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ヨミガラスとフカクジラ  作者: ジャバウォック
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「ゴシュジン、ホントニヤルノ?スゴクサムイヨ?」




「物資搬入レールだけでも、除雪しないとなりません。まだディロジウムや物資はありますが、除雪作業員がここまで来ないとなると更に作業員及び作業が遅延する可能性も想定しなければ」


「モウチョットマテバ、クルンジャナイカナ?イマモジュンビシテルンダヨ、キット」

 

「勿論それが理想的ですが、理想論だけで行動する訳にも行かないでしょう。作業員が来なかった場合を想定すると、今の内に行動し始めなければ手遅れになる可能性もあります」


「ゴシュジン、ヒトリデヤルノ?ユキイッパイダヨ。イマモフッテルシ、ジョセツサギョー、ムダニナッチャウヨ」


「今動かせる作業人員は、私だけです。情報はありませんが、最悪を想定するなら技術開発班もこの例年を大きく上回る積雪で作業員が不足し、此方に除雪作業員を送る余裕が無い、または雪害等の影響から自分達だけで精一杯の可能性も考慮しなければならないでしょう」


「タシカニ。ムコウモ、スゴイユキダッタモンネ」


「………技術開発班の除雪人員が限られたなら、私の元に送る除雪作業員及び除雪作業は優先度が低いでしょうから、まず間違いなく私の除雪作業は後回し、作業自体を取り止める可能性も充分に有り得ます」


「ジョセツサギョー、コナカッタラゴシュジン、ナンニモナクナッチャウヨ!!」


「分かっています。それに私1人じゃ出来る作業にも限りがありますし、体力も然程ある訳じゃありませんから。きっと、かなり長期の作業になるでしょう。だから、今から行動し始めなければ」


「………ディロジウムノ、ダンボーデトカセナイノ?アノ、“ユキガトケルクスリ”ハ?」


「除雪剤は設備を腐食する可能性がある上に、限りがありますから余り使えません。どのみちこの規模の積雪に、あの量では多少使った所で劇的な効果は望めないでしょうし」


「ダンボーデアッタメテ、トカシテイクノハ?」


「暖房?」


「ホラ、エート、ミチヲ、アッタメテトカスヤツ。レールトカ、マワリトカニ、ツケテタヨネ?」


「…………敷設型のディロジウム式融雪装置は確かにありますが、高燃費故に稼働出来るのは短時間のみです。それに、ディロジウム燃料の節制も心掛ける必要があるでしょうね。雪を溶かした後に私達が凍えては本末転倒です」


「ツカエナイ、ッテコト?」


「ええ。仮に使えても断続的な使用になるでしょうし、短時間でしょうから………逆に凍結してしまう恐れもありますね」


「ジャアチョット、トケテルウチニ、ユキハラッチャウシカナイネ」


「それが出来るなら苦労しませんよ、グリム。結局の所、やはり私1人でやるしかありません。幸い、資材置き場に資材や物資自体はもう納入されているので、搬入レールを除雪して、物資の積雪を払って積んである物資さえ搬入すれば、まだ何とかなります」


「ソレデ、ダイジョウブナノ?」


「多少節制は必要でしょうが、少なくとも飢えたり凍えたりはしないでしょう。備蓄量と搬入量から考えても、今回の物資さえ搬入出来れば大丈夫です」


「……………ゴシュジン」


「何です?」


「ホントニサムイカラ、キヲツケテネ」


「何を言っているんですか?貴方も手伝うんですよ」


「エ?ボク、ユキカキデキナイヨ。ムリダッテ」





「物運びを手伝うんですよ。良いから、シャベルとバケツを持ってきなさい。その後は、情報収集に向かいなさい」

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