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「聞いたか?あのクズ、いよいよ我が物顔で団を歩き始めたらしいぜ」
「あぁ。いよいよもって調子に乗り始めてるな。冗談じゃねぇ、浄化戦争でしでかした事はもう過去の事ってか?」
「もう償ったつもりになってるのかと思うと反吐が出る、内臓引き摺り出して犬かニワトリに喰わせたって何一つ足りねぇだろうによ」
「やっぱり黒魔術が云々の時点で処刑しておくのが一番だったんだ、幾ら使い道があるからってあんなのを彷徨かせておくなんて、流石に幹部連中も楽観的過ぎる」
「全くだ。今じゃアイツはクルーガーさんまで味方につけて、好き放題してやがると来たもんだ」
「……あの人が人格者だからって、上手い事つけこみやがって。そこから整備員の連中も感化されたって訳か」
「大した人数じゃないとは聞くがな。それに噂じゃ、あのユーリがブロウズを気に入っちまってるらしい。あの山小屋で紅茶まで淹れたとか」
「待て、ユーリってあのバカでっかいユーリか?」
「あぁ。あの、タカかサメの血でも引いてんじゃないかってぐらいデカい、あのユーリだ」
「………………なぁ、ユーリが変わり者なのは知ってるが、何であんな事があったのに何故テネジア教徒で帝国軍だったクズのブロウズなんぞに、紅茶淹れたり出来るんだ?」
「分からん。奴なりの理屈があるのかも知れんし、あんな目にあったあいつだけに見える物があるのかも知れん」
「訳が分からねぇ、あいつこそ其処らの奴より帝国軍を憎んでる筈だろ?それにあいつが前にテネジア教の面倒な奴とモメた時、相手の方がチビりそうになってたじゃねぇか」
「ルーカスの事なら、実際にチビってたよ。ともかく、あいつの過去を考えれば“テネジア教徒の帝国軍”なんて今がどうだろうと、許せる筈が無い」
「本当なら、ユーリこそブロウズの首を引き千切りたい筈なんだがな」




