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「おい、ロニーの奴どうしちまったんだ?」
「知るかよ。忠告はしたんだがな、もうすっかりブロウズの味方になっちまった」
「幾ら何でもまずいだろ、あいつはもうレイヴンなんだ、メニシコフ教官の耳に入りでもしたら………」
「手遅れだろうよ、きっともう知ってる。あのバカ、せっかく名誉あるレイヴンになったのに初任務の前にメニシコフ教官から睨まれるなんざ、見てる此方が倒れそうだぜ」
「全くだ。ロニーめ、“スーパーチーズケーキ”まで作ってやったのに」
「“もっとブロウズを応援するべきだ”なんて、カラマック島中であれだけ触れ回ってりゃ老いたヤギでも気付くに決まってる。間違いなく、面倒な事になるぞ」
「確かブロウズと一緒に森に入ってから、どんどんおかしくなってんだろ?冗談抜きにあの“怪物”に黒魔術でも掛けられたんじゃないか?そうじゃなきゃブロウズの味方に付く訳がねぇ」
「良い奴だったんだがな。しかも面倒な事に、辛抱強く周りを説得し続けたせいで少しずつ本当にブロウズを味方しようって連中が現れ始めてる」
「はぁ!?嘘だろ!?」
「うるせぇな、事実だよ。ロニーは俺達の中じゃ一番の人気者だ、そいつが熱に浮かされたみたいにブロウズを擁護してるんだ、気の良い奴は影響されちまうのは無理も無い」
「おいマジかよ………このままじゃ、帝国軍のクソみたいな新聞の通り、俺達“邪教崇拝”になっちまうぜ」
「笑いてぇが、その通りだ。カラスを従えた化け物が俺達の“エース”だなんて、それこそ黒羽の団が批判されても仕方ねぇ」
「ブロウズの奴、味方のつもりなんだろうが自分こそラグラス人が批判される理由になってるの、分かってんのか?」
「分かっててやってるのかも知れん、“こればかりは仕方無い”って言い訳してな。とんだクズ野郎だ、償うってんならまず俺達に奴隷として奉仕して靴でも嘗めてから、口を利きやがれってんだ」
「…………やはりブロウズの奴を団から追放するべきだろう、幹部達にもう一度追放か処刑を求める話…………団員から上がってるんだろ?」
「あぁ、まさか今になってロニーが向こうに付くとは思わなかったが………一応、処刑するべきだって奴等も、結構な人数が集まってる」
「次、奴が何か揉め事を起こしたら“再申”を申請する。準備しておけよ」




