145
1838年
レガリス中央新聞
氷結の月1日
“大罪人デイヴィッド・ブロウズ、未だ捕まらず”
重要国家機密漏洩、重度の精神異常による大量殺人や遺体損壊、多数の罪状により指名手配されているデイヴィッド・ブロウズだが、レガリス市民の協力にも関わらず今日に至るまで逮捕、及び収監には至っていない。
市民の協力により次々に余罪も判明しており、数えきれない罪状に帝国軍本部も、レガリス史上かつてない凶悪犯に戦慄しているとの事。
そしてブロウズの様な凶悪犯が未だレガリスに潜んでいるという脅威だけでなく、抵抗軍“黒羽の団”によって我々は今非常に慌ただしく、激しい嵐へと突き進んでいると言わざるを得ない。
大罪人の家族たるブロウズ一家は捜査に全面協力を進言しており、「自身の家系の汚点たるデイヴィッドを一刻も早く処刑するべきだ」と愛国心溢れる言葉を公式の場で発表した。
家族への非難を恐れての行動ではないか、との意見もあったが、大罪人たるデイヴィッドは元々ブロウズ家の家系ではない養子であり、生まれ育った施設から何とかブロウズ家に紛れ込んだ別の血筋である。
非難を恐れるまでもなく、家系としてのブロウズ家に非は無いのではないか、と一部ではブロウズ一家を非難するべきか否かで物議を醸している。
先月からカビによる衛生面での問題が指摘され、操業停止を命じられていたドムナント屠殺場だが先日、帝国本部から遂に閉鎖が言い渡された。
長年受け継いできた屠殺稼業も、近年は杜撰な管理が目立ち、周辺住民からも問題視される事が多かったという。
ドムナント屠殺場の総責任者だったダドリー・マコーネルは「杜撰な管理のせいで、先代から続くこの稼業と屠殺場が途切れてしまう事に、言葉も無い。償い切れない想いです」と語った。
あのデイヴィッド・ブロウズが勤務していたという悪評が致命的だったのではないか、との意見もあるが関係性は不明とされている。




