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夢見る少女とゲーム好き少年  作者: 兎猫まさあき
二章目~情動期~
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十七話目

~きよみ視点~


━━━二学期始業式の日


(さて、今日から新学期だ。気を引き締めていこう。たけるさん、学校で元気に過ごしてくれたら嬉しいな。)


そう思いながら二学期最初の登校をしていた。

私は最初にたけるの住んでいるマンションへと向かった。


「おはようございます!」

「あ、おはよう...あ、学校ね。ちょっと待ってて」

「はーい」


たけるさんはそう言って、家に入っていった。


「あ、中入ってて良いよ」

「分かりました...お邪魔しまーす」


たけるさんはひょこりと出てきてそう言ってまた入っていった。

私は、たけるさんの指さした先へと向かった。


しばらく待っていると、たけるさんがやって来た。


「お待たせ、行こうか」

「はい!」


そして私達は学校へと向かい始めた。


「あのさ」

「はい?」

「そろそろさ、名前にさん付けるのやめて行かない?」

「そうですね」

「敬語もやめて行こう 」

「は...うん」

「まだぎこちないね...」

「ごめんな...ごめん」

「...やっぱ無理してまでやめなくてもいいよ」

「ごめんなさい...」

「いいんだよ」


という他愛のない会話をしながら。


それから私達は一学期の頃と同じような...いや、互いの絆が深まった上の関係でまた過ごし始めた...


━━━それから三ヶ月後、十二月の末頃...

私達はもうすぐ二学期が終わる頃になりつつある。

私は二学期の中での出来事を思い出しながら、二学期最後の登校をするため、たけるの家へと向かっていた。


二学期の間、たけるとは楽しい日々を送っていた。

ある日は放課後にゲーセンに行って遊んだり、またある日は放課後ケーキ屋に行ってケーキを食べたりしていた。

そんな中、私はある計画を立てていた。

それは...


〈クリスマスにサプライズでサイターマランドに行く計画〉


だ。

たけるは、サイターマランドに未だ告白した時の一回以外に行ったことがないらしい。

ならば!

デートでどこかに行くのを装って、サイターマランドに行けばいい話だ!

そうと決まれば、どう言ってたけるを誘うのかを考えなければ...


そんな楽しい考えをしていたら、たけるの家に着いてしまった。


「おはよう!」

「あぁ、おはよ、もう行くのね、上がってから待っててね」

「うん、分かった!」


そして、私はいつも通りにたけるを待っていた。

しばらくするとたけるが戻ってきた。


「お待たせ、さあ行こうか」

「うん」


そして私達は二学期最後の登校を始めた。


「あのね、たける」

「なに?きよみ、まさか別れ話?...嘘だよ、真に受けんなよな...」

「もう!たける酷い!」

「ごめんって、所でなんだよ」


冗談でも別れ話なんてシャレにならない事を言われちゃ睨むしかないでしょ...最近、なんか冗談ばかり言ってくるたける...嫌いになりそう。


「はぁ...あのね、たける、いつもクリスマスってどんな感じで過ごしてるの?」

「あぁ、いつもは叔父さんとかが来て一緒に過ごすけど、今年は忙しいらしくて来れないらしい」

「そうなんだ、じゃあ今年はボチクリ?」

「そうなんだよ~、誰か来てくれないかなぁ...」


チラチラとこっちを見ながら言われてもねぇ...あ、そうだ。


「そんな目で見ても行かないよー~」

「なんでぇヒデー」

「うっそー」

「なんだよー、信じちゃったじゃん」

「さっきの仕返し」

「だからごめんってば」

「じゃあわたしの嘘でチャラってことで」

「分かった」


これでスカッとした。

よし。じゃあ誘おうかな...


「たける、あのn...」

「きよみおはよー!」

「あ、ゆな、おはよ。」

「今日も仲良しだねぇ!」

「うん...ごめん、この話は後で」

「うん、分かった」


本題に入ろうかと思ったがゆなの挨拶でかき消されてしまった...

しょうがないから、放課後に話すことにした。


私達は、一学期のように、終業式や掃除をした後に二学期の振り返りをした。

そして、その後に放課後となった。



「これで二学期終わりかぁ...なんか寂しいよな」

「そうだね...なんかあっという間に冬休みだね...」

「だな...」


そして、私達は家に帰り始めた。


「あのね、たける」

「ん、なになに、別ればな...」


バシィ!


「もう、いい加減にしてよ!」

「...ごめん」


ついたけるを平手打ちしてしまった。

でも、しょうがないよね、シャレにならない話なんだから。

でも今日はなんで別れ話なんて言い出すんだろう...私が嫌いになったのかな?

...まさか、そんな訳ないよ。

ただからかってるだけ...だよね...

そう信じよう。


「冗談でもそんなこと言わないでよ、傷付くじゃん」

「本当にごめん...」

「あのね、クリスマスだけどさ、どっか行かない?」

「どっかってどこよ」

「今はまだ決めてない」

「んー、じゃあ行くとしたらどこで落ち合うの?」

「私が迎えに行くよ」

「そうか、分かった。行く」

「オッケー、じゃ、またクリスマスに会おうね」

「あぁ」


ちょうどたけるの家の前で話が終わったため、私達は別れた。


よし、クリスマスが楽しみだな...


━━━クリスマスは、きよみにとってもたけるにとっても忘れられない一日となる...かも?

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