出来るなら、明日にでも頼む」




