序・悪 幸福/笑顔/日常
はい始まりましたミタマ学園。誰もが望んだ幸福な日々が此処に在る!
悪なるミタマを読んだ人も、ただのいちゃいちゃはちゃめちゃ学園ラブコメが好きな人も!
みんながもれなく笑顔になれるような作品を目指していきますので、是非是非読んで行ってください。
この世界は、悪に満ちている。
利用できるならば利用する。邪魔をするなら喰い殺す。とうに腐り切った、我欲に生きる魂は。
――なんと、悪なる――
「悪なる魂? ハッ、残念だったな。この世界はもう、悪になど満ちてはいない」
「そうね。ええ、その通り。何故なら、この世界は既に、《堕天使》の力によって作り変えられているのだから」
「俺が願うのは、幸福な世界。誰もが笑顔でいられる世界。こんなもの、本来は俺が願うべき世界ではないんだが……」
「本当、あなたらしくはないけれど」
「――けれど、誰かが確かに、この世界を望んでいる」
そう、それは。
誰もが、幸せになれる世界。
「俺は願った。だから、狂い哭き叫ぶ者は、もういない」
「殺伐とした世界も、存在しない」
「行くぞ、アルラ」
「ええ、行きましょう」
この世界は、誰もが望む平和な世界。
誰しも、苦しい過去はある。辛い出来事も、起るだろう。
けれど。けれども。
この世界の根幹にはきっと、希望があり。そして、多くの笑いが待っている。
かつての戦いの日々はもう、此処にはない。
「そして行くぞ、お前たち。宴の、時間だ――」
この世界は、笑いに満ちている。
利用するとかしないとか、そんなことは関係なくて。邪魔をする相手がどうとかも、関係が無くて。とうに笑顔に包まれた、誰もの幸福が得られる者たちは。
――なんと、祝福されし魂か――。