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異世界もふもふカフェ  作者: ぷにちゃん
第一章 テイマー、もふもふフェンリルと出会う
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エピローグ さあ、猫様を求めて出発だ!

 ルークと一緒に移動するということもあり、出発は夜になった。昼間だと、誰かに目撃されて大騒ぎになってしまうかもしれないからだ。

 夜風が肌寒いけれど、ルークのもふもふがあれば暖かい。


「それじゃあ行くか。留守番を頼むな、みんな。明日の朝にはヒメリが来るから、いい子にしててくれよ」

『オッケー!』

『まかせなよ!』

『いい子にできるよ』

『『『みー!』』』


 太一がケルベロスとベリーラビットたちに声をかけると、全員が元気いっぱいに返事をしてくれた。


『お客さんが来たら、遊んであげればいいんでしょ?』

「まあ……そういうことになるな」


 もふもふ側からすれば、確かにこっちは遊んであげる側だ。まあ、ケルベロスたちにしてみればそれも楽しそうなので、いいのだろうが。


(そうだよな、俺も猫カフェに通ってたころは猫様たちに遊んでもらっていたんだ……)


 といいつつも、相手にされないことも多々あったけれど。

 そう考えると、ケルベロスは神対応だと言える。


(隣国のお土産をたくさん買ってきてやろう……)


 きっと喜んでくれるはずだ。


 太一はケルベロスをたくさん撫でて、「いい子いい子~」ともふもふを堪能する。すると、それを見たルークが太一を睨んだ。その目には、ケロべロスばかりもふもふしているんじゃない! とでも書いてあるようだ。


『行くんだろう、早くしろ!』

「わかってるって!」


 ルークに急かされてしまい、太一は鞄を肩にかけてその上から上着を羽織る。これで準備完了だ。

 魔法の鞄のおかげで荷物が少なく、とても快適な旅になりそうだ。日本で旅行をすることはほとんどなかったが、出張のときはいつもキャリーケースだった。


『みーっ』


 心配してくれているのか、ベリーラビットたちが太一に擦り寄ってきた。

 自分の足の周りがもふもふで埋め尽くされて、ここは天国だろうかと思ってしまう。

 そして帰ってきた暁には、ここに猫――フォレストキャットも加わるかと思うと、どうしようもなく顔がだらしなくなる。


『…………』

「な、なんだよルーク」

『お前がひどくだらしのない顔をしているからだろうが!』


 ぷんっと怒ったルークが、顔を背けた。


(そんなにだらしない顔は……確かにしてたかもしれない)


 太一は自分の頬に手を当てて、だらしのない顔を元に戻そうとしてみる。……が、もふもふに囲まれているのですぐにだらしのない顔になる。

 もうこれはどうしようもない。


 その様子を見ていたルークは、あきれ顔だ。

 もふもふの尻尾で、太一の足をぺちぺち叩く。


『まったく』

「あはは……。仕方ないだろ、俺はお前たちみんなが大好きなんだからさ」

『……ふんっ』


 太一が素直に告げると、ルークがそっぽを向いてしまう。しっぽは動いているので、好きだと言われた照れ隠しのようだ。


「よし、それじゃあ行きますか」

『ああ』

『『『いってらっしゃい!』』』

『『『みーっ!』』』


「『行ってきます!』」



 ***



 もふもふカフェは街の郊外にあるとはいえ、周囲に何もないわけではない。そのため、少しだけ歩いた先でルークは本来の大きさに戻る。

 一メートルから二メートルになった。その分もふもふもも増量されていて、やはり大きい元の姿も最高だと太一は思う。


『ほら、さっさと乗れ。朝日が昇る前くらいに、街の近くまで行きたいんだろう?』

「それがいいかな。ルークは目立つから、目を付けられても困るし」


 一メートルのルークを連れているだけでも、街中ではとても注目される。それなのに、二メートルのルークに乗って移動しているところを見られたら……どうなることか。


(絶対、ルークのことをほしがる奴が出てくるはずだ)


 そんなのは駄目だ、許されない。


「お前のことは俺が守るからな、ルーク!」


 そう言ってぎゅううーっとルークの首元に抱きつくと、『何を言ってるんだ』とため息をつかれてしまった。


『オレより弱いだろう……』

「……おっしゃる通りです」


 呆れたルークはもう一度ため息をついて、太一をくわえて自分の背中へと乗せた。


『お前はオレに守られてろ』


 そう言い、ルークは地面をぐっと蹴り上げ駆けだした。満天の夜空の下を飛ぶように走る姿は、まさに――


(イケメンだ……)


 いつもはあんなにツンツンしているというのに。


「さすがは俺の相棒、頼りになるな」


 そう言って太一が笑うと、ルークも嬉しそうに笑った。

 さあ、フォレストキャットを求め隣国へ出発だ。

ひとまずここで一区切りです~!

楽しんでいただけていたら嬉しいな。


感想のお返しできていませんが、いつも嬉しく読ませていただいております。

次は猫様です!

個人的にはハリネズミもいいと思うのですが、これももふもふですか…?


★ここまでが書籍1巻に収録されています。

タイトルは変更しています。

『異世界もふもふカフェ ~テイマー、もふもふフェンリルと出会う~』

加筆修正に加え、下記の閑話を書き下ろしています。

・定時に上がって猫カフェへ(太一)

・美味しいドラゴンの肉'(ルーク)

・とんでもないテイマーが現れた!(エミリア+ヒメリ)

・レリームの人たち(シャルティ+防具屋の店主+エミリア)

・アルルとチョコ(アルル)

・ダイエット大作戦?(ニーナ)

・太一のいないもふもふカフェ(ヒメリ+グリーズ)

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― 新着の感想 ―
[一言] ハリネズミもおなか側は柔らかい毛がフサフサしてます。 怒らせたり怖がらせたりしなければ背中のハリも普段はねかせています。 by元ハリネズミ飼い
[気になる点] 主人公が不在時の食に関してのレクチャーが無かった事が気になります。店のメニューの大半は置いとけばなんとかなる物ですが一部スキル使って対応していたし、朝と夜の従魔のご飯どうするのかなとか…
[一言] モフモフ最高! 続きを早く読みたいです!
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