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異世界もふもふカフェ  作者: ぷにちゃん
第三章 テイマー、もふもふ小熊を助けに雪山探索
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22 うちの子が可愛い

 カフェの建設はお願いしたが、やることはたくさんある。


「よし、みんな集合~!」


 太一が声をかけると、従魔たちがいっせいに集まった。


 まずは、みんなに今後のもふもふカフェについて説明をする。

 親方が新しく作ってくれているカフェが三ヶ月ほどで完成するので、今後は場所を移動するということ。

 また、庭は自分たちで作るということ。


「もちろん、外が嫌なら今まで通りカフェ内で過ごしてもらって大丈夫」

『『『み~っ』』』

「ベリーラビットは室内が好きか」


 外に出ず、のんびりしていたいのがベリーラビットだ。太一の足にすりよってその意思を伝えてきたので、とりあえず撫でておいた。


(可愛い……)


 反対に、外へ出たいのはケルベロスだ。


『外でいっぱい遊んじゃうぞ~!』

『これは新しいおもちゃをねだるチャンスじゃない……!?』

『みんなで遊びたいなぁ~!』


 キラキラした瞳で、太一やほかの従魔のことを見ている。

 それに反応したのは、フォレストキャットだ。ボールをくわえて、ケルベロスのところまでやってきた。


『わ、遊んでくれるの?』

『にゃ~』

『『『やったぁ~!』』』


(仲良しさんか……可愛い……)


 うちの子たちがあまりにも可愛くて、見ているだけでお腹いっぱいで太一は天にも昇る気持ちになる。


「よーし、頑張って最高のカフェにするぞ~!」

『『『おー!』』』



 ***



 トントン♪ カンカン♪

 リズミカルな音を聞きながら、今日も元気にもふもふカフェは営業中だ。


 ヒメリは窓の外を見て、「は~~」と長く息をついた。


「これだけの土地をドドンと買って、さらに新しいカフェを建ててるなんて……展開が急すぎてついていけないよ……」

「あはは」


 太一は笑いながら、ヒメリにホットココアを渡す。冬の寒い日といえば、甘くて温かいものが飲みたくなる。

 もちろんインスタントだけれど。


「ありがと……ん、甘くて美味しい!」


 ヒメリは一口飲んで、ぱっと表情を輝かせる。


「これすっごく美味しい!!」

「それはよかった」

「メニューに出さないの?」


 絶対人気になると言うヒメリに、太一は悩む。

 あまりメニューが増えると、仕事が増えてしまって大変になる。そうなると、従魔のケアやお客さんへの対応も時間をあまりとれなくなってしまう。


(まあ、ドリンク増やすくらいなら……って思うかもしれないけど)


 日本人というものは、それをどんどん積もらせ手が回らなくなるのだ。それはもう、会社員時代に身を持って体験している。


「仕事が増えるから、中途半端に増やすよりは少ないままでいいかなって」

「そっかぁ、残念」


 ココアをプッシュしていたヒメリだが、簡単にあきらめてくれた。


(もっと食いついてくるかと思ったのに)


 太一が不思議そうにヒメリを見ると、まるでわかってないとため息をついた。


「あんまり考えてなさそうだけど、カフェを新しくしたら広くなるんだよね?」

「え? うん」

「私とタイチの二人で、人手は足りるの?」

「…………あ」


 まったく考えてなかったと、太一は頭を抱える。


「やっぱり……」

「いや、ごめん。もふもふのことしか考えてなかった……」

「そうだと思ったよ」


 正直に言うと、もふもふたちは世話にほとんど手がかからない。

 意思疎通ができるためご飯やトイレもろもろスムーズだし、太一の言うことも素直に聞いてくれる。


(やることと言ったら、接客だもんなぁ)


 開店前から並んでくれているお客さんもいるけれど、別に常時満員になったりしているわけではない。

 余裕がある時間帯も多いくらいだ。


(メニューもインスタントがメインだから、手はかからないし……)


「あーでも、広くなったら掃除とかが大変になるのか」


 新しいもふもふカフェは、二階建てでお願いしてある。

 店舗部分と、倉庫や休憩室、広い厨房に、広大な庭……お手入れがかなり大変そうだと、今更ながらに土地を買いすぎたのではと焦る。


 ――どうしよう。


 太一がそう思った瞬間、『お掃除ならまかせてきゅぅ!』とハルルが肩に乗って来た。


『前みたいに、掃除をお手伝いするきゅぅ~!』

「ハルル、でも……大変だぞ?」

『大丈夫きゅぅ! わたしも、タイチの力になりたいのきゅぅ』


 ハルルがあまりにもいい子すぎて、思わず太一の目に涙が浮かぶ。


「ヒメリ、うちの子……最高!」

「私、言葉わからない……」

「あ、そだった」


 太一がハルルの言葉を伝えると、ヒメリは「すごい!」と手を叩いた。


「でも、考えてみたらそうだよね……従魔に手伝いをさせるテイマーって、多いんだよ。戦いから身を引いたら、ほとんどみんなそう」

「そういや、従魔で荷物の運搬をしてるテイマーもいるしな」


 隣国で知り合ったアーツの従魔は、宿の手伝いをするいい子たちだった。猫が部屋の鍵を持ってきてくれたときの感動は、きっと一生忘れることはないだろう。


「人手不足なところを、みんなに手伝ってもらう……できるかな」

「できると思う!」

『わたし、頑張りますきゅぅ!』


 なんだか希望が見えてきたぞ。

 太一たちがそんなことを話していると、『なになに~!?』とケルベロスもやってきた。


「みんなに、掃除を手伝ってもらえたりできないかって話してたんだ。ハルルは、雑巾がけが上手なんだよ」

『お掃除って、いつもタイチとヒメリがしてるやつだよね? ボクにもできるよ~!』

『分担すれば効率もよさそう!』

『みんなでやれば楽勝だよ~!』


 ケルベロスもお手伝いをしてくれるようだ。張り切って、雑巾がけの真似をしたりしている。


(うちの子、いい子すぎでは?)


 太一のうちの子可愛いがとまらない。

 もふもふカフェは、まだまだ進化できそうだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] リスが掃除の手伝いですと?…それだったら、あらかじめコログリスを十匹ぐらいテイムしておけば良かったのに!…あるいは、資金がフェンリルの狩りで豊富ですし、普通に人を雇っても平気では?…モ…
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