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「冗談でしょ、ラシェルまで“ヤられた”って訳?」
「最悪よ。とうとうラシェルまで手懐けられた、いよいよこの団も邪神教団になって行くかもね」
「クソッタレ、何でよりにもよってあのラシェルが懐いちゃう訳?あいつがよりによって、あんな訳アリの男に懐くなんて信じられない」
「一時期なんて、言い寄ってきた男の鼻と歯と腕をへし折るぐらい、男嫌いで有名だったのにね。やっぱり周りが噂してる様にブロウズ………あの帝国育ちのクソ野郎が、“黒魔術”で周りを洗脳してるんじゃないの?」
「有り得るわね。あのクソ野郎………この団で孤立してるからって、洗脳してでも自分の味方を増やそうって魂胆だわ。本格的にどうにかしないと」
「噂じゃ、これからも自分が処刑されない為にどんどん洗脳して、味方を増やしてるらしいわよ。洗脳された仲間が、別の仲間を説得して洗脳して、またその仲間が周りを説得する…………まるで疫病ね」
「でも、あのラシェルに洗脳なんて効く?それに今の所、洗脳された証拠とかも無いんでしょ?男に騙される様な女に見えないけど」
「洗脳でもされなきゃ、あのラシェルが懐く訳無いでしょうが!!あの“血塗れのカワセミ”よ?ヤギの毛皮を縫い付けたみたいに臭いバカな男が、ラシェルを情婦扱いしようとしたら歯を殆どへし折られて顔も潰されて、二度と女に話し掛けられない顔になった事だってあるのよ?」
「分かった、分かったわよ」
「かつ“見境無し”として色んな可愛い女の子を口説き落としては、その彼氏や彼女と揉めてたあのラシェルがよりにもよって、あんな不気味な男に靡くなんて、洗脳でもされてなきゃ有り得ないわよ!!!」
「分かったわよ、私だってラシェルと知り合いだし、マリーとも知り合いなの。分かってるってば。まぁ、そうよね。洗脳でもしなきゃ有り得ないわよね」
「全くよ。何処まで洗脳が広がってるのか、また洗脳がどれだけ進んでるのか確かめておいた方が良いかも知れないわね………」
「私も周りに聞いてみるわ。シャルリーヌは大丈夫だろうけど、他の子も確かめてみる。万が一ブロウズにケツを差し出そうとしてたら、説得するわ」
「お願い。あんな大罪人の味方をする様になったら、それこそ黒羽の団は腐っていくわ。惚れた女が逃げたからって、日替わりでブロウズの情婦にされるなんてまっぴら御免よ」
「気を付けてね。そう言ってる私達だって、洗脳されないとは限らないわ」
「んな訳無いでしょ、と言いたい所だけどあのラシェルが洗脳されたぐらいだからね………気を付けるわ。万が一、私があのクソ野郎のナニを握ろうとしてたらブン殴って頂戴」
「任せて。一発で正気に戻してやるわよ」
「頼んだわよ。気が付いたらあいつの前で下着姿でケツ振ってた、なんて事になったら最悪だもの」
「………………ねぇ、一つだけ聞いて良い?」
「何よ?」
「あんた、もしかしてだけどラシェルと付き合ってた事ある?」
「…………告白して、フラれたわよ。それ以上は聞かないで」
「あー、了解。マリーの説得は、私がやるわ」




