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異世界もふもふカフェ  作者: ぷにちゃん
第一章 テイマー、もふもふフェンリルと出会う
15/90

14 店員確保作戦

 もふもふがいないなら、テイムしてしまえばいいじゃない。ということで、太一はルークとテイマーギルドへやってきた。

 どこかにいいもふもふが棲息していないか聞くためだ。


「もふもふした魔物の情報、ですか?」

「はい! みんなが親しみ深ければ深いほどいいです!」

「親しんでいるかと言われたら疑問ですが、南西の草原に『ベリーラビット』がいますよ。駆け出しの冒険者が狩る魔物ですね」


 シャルティの説明に、太一はテンションが上がる。ラビットということは、間違いなく可愛らしいうさぎさんだ。

 猫でないのが残念だが、致し方ない。


「ありがとうございます、さっそく行ってみます!!」

「ルークを連れているタイチさんなら、もっと強い魔物もテイムできそうですが……まあ、カフェのためですもんね。頑張ってください」

「はい、いってきます!」



 ***



 そしてやってきました、街から南西にある草原。

 ここを抜けると森があり、入り口付近までは駆け出しの冒険者が狩りでよく使うエリアだという。


『オレにかかれば問題ないが、ベリーラビットはすばしっこい魔物だぞ。タイチにテイムできるのか?』


 なんならオレが捕まえて来てやろうかと言うルークに、太一は丁重に断りを入れる。


(ルークが捕まえるとか、逆に噛み殺しそう!!)


 失礼かもしれないが、マジでそう思ってしまうのだから仕方がない。ここはこっそり背後から近づき、一気にテイムする作戦だ。

 そんなことを考えると、背後の草が揺れて『みっ!』と可愛らしい鳴き声が聞こえた。


「うん……?」


 太一が振り返ると、一匹のうさぎがいた。

 愛らしいタレ耳で、その付け根からは蔦が生え、小さな木苺がなっている。毛は触るまでもなくふわふわしていて、その可愛らしさに太一は天に召されるところだった。


「これ、ベリーラビット……だよな。なんか頭から苺がなってるし」


 てっきり警戒心が強いとばかり思っていたけれど、そんなことはなかったようだ。

 白色のベリーラビットはとことこ太一の前までやってきた。


(かわゆい……)


 太一がベリーラビットと触れ合えるようにしゃがむと、小さな手をぽんと太一の膝へ載せてきた。


『むぅ……? ベリーラビットは警戒心が強く、こんな近くに来ることはないはずだが……』


 ルークが言った言葉を聞いて、太一はそういえばと自分の職業を思い出す。『もふもふに愛されし者』なので、もふもふなベリーラビットが寄ってきてくれたのだろう。


 最初はなぜテイマーじゃないのかと思ったけれど、こんな素晴らしいことがあるならこのままでいいと太一は涙する。


「よーし、【テイミング】!」

『みっ!』


 ベリーラビットが太一に飛びついてきたので、それを受け止める。すると、柔らかな毛が頬をくすぐった。ルークの毛並みもいいが、ベリーラビットもたまらない。


「テイムしたら名前をつけるんだったよな。白くて可愛いから、【マシュマロ】だ!」

『みーっ!』


 太一が名前をつけてやると、マシュマロは嬉しそうに耳を揺らす。どうやら気に入ってくれたようだ。


「俺には会話スキルがあるから、話ができるのかな?」

『みー?』

「あれ?」


 なぜか意思疎通ができず、太一は思わずルークを見る。


『……ベリーラビットは知能が低いから、はっきりとした言葉はわからないぞ。まあ、根気よく話しかければ覚える可能性もあるが……』

「ああ、なるほど……。ルークは本当に優秀なんだなぁ」


 太一は近くにきたルークの首回りに手を伸ばして、ぎゅっと抱きしめる。


(あ~~もふもふ~~)


『こ、こらっ! 俺をそんな簡単にもふもふするんじゃない!!』

「『孤高のフェンリルだぞ!』」

『――っ!』

「さすがにあれだけ言われたら、俺だって覚えるって」


 太一がそう言うと、ルークは赤くなりつつも尻尾を振った。どうやら、自分もベリーラビットと同じように構ってもらえたのが嬉しかったようだ。


 太一、ルーク、マシュマロで笑っていると、再び草がガサリと揺れてベリーラビットが顔を出した。しかも今度は二匹だ。


「お、やった! 【テイミング】【テイミング】っと!」


 すぐにスキルを使って、ベリーラビット二匹のテイムに成功する。


「ベリーラビットって、いろんな色がいるんだな。茶色の子は【カリン】で、白と黒のブチは【クッキー】だ!」

『みぅ』

『み~っ』


 二匹とも与えられた名前が気に入ったようで、太一に擦り寄ってくる。一気にもふもふ天国ができあがってしまった。


「ああ、最高だ……」


 すると、再び草が揺れてベリーラビットが顔を出した。どうやら、もふもふである自分たちが愛すべき太一を見つけて駆け寄ってきたみたいだ。


「よーっし! 【テイミング】【テイミング】【テイミング】!!!」


 一気に三匹、テイムをして名前をつける。


『一体何匹テイムするつもりだ……』


 ルークが呆れるも、自分に駆け寄ってくるかわゆいウサギをテイムせずにいられようか? 否!!

 そしてまた、ガサリと草が揺れる。


「っ、【テイミング】!」


 どうやら、太一のテイムはしばらく続きそうだ。

税率間違えて―たー!!

修正しました。ご指摘&誤字脱字報告ありがとうございます!!!


そしてタイトルも変えてみました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] もふもふがどんどん増える~ [気になる点] フクロウ系はもふもふに入りますか? [一言] 修正お疲れ様です。 これからももふもふ成分たくさんでお願いしますm(__)m
[一言] これからも頑張ってください
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