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1839年
レガリス中央新聞
固雪の月24日
“修道会とギャングの抗争激化、死者多数”
先日、ラクサギア地区において聖レンゼル修道会とストリートギャング“トルセドール”による抗争が激化し、道に遺体が幾つも並べられる事態となった。
誇り高きテネジア教徒として、宗教団体の側面を併せ持つ帝国軍が保有する修道院及び修道会の中でも指折りの信仰と強靭さで有名な分家、聖レンゼル修道会。
その深い信仰と厳しい戒律によって、かつてはレガリスでも有数の宗教地区、その一つとして名を馳せていたラクサギア地区だったが、穢れた抵抗軍の影響や民衆の恥ずべき堕落もあってか、去年の秋頃からラクサギア地区の治安は悪化の一途を辿っている。
ラクサギア地区にて語り継がれる、高潔かつ荘厳な女子修道院。
聖レンゼル修道会所属のメネルフル修道院、女修道院長ユーフェミア・シャーウッド氏及びその代行者は今回の件について表だったコメントはしていない。
先週、最近の情勢及び帝国軍の情報漏洩を鑑み、帝国軍が保有する修道院及び修道会の大半に特別監査が入った。
その結果、数々の著名な修道会や修道院から、無視できない数の汚職及び不正が摘発される事態となっている。
帝国内の一部からは「汚職や不正が帝国及び修道会の節々を腐敗させていたからこそ、此度の抵抗軍の助長に繋がったのでは無いか」とも声が上がった。
それに対して憲兵隊長、アロイス・フラウンホーファーは「今回の大規模摘発により浄化戦争後に少しずつ広がっていた腐敗を取り払い、レガリスのテネジア教全体の自浄作用を浄化戦争以前の、引き締まった状態へと回復させられた様に思う」との事。
今回の特別監査においても、メネルフル修道院及び聖レンゼル修道会は、突発的な監査であったにも関わらず一切の不正や汚職は確認されず、日頃謳われている鋼の如き信心と厳しい戒律が決して記者の前だけで無い事が伺える。
帝国本部からはメネルフル修道院の修道院長の表彰及び、本年度の聖レンゼル修道会への支援額の増額を検討している事が正式に発表された。




