零度真央 #2〜お姉さん〜
更新が遅くなり申し訳ありません。
数日前、俺は優をいじめていた優と同じクラスの生徒を殴り停学指導を受けた。そして今日、停学指導の最終日、俺は朝からあからさまに落ち込んでいた。
「ちょっと、真央!」
台所の隅で体育座りをしている俺に居間で芸術的な寝癖を携えて座っているのであろう俺の姉(仮)で勇者(魔王である俺とは現在休戦中)の零度優は近所迷惑になりそうなほどの大声で叫んだ。どうせ、今日は存在していない朝ごはんを所望しているのだろう。
「何だ? お前は俺の姉なのだから自分の事は自分でやれ」
「何を落ち込んでるの?」
仕方なく食パンを取りに来たらしい優は隅で落ち込んでいるというよりも悩んでいる俺を見るとどうしようもなく平らな胸を俺の膝に押し付け寝起きで若干限りなく人間に近いアンデッド族と言えないこともない汚れた顔を近づけて来た。
「恥ずかしい話だが、あんな事をしてしまった以上学校に通いにくいと感じるようにだな」
俺が言葉を細々と吐き出そうとすると、優は大声で、
「わかった」
と叫びやがった。貴様は雄叫びにスキルを全振りしたケルベロスか?
「しばらく学校に通っていなくて勉強が追い付いていないからわたしにバカ扱いされると思っているんでしょ? 大丈夫、私はそんなことで真央を馬鹿になんかしないから」
「馬鹿は貴様だ。俺は、というか零度優は前から一ヶ月以上先に行う範囲までの授業内容は予習しているから一週間程度授業を受けていなかったところで学力に変化はない。それよりも自分の学力を心配したらどうだ? 俺が休んでいた間に中間試験とやらの範囲が発表されたのだろう?」
優の顔を見た瞬間、俺の脳裏に優が名前の横につけられた丸が一つと赤いレの字がたくさん付けられた紙を持って涙している光景が浮かんだ。俺はと言うと、全身を見ることは出来ないが額に右手を当てて呆れているのが感じ取れた。
これが零度優の記憶なのか、数週間後の予知なのか、はたまたそのどちらでもあるのか、俺に答えを出す術はないがどれが正解であっても真央に勉強を教えてあげられる真央の同級生を見つけることが停学指導明けに俺がしなくてはいけないことの一つであるような気がした。って、俺は先ほどまで明日から再び学校に通うのを拒んでいたのではなかっただろうか?
「全く、お前の脳内がお気楽すぎるせいで昨日の夜から悩んでいた悩みが解消されてしまったではないか」
「真央が悩んでたの? ありえない」
「俺としては優が真剣に悩む方があり得ないと思うがな」
「でも、もう大丈夫だから。真央の事はお姉さんの私が絶対に守るから」
『お姉さん』に『守る』か、優の言葉であるというだけでここまで頼りなく感じるとは中々のものだ。でも、折角だから一度くらいは『お姉さん』とやらを頼ることがあっても良いかもしれない。それがいつになるのかはわからないが。
この物語を覚えていらっしゃる方はお久しぶりです。
「見ていたかもしれないけど忘れちゃった」という方や「完全に話の途中だろうけど初めて読むよ」という方は初めまして。
前回の更新がゴールデンウイークでしたが、早いもので3ヶ月近く経ってしまいました。
お待たせして申し訳ありません。
今回は前回までの軽いおさらいと次回への繋ぎの回となっております。
次回の更新が完全に未定ですが、今月か来月の頭には更新出来るのではないかと思っております。
不定期なこうではありますがこれからもご愛読よろしくお願いします。
東堂燈




