表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/26

呼ばれた面々

《二十着目》


そんなこんなで、町内会の肝試しの日がやって来た。参加者は続々と集まり、肝試しの準備は淡々と進んでいく。


肝試しの流れはこんな感じ。


まずは公民館に集まった参加者に、今回の主催者にされている袴が《怖い話》をして、次に、参加者達を、三人以下の少人数グループに分けて、墓場に用意してある《赤い紙》を取ってくるように指示する。最後に、全員が戻ってきたら簡単な食事会のようなものを開いて解散、とまぁそんな感じ。


特に何の変哲もない行事である。

ただ一点。


「おう、旦那。来たぜ。」


舞台裏にズラリと並んだ怪異達を除いては。


《二十着目 呼ばれた面々》


袴は淡々と彼らの名前を確認していった。


「ええと、一番左が《縊鬼(いつき)》で………? 」


名前を呼ばれた怪異は、般若の様な顔をした長い黒髪の化け物。


「首を吊らせたい。」


「その右隣が、《針女(はりおんな)》………。」


縊鬼の隣にいるのは、ニコニコと可愛らしい笑顔を浮かべる、長髪の女。


「イケメンをお持ち帰りしたいの。」


「んで、その隣が《夜道怪(やどうかい)》………。」


そして針女の隣は、陽杖を持った修行僧のような老人である。


「子供をテイクアウトじゃ。」


袴はここまで言うと大きく息を吸い込んで、吸血鬼の頬を殴り付けた。


「おい、なんでコイツらを連れてきた! 危険人物と変態しかいないじゃねぇかっ! 馬鹿か! 」


しかし吸血鬼は口を尖らせて、こう反論する。


「えー。前回全然怖がられなかったから。今回こそはと思って気合い入れてみたのに。」


店主はもう一発、今度は吸血鬼の腹に拳をぶちこんだ。


「怖がらせる必要なんて無いんだよ! 安全第一! お前はさっさと子供達の前に飛び出して、翼を玩具にされてろ! 」


攻撃を食らった吸血鬼は、見た目よりも軽いのか、物凄く勢いよくぶっ飛ぶ。

見かねた、貧弱そうな男はおずおずと店主を止めた。


「あ、あの………。それくらいで。」


店主は吸血鬼が先ほど渡してきた名簿を見て言う。


「君は、ええと、《狼男》ってことでいいのかな。」


男は控えめに頷いた。


「………はい、満月じゃないので、全くそうは見えないと思いますが………。」


店主はその受け答えに感心する。

そして、上機嫌に彼の肩を叩いた。


「そうだね。でも私としては君がマトモでうれしいから全然OK。よし、事故の予感しかしないけど、早速、配役を決めよう。」


狼男は、嫌そうな素振りを見せるが、特に文句は言ってこない。吸血鬼が倒れたまま、問題なく話は進行した。


「………俺の扱いって何? 」



-つづく-

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ