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三日月  作者: まねきくま
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一筋縄ではいかないの?

お待たせしました。


やっと続きです

結局のところ契約っていう名の身代わりっていうか人身御供?それとも囮?どれに当てはまるのかは分からないけど、私には何の興味も無いって事だけは確かだ。


もっとも自分で言い出した事だから当たり前って言えば当たり前なんだろうけど。あまりにサッパリしすぎて返す言葉も無い。隠し立てしてくれれば 挙動不審を口実に無かった事に出来たかも知れないのに。


結局、計画は失敗。婚約は続行する事になってしまって。それでもいろいろ諦めずに食い下がってみたんだけど


「そういう契約ですから。今更無かった事になんてできません。」


ピシャリとトドメを刺されてグウの字も出なかったよ。


肩を落として家に帰れば、お母さんが待ち構えていたように


「どうだったの?心配する事なんてなかったでしょ?」


なんて人の気も知らないでそんな事言うし。八方塞ってこういう事をいうのかねぇ。


だからといって正直に告白したりなんかしたら、お兄ちゃんが間違いなく殴りこみに行っちゃう。絶対にそれは阻止しなければ・・・


何てったって、今は真面目な会社員だけど、昔はやんちゃな高校生で一時期にはイワユル「族」ってやつに所属していて、やたら喧嘩慣れしてるんだよね。


ただでさえシスコン気味なお兄ちゃんだし、「族」に居た時だって私とお姉ちゃんの事を可愛がってくれてた・・・いや、もう猫可愛がりに近いものがあったかも。


それはいいとして、「岡崎 樹」とは対極な性格をしてる(だってお兄ちゃんは竹を割ったような性格だし筋を通すって事にコダワル人だから、絶対契約結婚なんてしないもん)と思うから尚更ヤバい。


お坊ちゃまな男はきっと弁は立ってもケンカの仕方なんて知らないだろうし・・・。


なんてったって和合さんに殴られてるって前歴があるぐらいだからねぇ。やっと顔の傷が治ったばかりだし、まぁ自業自得だとは思うけど、ちょっと可哀想だからそれだけは止めておこうか。


私自身も、お姉ちゃんに何言われるか分かんないしね。そんなこんなでどこか流された感が否めないけど、とりあえず婚約は続行でって事になった。


本当の事を言えなくて家族みんなを騙してるのが心苦しいけど、大丈夫。ちゃんと一回は結婚するからね。


そうは思っていたけど、「岡崎 樹」の所業がお父さんの耳に入ってしまって


「いくら私の上司の息子だからと言ってウチの可愛い娘を蔑にするなんて許せない。」


と怒り心頭な訳ですよ。これは・・・修羅場確定か?


ハラハラしてどうなるか見ていると「岡崎 樹」が家に謝罪と説明に来る事になってしまって。というよりかは、お父さんが呼びつけたんだよね。


さいわいお兄ちゃんは出張中だってところが救いだと思うけど、安心しては居られない。お兄ちゃんの代わりにお姉ちゃんが来たよ。


この人も油断ならない・・・自分自身も弁が立つし、おまけに旦那さんというか義兄さんは警察官ときてる。真面目が制服着てるような人だから誤魔化しはきかないんだよね。さいわいこちらも来てないみたいだけど。


約束の時間が近づいてくると、私が悪い事をした訳じゃないのに、思いっきり居心地が悪くて逃げ出したい気分。


どうでもいいから早くこの状況何とかして欲しくて「岡崎 樹」が早く来る事だけを祈っていた。

ちなみに兄の大輔君は逮捕歴、補導歴はありません。族って言っても硬派なところで、本人いたって真面目です。


義兄も同じニオイを感じます


ってオチで・・・

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