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三日月  作者: まねきくま
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そろそろ準備しなくちゃいけないですが、それはあんまりじゃない?

確かにそろそろ本腰入れて取り組まないと、時間的に余裕がないかもしれない。


いくら招待客は本当の身内だけだとは言っても決めなくっちゃいけない事がいろいろあるはずだ。


お姉ちゃんの時も、なんだかんだと準備をしてたような気がする。


もっとも大恋愛で結婚して盛大にお披露目したお姉ちゃんは、とにかく嬉しそうで


傍から見てる方がこんなにいろいろ準備するなんて面倒臭そうと思っていたから、出来るだけ簡単にして貰いたい所だけど。


でも、まずは岡崎家に出向いてご挨拶ってのが一番の関門かも知れないな。


メールの画面を見ながら大きな溜息を吐いていた。お見合いの時以来、顔を合わせる事はあってもまったく言葉を交わした事が無いから何を話していいのか分からないし。


向こうの両親との共通点といえばウチのお父さんの事ぐらいだし・・・・。


向こうの両親とか兄弟の事は置きっぱなしで放置している釣書を見ればある程度の事は分かるけど、何分本人の事は本人に聞かないと分からないだろうしねぇ。


うーん。どうしようかな?


しばらく考えて、閃くようにいい事を思い出した。


そういえば、同じ営業にいる美香ちゃんが「岡崎 樹」のファンクラブの一員だったような気がする。


もともとおしゃべりな子だからそれとなく聞けば勝手にいろんな情報を教えてくれるかもだし。途端に気持が楽になり、どんと来いって気持ちになった。


いくら興味を持たない事って言われても必要最低限の事は知っても仕方ないし、それは否定できないはず。


それがいやだって言うならいつでも婚約破棄してくれて結構。


ワンルームマンションで一人息巻いてる私は他から見たら危ない人かも知れない。誰もいなくて良かった。


何しろ長文メールの最後の方に、間隔をこれでもかってぐらい開けて、まるで追伸みたいな感じで「日にちなどの具体的な説明をウチの両親にしたいから都合の良い日を教えてほしい」と書いてあるのに気が付いた。


なんなのよ


もし気付かなかったらどうすんのよ。とりあえず今すぐ返事しなくてもいいんじゃない?と思って、「夜にメールします」と簡単な返事をして携帯を閉じたけど、試されてるみたいで嫌だ。


キーッ。ムカつく


それを、まるで待っていたかのように着信音が鳴り響き


「祥子、今どこにいるの?」


捲し立てるのは、きっとこのお見合いに一枚かんでるであろうと思われる香からだった。

香さん間違いなく黒ですね。でも、もっと腹黒い人がいますねぇ

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