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三日月  作者: まねきくま
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状況悪くなってない?

突然の岡崎 樹の乱入に祥子さんは・・・


遅くて申し訳ありません

なんでこのタイミングでここに来るかな。


という態度がありありだったせいか


「祥子。ちゃんと仲直りしてきなさい。樹さんだって仕事で忙しいのにわざわざ来て下さったのよ。」


そう言って背中を押すのは我が母で、岡崎 樹にまで


「ごめんなさいね。祥子は頑固な所があって、大変でしょう?」


なんて言ってる。なんでだよ。悪いのは私限定なのかよ。


心の中では思いっきり悪態をついてるけど、こんなところで言い争いしてる場合じゃない。そこは空気読まなくちゃと堪えてれば


「どうりでブライダルの展示会なのに乗り気じゃないと思ったわ。花嫁なら他の予定蹴ってもすぐ飛びつくはずだものね。」


なーんてお姉ちゃんまで言い出す始末。


えーえー悪いのはどうせ私ですよーだ。


こうなれば腹くくって悪者に徹するしかないよ。


まったく、約束破ったのは向うだってのに。腑に落ちないけど、私一人が悪者になってればいいんですよーだ。ブーたれながら


「岡崎さん。ブライダルの展示会お誘いしなくてすみませんでした。自分で決めたってお聞きしてたから、改めてお誘いするのも変かなって思ったんです。」


嫌みを込めて冷たい視線を向けると、優しげな視線で見返されてムカッとしてしまう。


何その私はぜんぜん怒ってませんよって態度。


そもそも言い出したのはあんたの方で私の方は状況把握出来てないっての。


そんなのに騙されてたまるかって一人息巻いているけど


「ドウドウ」


さりげなくお姉ちゃんから肩を叩かれてそれ以上の罵詈雑言は呑み込んでやったのだ。それなのに、それなのに岡崎 樹ときたらそれが当然と言わんばかりに鼻で笑って


「そうですね。祥子さんが展示会に出席して頂けるとも思っていませんでしたから、あえて担当者に御自宅の方に招待状を届けるようにお願いしたんですよ。」


なんて平然と言ってのけるじゃない。ホント呆れてモノも言えない。


各々が自分で決めるって言ったのは誰なんだよぉ。


切実な私の心の叫びは岡崎母によって粉々に打ち砕かれた。


「これで衣装が決まったでしょ?次は案内状と引き出物とあぁそうだ、披露宴のお料理も見てみなくっちゃ。忙しくなるわよ~」


なんて、まるで自分が式を挙げるような勢いで楽しんでいる様子に押されて


「・・・そうですよね。」


なんて言いそうになってハッとした。


今、なんて言った?案内状と引き出物は分かる。衣装が決まった?それから披露宴だ?どういうこと?聞いてないよ!


「ちょっと失礼しまーす。」


突進した私の勢いに間抜けズラ曝した岡崎 樹の腕を掴んで会場の隅まで来ると


「ちょっと、どうゆう事?披露宴するなんて一言も聞いてないんだけど?」


近い親戚だけ集めたこじんまりした式しか考えてなかったから、今更そんな事言われても困るよ。


「私も今初めて聞きました。母は母で何か考えがあっての事でしょうけど、式を挙げるのは私達なのですから譲歩しなくてもいいと思いますよ。そもそもこじんまりと式を挙げて、挙式後も出席者だけの昼食を兼ねた食事会にしたいとこちらの希望は伝えているんですから。」


「それならいいんだけど。」


いいんだけど・・・何か嫌な予感がする。このまま押し切られたりしないよね?

いつも読んでいただきありがとうございます

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