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三日月  作者: まねきくま
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小耳に挟みましたよ?

で、急遽私の「婚約者」となった「岡崎おかざき いつき」は、社内にファンクラブなるものが存在するらしい。


バカバカしい。そんなモノがあるって事は、相手が選り取り見取りだってのに、これからの私の一年がまるっきり無駄になると思うと悔しい。


同意してしまったから仕方がないんだけど、どうにか婚約破棄ができないものかと機会を狙う事にした。


そんな時、皮肉なことに、いままで煩いだけと思っていた噂話が役にたった。


「岡崎 樹」は、どうやら少し前まで、どこかの令嬢とのお付き合いがあったらしく、どこの令嬢だかは知らないけど、ファンクラブをも黙らせるほどの方だったらしい。でも、二人の仲も世の波には勝てず令嬢はどこかに泣く泣く嫁ぐ事になってしまい(今時、政略結婚かよ)二人の仲は引き裂かれてしまったと、そういう経緯があるんだそうで、まぁ気の毒っちゃ気の毒、残念な結果だったねといえる。不幸の度合いは決して人の事は言えないけど。


それと、ファンクラブの方々は、すでに「岡崎 樹」がお見合いをして婚約した事を付きとめていた。


相手までは把握してないみたいだけど、ファンクラブの執念恐るべし。出来るだけ奴の傍には近づかないようにしなくちゃ。


私がその相手だと知られて、恨まれでもしたら何されるか分からない。たとえ、お飾りの婚約者だとしても、あの人たちからしてみれば憎い恋敵なんだろうから。


幸い、経理と営業は別フロアにあるから顔を合わせる事なんて滅多にないし


「社内では他人の振りをしてください」と強くお願いしたので、たとえ会ってもお互いに完全なスルーを決め込んでいる。それに、お見合いの日に交換した番号やアドレスが携帯に表示される日は一カ月しても来なかったから安心して社内を闊歩していた。


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