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青と蒼  作者: みつる
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○月×日

こんにちは、もう一人の私へ

よくもやってくれたな。お前が眠剤飲んだせいでホラー映画を存分に堪能するはめになったぞ?どうしてくれる。そもそも進めたのは私だが、素直に貴様が起きてればいいものを!貴様にアノ忌まわしい記憶が無いのがもどかしい。もどかしいぞ。忘れようにも忘れられぬ。お前、起きた時思ったろ?やったぜって。私の手を握りながらゆさゆさ起こす和美ちゃんを見たときめき、そこからの奈落。お前のせいだお前のせいだお前のせいだ。


私は読んでいた日記を取り落とした。

「な、なにこれぇ・・・」

ホラーだった。ホラー調だった。まだ映画を見ているのか映画の中に私が入ってしまったのか、それとも元々ホラー映画だったのか・・・。いやよそう。これは記憶を失う前の私が書いたのだ。どうにもこうにも嫌味な趣向をこらしているではないか。な、なにやってんだよ・・?怖くて仕方がないが勇気を出して続きを読むことにする。



映画を見終え、無事夏を迎えたあと和美ちゃんと私でカフェに入った。私はコーヒー、和美ちゃんはココアを飲んだ。美味しかった。和美ちゃんが映画を見る約束は嘘だったと言った。どうも私を試していたらしい。そう思う。和美ちゃんは薄々、私の様子がおかしいことに感づいているようだ。私は心配ないと言った。私へ。あなたはドラマを見ていますか?私には記憶が無いのですがあなたにはありますか?私の記憶が無いの時、あなたの記憶はちゃんとありますか?最初に書いてあったことは、あなたに少しでも私のホラー感傷を味わってもらいたくて書きました。何か感じて貰えたら嬉しい。 



ホラーというかサイコだった・・・。なんか先行きが滅茶苦茶不安になった。昔の日記をパラパラめくってみた。私の記憶の無い時に書かれた日記だけを切り取ると、確かにそこには連続性があった。記憶障害ではなく人格障害??私は頭を抱える。どうも二日ほど記憶が無くなっていたようで、あの映画の日から続けて私の覚えのない日記がつけられているようであった。


○月×日

昨日書いた日記を読み直したら痛かった。どうせなら今日、記憶を失くせれば良かったのに、ホント上手くいかない。もし、これで記憶障害が治ってたらすぐに日記を処分しよう。これを書いた記憶が無い私が読んだら、なんでもいいから感想を書いてください。昨日は勢いで書いてしまったけど・・なんだか自信が無くなってきた。あー治ればそれにこしたことはないんだけど、なんだかなー母に相談してもいいものか、医者に相談すればいいものか悩む。

今日の学校は普通でした。



どうやら昨日書いた内容がかなり痛かったことに自分でも気づいたらしい。日記は後に行けば行くほど殴り書きのようになっていて最終的には端折ってあった。あぁ私らしい。とりあえず私が私であることに安心し、日記を閉じた。

階段を降りながら考えた。昨日の私が書いたことが正しいなら、私は二人に分かれてしまった?そんなことありえるのだろうか?多重人格とは少し違う気がする。単純に、私と私が交互に入れ替わって・・・る?簡単なようなややこしいような。そもそも本当の私ってなんだろう?たぶん私も違う私も自分の事を青だと思っているし相手の事も青だと思ってる。

「お母さん、最近の私ってどう?」

「え・・・?」

母がどう答えていいか分からないという顔になった。あぁたぶん心配されてる。また記憶失くしたって思われてる。

「あぁ・・いやいや。昨日の私ってどんな様子だったかなって?」

「また記憶を失くしたの・・・・?」

母がとってもつらそうな顔をして私を見る。心配させるつもりはなかったのだが、どういえば良かったのだろうか。記憶を失くす。それ自体はすごく怖いことだけど、私と私が入れ替わっているだけなら、あんまり深刻になりすぎるのは良くないのかもしれない。

「説明しにくいんだけど・・記憶失くしてるだけじゃないかもしれない」

「え・・?」

「えっと・・・私がもう一人できたみたいな・・?」


学校は休みになってすぐに病院に行くことになった。母があせるあせる。私は日記を持っていって先生に見せることにした。昨日の私の日記は無事に白日の下へ晒されることになるのだ。今日の日記でいびり倒してやろう。先生の感想も添えて。どんな反応をするか今から楽しみだ。

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