表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヨミガラスとフカクジラ  作者: ジャバウォック
196/294

191

「……マリー?何、どうかした?」




「ラシェル、大丈夫?」


「大丈夫って何がよ?まだ夜中じゃないの」


「貴女、凄い(うな)されてたわよ」


「…………ごめん、ちょっと嫌な夢見ちゃって」


「昔の夢?」


「大した夢じゃないわよ。でも久しく見てなかったから、ちょっとね」


「何か持ってくる?」


「別に良いわ、此方来て。ほら」


「大丈夫なのね?」


「もう大丈夫よ。昨日、その……ラクサギア地区の話をしたから、久々に思い出しちゃって」


「ラシェル………」


「あぁマリー気にしなくて良いのよ。あいつらは死んだ、もう昔の事なんだから」


「……そうよね、うん、済んだ事だものね」


「あぁもう、何で貴女が泣くの。ほら此方向いて」


「ごめんねラシェル、でも私どうしても貴女が………」


「ほらおいで。貴女が泣く様な事じゃないでしょ、私の話なんだから。マリーにはどうしようも無かったし、もう奴等も皆死んでる。済んだ事なんだから」


「ラシェル、灯り付けても良い?」


「良いわよ」


「……何でラクサギア地区の話なんて話す事になったの?誰かに聞かれたの?」


「少しね。別に真面目な話だし、怒る様な事じゃないわ。向こうも私個人の過去を掘り返す様な事はしなかったし」


「別に、わざわざ掘り返された訳じゃないのね?なら良いけど………」


「……ちょっと眠れそうに無いわね」


「何か食べましょうよ、私軽食でも作るわ」


「そうねぇ、せっかくだしマリーの手料理食べようかしらね」


「煙草とウィスキーも持ってくる?」


「ふふ、マリーがそんな風に言ってくれるのは嬉しいけど、ウィスキーは止めておくわ。午前中から用事があるからね」


「あら。1日飲んだくれるのも良いと思ったんだけど、何かあるの?」


「ちょっとね。面倒だけど、外せない用事だから。下手したら、夕方までまる1日使う事になるかも」


「そんなにかかるの?どうせ雪だらけだから、明日は1日ラシェルと一緒に居るつもりだったのに」


「ふふ、早く済んだらすぐ戻るわ。また部屋でゆっくりしましょ。用事が済んだらウィスキーも飲みましょ」


「約束よ?」


「えぇ、約束ね」


「………ねぇ、今更だけど本当に凄い雪よ。止めないけど、風邪引かないでね?あのお洒落な上着と手袋、ちゃんと着込むのよ」


「ええ。分かってるわよ、ありがとう」





「それと今日はまだ良いけど、いずれ雪かきするのも忘れないでね?」


「いずれやるわよ。いずれ、ね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ