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青と蒼  作者: みつる
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朝起きたら一週間経っていた。私の中の時間が消し飛んでいた。動いた足跡を覚えちゃいなかった。結果だけだ!!結果だけが残っていたのだ!!いやいや冗談言ってる場合じゃない。いや冗談じゃないヤバイナニコレヤバイ。


「お、お母さん!私ずっと寝てたの?!」


ドタドタドタと階段を駆け下りて、降り掛けにそんな質問を母に投げかけた。母は作っていた朝食の手を止めて駆け下りてきた私に近づくと両の頬を引っ張った。


「また寝ぼけてるの?」

「ま、また?前にもあったっけ??こんなこと???」

「あったでしょ。もうご飯できるし、顔洗ってらっしゃいな」


あ、あったっけ?あったら覚えてるだろ・・・。それすら覚えてないといということか。母によるとちょうど記憶が無くなっている一週間前にも私はおんなじことを言って階段を駆け下りてきたんだとか。定期的に記憶を失ってるってこと?なにそれ怖い!!まだ夢を見ているんだろ。寝ぼけているんだ。私はそう思って顔を洗うことにした。洗った顔の汚れと一緒に記憶も抜け落ちた。そんなことはなく、洗ったからといって綺麗になって見つかるわけもなかった。どこいったんだよぉ。

母はいたって普通で朝食もいつもどうりといったところだ。私は朝食を食べ終えてすごすご自分の部屋に帰っていった。もしかしたらスタンド攻撃かもしれないと妄想したけど、いたって普通の母を見て自分に異常があると自覚したのであった。

私は自室にあるパソコンを開くとぐ○ぐるを開いた。分からないなら聞けばいいのだ。先生教えて!検索欄に文字を入れる


一週間 記憶 消える


先生が私が欲しかろう答えを即座に導いてくれた。い、一週間ふれ・・?なんだアニメか、へー面白そう。いや・・危ない危ない。見るのは今度にしておこう。今はそれどころではない。私は気を取り直す。少し聞き方がおかしかったのだ。私はさっきと別の意味になるよう言葉を打ち直す。


一週間の記憶がない


調べると私と似た症状の人がいた。やっぱりあるんだこういう症状!どうやら、その人も学生で記憶がないのにちゃんとノートを取っているらしい。私は恐る恐る学校のカバンを開けてノートを開いてみた。ぞっとした。なんら変わりなく、いつもと同じように私の字でノートに授業の内容が書き込まれていたのだ。たぶん、他の誰が見てもおかしなところは分からないだろう。つまり・・・

「おかしいのは私だ」

ノートを凝視したまま声に出していってみた。その相談サイトでは精神科、心療内科にいくことを進められている。私もそうしたほうがいいのだろうか?


楽しみにしていたドラマを見た。見事に一週間分飛んでいて、主人公の敵として出てきた新キャラが親し気に主人公と話していた。

いい気なもんだなコイツ。








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