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異世界もふもふカフェ  作者: ぷにちゃん
第三章 テイマー、もふもふ小熊を助けに雪山探索
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27 新しいもふもふカフェ完成!

『タイチ~、ここの柵はこれでいい?』

「バッチリだ! ありがとう、スノウ」

『えへへ~』


 もふもふカフェが完成に近づいてきたので、太一たちは庭の部分を自分たちの手で作っていた。とはいっても、柵など部分をみんなで立てて、細かい部分は太一の【創造(物理)】で調整をしているけれど。


 テラス席のテーブルや椅子も作ったので、もふもふカフェはだいぶ広くなっただろう。

 テーブルは中央にカフェのロゴマークが入っており、椅子の背もたれ部分は木でロゴマークを使ったデザインをしている。


 しかしカフェテラスができたといっても、すぐに需要があるかどうかはわからない。


「そこまで外に出る子がいないかもだしなぁ……」


 ケルベロスあたりは外で走り回りそうだから、ボール投げで遊んでくれるお客さんがいたらいいなと思う。

 あとは、純粋にもふもふを増やしたらいいと考えている太一だったりする。



 作業をしていると、ときおり常連さんたちが差し入れをもってきてくれる。今日も、隣街へ行く商人が行きすがらクッキーをたくさん持ってきてくれた。

 おやつとして、みんなで美味しくいただいた。


 太一があとは何をすればいいかと考えていたら、「完成だ!」という親方の声が聞こえてきた。

 振り返ると、新もふもふカフェの前に、親方と弟子が立っていた。



 通り沿いにドアと、大きな窓。

 レンガ造りの建物に、赤い色の屋根。植物が多く飾られていて、落ち着いた雰囲気の中でくつろぐことができそうなカフェだ。

 大きく『もふもふカフェ』と書かれた看板には、もふもふたちのシルエットも入っている。



「どうっすか!? かなりいい出来っすよ~!」

「ったく、落ち着かねぇかお前は!」


 弟子が「この花は俺のチョイスっす!」などポイントを説明する横で、親方はやれやれとため息をついている。


「ひとまずこれで終わりだ。中の細かいところは、自分たちで調整するっていう話だったな?」

「そうです。実際に使ってみて、従魔たちの意見を反映させていきたいんです」


 だからいきなり全部完璧に仕上がった状態で! というのは、想定していない。


(それに、こうでも言っておかないと【創造(物理)】が使いづらいもんな)


 外観こそこの世界に合わせたカフェだが、内部はスキルを使って現代日本のような便利さも取り入れる予定だ。

 その筆頭は、おそらくお風呂だろう。


(この世界は、お風呂が主流じゃないんだよな……)


 お金持ちや貴族など、持っているのは一部の人間だけだ。水の確保や、お湯へ沸かす過程など、難しい部分が多いのだろう。

 みんながみんな魔法スキルを使えたら別かもしれないが、そうもいかない。

 ということで、もふもふカフェはガンガン改装していく予定だ。


 太一は完成したもふもふカフェを見て、大きく深呼吸をする。

 この世界に初めて飛ばされ、森の中だったときはもう駄目かと思ったけれど――ここまで大きなもふもふカフェを手に入れることができた。


「ありがとうございます、立派なカフェを建てていただいて……!」

「いいってことよ。これが俺たちの仕事だからなぁ!」

「営業を開始したら、遊びに来るっす!」

「ええ! お待ちしています!!」



 ***



 もふもふカフェが完成したので、ここから先は簡単な引っ越し作業だ。

 元々のカフェは太一が自宅として使うので、看板などを外し、厨房にある道具などを運べば終わりだ。

 元々の店内はテーブルの数を減らして、リビングとしてみんなでくつろげる空間にする。


 内装に関しては、大まかに太一が【創造(物理)】で作っておいた。

 特に力を入れたのは、厨房だ。

 窯を作り、ピザを焼けるようにした。とはいっても、購入したピザを焼くだけなので、一から作るわけではない。

 それから、もともとあったコーヒーメーカー。

 もしやと思いいろいろ試した結果、電子レンジなども設置することができた。なんでもありで驚くが、正直かなり助かる。


 我ながらやりすぎてしまっただろうか……と、太一が思っていると、店内で作業をしていたヒメリがやってきた。


「タイチ、こっちはほとんど終わって――って、何この不思議な厨房は!? 見たことのないものがたくさんあるんだけど!?」

「あっこれはそう、俺の故郷から持ってきたやつで、こっちでは珍しいんだ……!」


 太一がお風呂のときと同じような説明をすると、ヒメリはため息をついてあきれ顔になる。もう、太一が規格外だということは承知している。


「わかった、わかったよ。私はもう驚かないから! 使い方を教えて」

「お、おお。使い方は、すごく簡単なんだ」


 時間を決めて温めのボタンを押すだけだ。

 オーブンなど細かいことはわからないので、シンプル設計のレンジを用意してある。ついでに、横にはトースターもある。


 実際に、水をレンチンしてお湯にしてみせた。


「なるほどなるほど、魔道具……? かな? とりあえず使い方はわかったから、大丈夫! メニューもそんなにないもんね」

「うん。何かあれば、その都度聞いてくれたらいいよ」

「わかったわ」


 メニューもおいおいは増やしたいところだが、今すぐ何かをするつもりはない。


 それから準備をすすめ、新装もふもふカフェが完成した。

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