ブラック企業で鍛えた僕がホワイト企業で働いたら最強すぎるw
※現在アルルに呼び出され白い世界にいます。
ー初見の人のために前回の内容を確認!ー
塚本春樹と転生前の僕との生活はまったく違う。
【転生前の僕】トンデモブラックという会社
6:30起床
8:00出社
15:00昼食(仕事しながら)
17:00定時(残業)
22:00会社を出る
23:10帰宅
24:30就寝
【転生後塚本春樹の場合】MACAホワイトンという会社
8:00起床
9:00出社
11:00小休憩15分
12:30昼休憩
14:00業務再開
16:00小休憩15分
19:00会社を出る
19:30帰宅・自由時間
24:00就寝
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……なんなんだ。この違いは。
自由時間が休み時間が……多すぎる。
今の仕事は前の会社の『トンデモブラック』と比べて3分の1の量だ。お昼抜きで頑張れば14時までには今日の業務は終わる。トンデモブラックの僕の昼はどんなに遅くとも15時を過ぎてからだから、14時まで休憩無しは余裕でこなせる。
というかこんなに楽でいいのか?
そんなわけでMHCAホワイトンでは僕が一番仕事が早い。
もちろん特別な役職はついていない。
でも他の社員が1日を通してやる分量を社員が昼休憩から戻ってくる頃迄には終わってしまうのだ。
そのため普通の社員だが他の社員からは仕事ができると頼られ、上司にも褒められる毎日が続く。ホワイトンの上司はとにかく人を褒めるのだ。特別凄い事でなくともやったことについて凄い褒めてくれる。
トンデモブラックの「石の上にも3年」
MHCAホワイトンの「褒めて伸ばす」
どちらがいいって……?
うんホワイトン最高!!!
でもさ、塚本春樹よ……こんな楽しい毎日を過ごせるなら異世界に行く必要なんてなかったんじゃないか?
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「まあ塚本春樹として、こんな楽しい生活をしていたら、前のあなたを救うなんて面倒臭いですよね……ぐすん」
アルルは今にも泣きだしそうだ。
「いやいや、そんな事ないよアルル。僕はせっかく最高の時間を過ごせるようになったんだから、瀬川祐一を救う理由は別ないわけで……」
ドーン
またアルルが杖で地面を鳴らす。
これ意外と耳に残ってあまり好きじゃない。その後アルルは持っていた杖を僕の前に向けた。
「まあ拒否権は無いんです。なんとかして下さい」
そしてアルルの顔が急に真顔に変わる。表情もコロコロ変わって怖いなぁ。
「そういえば、来週から異世界勇者ユウトの続編で宇宙勇者ユウトが始まるみたいね。」
「そうですねぇ、まさか最終回で宇宙編突入するとは意外でしたよ。」
「もしあなたが瀬川祐一を救わなければ、アニメのオープニング中に後半ネタバレを頭の中に直接映像で流しても良いんですよ。」
「!!!」
「もちろん他のアニメやドラマ、ゲームなども全部同じです。さて、ネタバレを先に知ってから見るアニメを見るほどつまらないことはないでしょう」
「そ、そんな事僕は大丈夫……。大丈夫なんだぁあ。そんなことで屈指はせ……」
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現実世界にて
よし瀬川祐一自殺開始ミッションを遂行するぞー!
(ネタバレの人生は流石に耐えきれないですよそりゃ)
06月15日
さて、瀬川祐一が死ぬ3日前に戻ってきたぞ。ニュースの内容だと祐一は18日に上司に仕事辞めると言ったら、詰められて耐え切れなくなり屋上から飛び降り自殺をしたとの事だ。
まずは僕がやらないといけないことそれは!
ピポパ
会社の電話を使う。
〈お電話ありがとうございます!株式会社トンデモブラックでございます!」
僕「お世話になっております。MHCAホワイトンの塚本と申します。実は御社の商品を導入検討中でして確認したい事があります。以前お話させて頂いた担当の香取様にアポイントが取りたいのですが」
〈え! あの有名なホワイトンさんですか!と、問い合わせありがとうございます!!かしこまりました!ちょっと確認しますね。ちょ! 香取さん! 大物! 大物釣れたよ!〉
(……)
電話対応はおそらく事務の女性の浜さんだろう。大きな声が電話越しから聞こえた。
<お、お世話になっております。香取でございます。この度は以前の話を聞いていただき……>
上司の香取に繋がった。
以前の僕にあんな罵声を浴びせたやつとは思えない。非常に丁寧な声だ。それにすこし緊張している。まさか有名なホワイトンから問い合わせが来るとは思ってもないだろう。
〈そ、それでは明日の11:30がそれでは来社お待ちしてます!!!〉
ガチャ
「よしまずはこれで接点は作れたぞ!!」