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1838年
レガリス中央新聞
陽射しの月12日
“レガリスを震撼させる、史上最悪な身の毛もよだつ惨劇!!”
レガリス工業区画にて、犯罪史上稀に見る恐ろしく残酷な殺人鬼が現れた。忌まわしいその殺人鬼の名は、デイヴィッド・ブロウズ。
この男は、明朝に不運にもブロウズ宅の前に通りがかった衛兵二人に、玄関から刃物を手に忍び寄り唐突に襲い掛かった。
背後から不意を突かれた衛兵二人を、ブロウズは十数ヵ所を突き刺し殺害。
不運な二人の衛兵の遺体は、ブロウズ宅の台所から切り分けられて鍋に入れられている状態で発見された。遺族達の悲痛な慟哭は今も尚、記者と憲兵の耳から離れないとの事。
デイヴィッド・ブロウズは元々、帝国軍で勤務していたが過度の職権乱用や職務怠慢、ひいては浄化戦争での情報工作による戦果横領を理由に、不名誉除隊。
不名誉除隊後は屠殺場に勤務するも、屠殺場勤務の同僚達はブロウズが屠殺中に時折、「人で同じ事をしてみたい」とブロウズが呟くのを聞いていたと記者に語った。
ブロウズ宅からは更に数十人の身元不明の遺体が物置から見付かり、その殆どが切り分けられている事から、日常的にブロウズは殺人及び遺体分割を行っていたと思われる。
遺体の中には見目麗しい乙女や、年端も行かぬ子供も居たとの事。
その上、帝国軍の徹底した調査の結果、恐ろしい事が判明した。
ブロウズは帝国軍に配属していた頃、帝国軍内部の重要機密を多額の報酬と引き換えに、ペラセロトツカやリドゴニア等のバラクシア内の他国、抵抗軍等の様々な組織に情報を漏洩させていた事が発覚。中にはその漏洩させた情報により、浄化戦争中に数多の部隊が窮地に追いやられ、惨い死を迎えた兵士も少なくなかった。
ブロウズの漏洩させた情報により、幾人もの誇り高き同志、罪無き市民が命を落とした事に帝国軍は事態を深刻視し、異常な残虐性と精神異常を併せ持つ国家反逆者として、デイヴィッド・ブロウズをレガリス内において指名手配する事を発表した。
レガリスを脅かすこの国家反逆者に裁きを下すには、市民の協力が不可欠だ!デイヴィッド・ブロウズに関する情報をお持ちなら、今すぐ帝国軍に連絡を!